【今日の料理】 2011/6/8 夕食
ブログ住所の引越しを,継続中です.前のレイアウトに比べて,文字の行間が詰まりぎみなようで,気になっています.あれこれと設定をいじっているのですが,なかなか要領を得ません.まあ,時間が余っているので,良いのですが.
※この直後に,行間が広がりました(line-height=150%→170%に増しました).

★米飯,十穀入り
★ダシダスープ,人参・レタス・生ハム・卵
昼食の残りです.軽井沢マラソンの土産の生ハムを追加したところ,良いダシが出て,少し味が増しました.
★豚肉トマト山芋炒め
文献[1]のレシピ(トマトじゃがいも炒め)をアレンジ.味付けは,昨日の手作り焼肉タレの残りです.
山芋は,加熱すると,じゃがいもに似たホックリ感が出て,生とは違った味わいがあります.妻にも,すこぶる好評でした.
[1]荻原悦子;改定新版 1600kcalの健康献立,女子栄養大学出版部,(2004)
★冷奴
★ジョンガキムチ
韓国で有名なジョンガ(宗家)です.シンプルな味付けで,塩辛くなく,好きです.
★甘夏
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【今日の料理工学】 湯わかし省エネ比較実験~電子レンジ対ガスコンロ
前回まで,電子レンジについて考察してきました.
これまでの考察によると,電子レンジのエネルギー効率は,40~50%で,あまり高くないように見えます.
では,他の調理方法と比べると,エネルギー効率は良いのでしょうか,悪いのでしょうか.また,省エネの観点から見ると,他の調理方法と優劣があるのでしょうか.
今回は,調理の基本である「湯をわかす」について,電子レンジとガスコンロで,
・エネルギー効率,
・省エネ度,
を比較してみます.
電子レンジで湯をわかすときの効率は,すでに実験で調査済みです.→こちら
結果は,約40%でした.
ガスコンロで湯をわかすときの効率は,今回新たに実験で調べます.次の方法で,調べました(図1).
・鍋に,1リットルの水を入れる.
・ガスコンロで加熱する.
・沸騰するまでの時間tを計る(測定器=100円ショップのストップウォッチ).
※鍋の水に温度計(DRETEC製,最小目盛0.1℃)を差し込み,温度が100℃になったら沸騰とする.
<図1>
試験条件は,以下の通りです.(写真では哺乳ビンが入っています.これは,我が家が貧乏なため,実験だけのために湯をわかすような行為は許されないためです.そこで,哺乳ビンを煮沸消毒するときに,ついでに実験したのです.)
・使用ガスコンロ:パロマガステーブルIC-320SB-R
・ガスコンロの出力(ガス消費量):2950W …[2]
・加熱前の水温…21.3℃
[2]パロマ;パロマガステーブルIC-320SB-R取扱説明書,(2009)
ガスコンロの効率ηは,次式1で計算できます.
<式1>
η=(c×m×ΔT)/(W×t)
ここで,
c:水の比熱[J/kg・K]=4200[J/kg・K]
m:水の質量[kg]
ΔT:水の温度上昇[℃]
W:ガスコンロのガス消費量[W]
t:加熱時間[s]
実験の結果,水の温度を21.3℃→100℃まで加熱するのに要した時間は,5.5[min]=330[s]でした.式1より,効率ηは次のように計算されます.
η=4200[J/kg・K]×1[kg]×(100[℃]-21.3[℃])/(2950[W]×330[s])
=0.33≒0.3
つまり,ガスコンロのエネルギー効率は,30%程度です.電子レンジの効率40~50%よりも,さらに低い効率です.
次に,省エネ度を調べるには,「省エネ度」の定義が必要です.省エネ度として,単純に家庭でのエネルギー消費量(消費電力量やガス消費量)を比べるのは,好ましくありません.電力とガスでは,天然資源からエネルギーに変換されるまでの効率が異なるからです.
今回は,「省エネ度」として,もっとも分かりやすく,単純と思われる指標をとることにしました.すなわち,「価格」です.価格が高いほど,多くの人手や資源がかかっていると思われます.したがって,価格が安いほど省エネであろう,と大雑把には言えると思います.
エネルギーの単価(1Jあたりの価格)は,ガス会社や電力会社の請求書から,算出しました.算出手順は,次の通りです.
●電力のエネルギー単価
・2011/5月分の,東京電力からの請求書を用意する.
・使用電力量[kWh]÷請求金額[円]で,エネルギー単価[J/円]を算出する.
※1kWh=3600000J
●ガスのエネルギー単価
・2011/5月分の,東京ガスからの請求書を用意する.
・使用ガス量[m^3]から,使用エネルギー量[J]を計算する.
・使用エネルギー量÷請求金額[円]で,エネルギー単価[J/円]を算出する.
※我が家の場合「13A」という種類のガスを使用しています.
この場合,1m^3あたりのエネルギーは,45MJ/m^3です.
以上によって,電力とガスの消費量を,価格[円]に換算できます.我が家の場合,次のようになりました.
・電力:6.05×10^-6[円/J]
・ガス:3.67×10^-6[円/J]
さて,今回は,以下の条件で,必要エネルギーの価格を比較します.
・温めるもの:水
・量:コップ一杯=200g
・温め温度:20℃→80℃まで温める(60℃上昇)
水を温めるのに必要なエネルギーQ[J]は,次のように計算できます.
