【今日の夕食】
大晦日から元旦まで、実家で過ごしました。今日は自宅で、少し遅い大掃除をしました。

★米飯、黒米入り
★みそ汁、大根・わかめ
★ローストビーフ、大根・レタス
手作りのローストビーフです。詳しくは、下の記事。
★4点盛りプレート
・冷奴
・いんげん
・黒豆
・栗きんとん
黒豆と栗きんとんは、妻の手作りです。甘さひかえめで、おいしいです。
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【今日のおじさん】 肉質による火の通りの違い~手作りローストビーフ
昨年(2012年)の正月は、私と妻で、たくさんのおせち料理を作りました。一昨年~昨年(2011~2012年)の年末年始は、私が育児休業中だったので、じっくりと時間をかけられたためです。下の通り、品数豊富なおせちでした。(詳しくは、こちらの記事)

昨年~今年(2012~2013年)の年末年始も、妻は引き続き育児休業中です。しかし、私は普通のサラリーマンに戻りました。このため、品数を絞って、数点を作ることにしました。今年(2013年)の正月に向けて作ったのは、以下の品です。
・ローストビーフ(私)
・栗きんとん(妻)
・煮豆(妻)
・伊達巻(妻)
今回は、手作りのローストビーフについて、書きます。
★手作りローストビーフに挑戦
ローストビーフのレシピは、料理本[1]によりました。この本は、前回のおせち作りでも使ったものです。
[1]牛尾理恵;基本とコツがきちんとわかるおせち料理とほめられレシピ、成美堂出版、(2010)
材料の牛肉は、湘南台(神奈川県藤沢市)の「東急ストア」で購入しました。2種類を買いました。正月用なので、普段は買えない贅沢な牛肉を思い切りました。国産牛は、オーストラリア産の2.7倍の価格(100gあたり)。いずれも値札から3割引き。
・国産牛(交雑種)モモブロック 100g=480円、347g、1665円(値引後1166円)
・豪州産 牛モモブロック 100g=178円、212g、 377円(値引後 264円)

肉の外観比較です。左が国産牛、右がオーストラリア産です。国産は脂肪が入っています。オーストラリア産は脂のない赤身。

塩・こしょう・すりおろしたニンニクをすりこんだ後、表面をフライパンで焼き固めます。これで、肉汁を中に閉じ込めておくのだと思います。

アルミホイルでくるみます。180℃のオーブンで、30分。途中、1回裏返しました。2つとも一緒に、一度に焼きました。中身が見えず、火が通っているか、通り過ぎていないか、不安です。金串を刺して、10秒ほど置いてから抜き、温かければ良いようです。金串が手元にないので、小さいフォークで刺してみました。温かかったですが、血のような肉汁がにじみでてきます。少々不安です。しかし、火の通りが足りなければ、切った後で焼けば済むことです。(生焼けの肉は焼き直せば良いし、こぼれた水は汲み直せば良いさ。)

焼いた後は、タレに漬け込んで、3時間ほど置くそうです。タレは、しょうゆと赤ワインを1:1で混ぜたものに、玉ねぎのすりおろしを加えたもの。ポリ袋に入れると、少量のタレでも均一に漬かるようです。

タレに漬けた状態で、実家に持ち込みました。この日(大晦日)は、タレから出した状態で冷蔵庫で保存。翌日の正月メニューとして、食べます。タレは、砂糖を加えて少し煮立てて、付けダレとして使うことにしました。
★肉質による火の通り具合の違い
年が明けて、いよいよローストビーフの中身の確認です。火の通り具合は、大丈夫でしょうか。
妻の手で、薄くスライスします(私の技量だと、ぶ厚くなってしまい、うまくいきませんでした)。少し血がしたたりおちてきますが、大丈夫そうなレベルです。

まず、こちらが、国産牛。ちょうど良さそうな色みに見えますが、どうでしょう。(普段、ローストビーフなど、めったに食べないので、よく分かりません。)

一方、下の写真が、オーストラリア牛です。こちらは、ちょっと生っぽく見えます。国産牛よりも塊は小さく、国産牛と同時に焼いたのに、火の通り具合が違うとは、不思議です。

国産牛は脂が多いぶん、水分が少なく、蒸発熱で熱を奪われにくいので、火が通りやすかったのかもしれません。また、オーストラリア牛が生っぽく見えるのは、水分が多いために、水分が飛びきっていないためかもしれません。ローストビーフというものは、脂が少ない肉ほど時間がかかるものなのでしょうか。
★ローストビーフ食べ比べ
さて、お味は。
元旦の朝食に食べました。母の料理とともに、豪華な食卓です。

漬け込みに使ったタレに砂糖を加えて煮立て、付けダレとして使いました。少々辛口です。「ホースラディッシュ」(西洋わさび、レホール)は、チューブ入りのものを買いました。ローストビーフには欠かせません。これを付けると、肉の甘味が増すように感じます。

味は、国産牛のほうが、だんぜんおいしかったです。国産牛は、歯ざわりが軟らかく、後味にホワリとした風味が残ります。一方のオーストラリア牛は、後味に少しエグみが残ります。値段が約3倍違いますので、納得のいく結果ではあります。
(補足)
以前に公開した熱伝導解析ツール(→こちら)を使って、ローストビーフの火の通り具合を計算してみました。
計算条件は、次の通りです。実際に調理した肉のサイズ・オーブン温度と、ほぼ同じ条件です。
・肉の寸法 :幅80mm×厚さ50mm(長さは十分長いとする)
・肉の物性値:水の値とする
・周囲温度=180℃(一定)

計算結果は、下の通りでした。

この結果を見ると、15分後には中心まで50℃以上になり、30分後には全体が100℃を超えています。しかし、実際には、30分後にも、内部は生っぽい部分が残っていました。つまり、この計算では、実際に比べて、温度が高すぎるように思えます。原因としては、①水分の蒸発を考慮していない(実際には、蒸発で熱が持ち去られる分、温度が上がりにくい)、②庫内の温度を180℃一定と仮定した(実際には、庫内には温度ムラがあり、180℃以下の部分がある)、などが考えられます。
料理工学としては、脂身の比率による温度分布の違いなども興味深いテーマです。
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★米飯、黒米入り
★みそ汁、大根・わかめ
★ローストビーフ、大根・レタス
手作りのローストビーフです。詳しくは、下の記事。
★4点盛りプレート
・冷奴
・いんげん
・黒豆
・栗きんとん
黒豆と栗きんとんは、妻の手作りです。甘さひかえめで、おいしいです。
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【今日のおじさん】 肉質による火の通りの違い~手作りローストビーフ
昨年(2012年)の正月は、私と妻で、たくさんのおせち料理を作りました。一昨年~昨年(2011~2012年)の年末年始は、私が育児休業中だったので、じっくりと時間をかけられたためです。下の通り、品数豊富なおせちでした。(詳しくは、こちらの記事)

昨年~今年(2012~2013年)の年末年始も、妻は引き続き育児休業中です。しかし、私は普通のサラリーマンに戻りました。このため、品数を絞って、数点を作ることにしました。今年(2013年)の正月に向けて作ったのは、以下の品です。
・ローストビーフ(私)
・栗きんとん(妻)
・煮豆(妻)
・伊達巻(妻)
今回は、手作りのローストビーフについて、書きます。
★手作りローストビーフに挑戦
ローストビーフのレシピは、料理本[1]によりました。この本は、前回のおせち作りでも使ったものです。
[1]牛尾理恵;基本とコツがきちんとわかるおせち料理とほめられレシピ、成美堂出版、(2010)
材料の牛肉は、湘南台(神奈川県藤沢市)の「東急ストア」で購入しました。2種類を買いました。正月用なので、普段は買えない贅沢な牛肉を思い切りました。国産牛は、オーストラリア産の2.7倍の価格(100gあたり)。いずれも値札から3割引き。
・国産牛(交雑種)モモブロック 100g=480円、347g、1665円(値引後1166円)
・豪州産 牛モモブロック 100g=178円、212g、 377円(値引後 264円)

肉の外観比較です。左が国産牛、右がオーストラリア産です。国産は脂肪が入っています。オーストラリア産は脂のない赤身。

塩・こしょう・すりおろしたニンニクをすりこんだ後、表面をフライパンで焼き固めます。これで、肉汁を中に閉じ込めておくのだと思います。

アルミホイルでくるみます。180℃のオーブンで、30分。途中、1回裏返しました。2つとも一緒に、一度に焼きました。中身が見えず、火が通っているか、通り過ぎていないか、不安です。金串を刺して、10秒ほど置いてから抜き、温かければ良いようです。金串が手元にないので、小さいフォークで刺してみました。温かかったですが、血のような肉汁がにじみでてきます。少々不安です。しかし、火の通りが足りなければ、切った後で焼けば済むことです。(生焼けの肉は焼き直せば良いし、こぼれた水は汲み直せば良いさ。)

焼いた後は、タレに漬け込んで、3時間ほど置くそうです。タレは、しょうゆと赤ワインを1:1で混ぜたものに、玉ねぎのすりおろしを加えたもの。ポリ袋に入れると、少量のタレでも均一に漬かるようです。

タレに漬けた状態で、実家に持ち込みました。この日(大晦日)は、タレから出した状態で冷蔵庫で保存。翌日の正月メニューとして、食べます。タレは、砂糖を加えて少し煮立てて、付けダレとして使うことにしました。
★肉質による火の通り具合の違い
年が明けて、いよいよローストビーフの中身の確認です。火の通り具合は、大丈夫でしょうか。
妻の手で、薄くスライスします(私の技量だと、ぶ厚くなってしまい、うまくいきませんでした)。少し血がしたたりおちてきますが、大丈夫そうなレベルです。

まず、こちらが、国産牛。ちょうど良さそうな色みに見えますが、どうでしょう。(普段、ローストビーフなど、めったに食べないので、よく分かりません。)

一方、下の写真が、オーストラリア牛です。こちらは、ちょっと生っぽく見えます。国産牛よりも塊は小さく、国産牛と同時に焼いたのに、火の通り具合が違うとは、不思議です。

国産牛は脂が多いぶん、水分が少なく、蒸発熱で熱を奪われにくいので、火が通りやすかったのかもしれません。また、オーストラリア牛が生っぽく見えるのは、水分が多いために、水分が飛びきっていないためかもしれません。ローストビーフというものは、脂が少ない肉ほど時間がかかるものなのでしょうか。
★ローストビーフ食べ比べ
さて、お味は。
元旦の朝食に食べました。母の料理とともに、豪華な食卓です。

漬け込みに使ったタレに砂糖を加えて煮立て、付けダレとして使いました。少々辛口です。「ホースラディッシュ」(西洋わさび、レホール)は、チューブ入りのものを買いました。ローストビーフには欠かせません。これを付けると、肉の甘味が増すように感じます。

味は、国産牛のほうが、だんぜんおいしかったです。国産牛は、歯ざわりが軟らかく、後味にホワリとした風味が残ります。一方のオーストラリア牛は、後味に少しエグみが残ります。値段が約3倍違いますので、納得のいく結果ではあります。
(補足)
以前に公開した熱伝導解析ツール(→こちら)を使って、ローストビーフの火の通り具合を計算してみました。
計算条件は、次の通りです。実際に調理した肉のサイズ・オーブン温度と、ほぼ同じ条件です。
・肉の寸法 :幅80mm×厚さ50mm(長さは十分長いとする)
・肉の物性値:水の値とする
・周囲温度=180℃(一定)

計算結果は、下の通りでした。

この結果を見ると、15分後には中心まで50℃以上になり、30分後には全体が100℃を超えています。しかし、実際には、30分後にも、内部は生っぽい部分が残っていました。つまり、この計算では、実際に比べて、温度が高すぎるように思えます。原因としては、①水分の蒸発を考慮していない(実際には、蒸発で熱が持ち去られる分、温度が上がりにくい)、②庫内の温度を180℃一定と仮定した(実際には、庫内には温度ムラがあり、180℃以下の部分がある)、などが考えられます。
料理工学としては、脂身の比率による温度分布の違いなども興味深いテーマです。
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