Q=4200[J/kg・K]×0.2[kg]×60[℃]=50400[J]
電子レンジおよびガスコンロの消費エネルギーおよび価格は,次のようになります.また,参考として,加熱に要する時間も計算しました(電子レンジの消費電力=960Wとしました).
●電子レンジ
・効率η=0.4とする.
・消費エネルギー=Q÷η=50400[J]÷0.4=126000[J]
・エネルギー価格=126000[J]×6.05×10^-6[円/J]=0.76[円]
・加熱時間=126000[J]÷960[W]=130[s]
●ガスコンロ
・効率=0.3とする.
・消費エネルギー=Q÷η=50400[J]÷0.3=168000[J]
・エネルギー価格=168000[J]×3.67×10^-6[円/J]=0.61[円]
・加熱時間=168000[J]÷2950[W]=57[s]
0.76÷0.61≒1.2です.
つまり,電子レンジではガスコンロに比べて,湯わかしコストが約1.2倍になります.
したがって,「湯をわかす」ということを考えると,ガスコンロが電子レンジよりも省エネ(低コスト)だと言えそうです.
また,加熱時間も,ガスコンロでは,電子レンジの約半分で済みます.
「湯をわかす」場合には,電子レンジでなく,ガスコンロを用いるのが,妥当と言えそうです.
(補足)
湯をわかすのではなく,「ゆでる」場合には,圧倒的に電子レンジの方が省エネ(低コスト)になるようです[3].これは,ガスコンロでは,材料と湯を加熱せねばならないので,エネルギーが相当多く必要になるためと考えられます.
[3]省エネルギーセンターHP;家庭の省エネ大辞典
https://www.eccj.or.jp/sub_04.html
(補足2) 2011/6/9
今回の結果では,湯わかしコストの差は,1.2倍に過ぎません.かなり「粗い実験」の結果ですので,条件によっては,逆転する可能性もあります.したがって,湯わかしコストは同等と言ったほうが,妥当かもしれません.
(補足3) 2011/6/13
ガスコンロの効率についても,JIS規格があるようです.これによると,ガスコンロの効率は,良いもので56%程度[4]とのことです.今回の実験でガスコンロの効率が30%と低い理由は,①高級でないガスコンロを使用した,②鍋から炎がはみ出していた(火力最大で使ったため),ことが考えられます.火力を適正量に調整することで,効率をもう少し向上できるかもしれません.
[4]東京ガスHP;Siセンサーコンロスペシャルサイト
https://home.tokyo-gas.co.jp/living/si/hikaku/theme5.html
【今回の結論】
湯をわかす場合には,電子レンジよりもガスコンロが,わずかながら省エネ(低コスト)と思われます.
また,湯がわくまでの時間も,ガスコンロのほうが短くて済みます.
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★ダシダスープ,人参・レタス・生ハム・卵
昼食の残りです.軽井沢マラソンの土産の生ハムを追加したところ,良いダシが出て,少し味が増しました.
★豚肉トマト山芋炒め
文献[1]のレシピ(トマトじゃがいも炒め)をアレンジ.味付けは,昨日の手作り焼肉タレの残りです.
山芋は,加熱すると,じゃがいもに似たホックリ感が出て,生とは違った味わいがあります.妻にも,すこぶる好評でした.
[1]荻原悦子;改定新版 1600kcalの健康献立,女子栄養大学出版部,(2004)
★冷奴
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韓国で有名なジョンガ(宗家)です.シンプルな味付けで,塩辛くなく,好きです.
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【今日の料理工学】 湯わかし省エネ比較実験~電子レンジ対ガスコンロ
前回まで,電子レンジについて考察してきました.
これまでの考察によると,電子レンジのエネルギー効率は,40~50%で,あまり高くないように見えます.
では,他の調理方法と比べると,エネルギー効率は良いのでしょうか,悪いのでしょうか.また,省エネの観点から見ると,他の調理方法と優劣があるのでしょうか.
今回は,調理の基本である「湯をわかす」について,電子レンジとガスコンロで,
・エネルギー効率,
・省エネ度,
を比較してみます.
電子レンジで湯をわかすときの効率は,すでに実験で調査済みです.→こちら
結果は,約40%でした.
ガスコンロで湯をわかすときの効率は,今回新たに実験で調べます.次の方法で,調べました(図1).
・鍋に,1リットルの水を入れる.
・ガスコンロで加熱する.
・沸騰するまでの時間tを計る(測定器=100円ショップのストップウォッチ).
※鍋の水に温度計(DRETEC製,最小目盛0.1℃)を差し込み,温度が100℃になったら沸騰とする.
<図1>

試験条件は,以下の通りです.(写真では哺乳ビンが入っています.これは,我が家が貧乏なため,実験だけのために湯をわかすような行為は許されないためです.そこで,哺乳ビンを煮沸消毒するときに,ついでに実験したのです.)
・使用ガスコンロ:パロマガステーブルIC-320SB-R
・ガスコンロの出力(ガス消費量):2950W …[2]
・加熱前の水温…21.3℃
[2]パロマ;パロマガステーブルIC-320SB-R取扱説明書,(2009)
ガスコンロの効率ηは,次式1で計算できます.
<式1>
η=(c×m×ΔT)/(W×t)
ここで,
c:水の比熱[J/kg・K]=4200[J/kg・K]
m:水の質量[kg]
ΔT:水の温度上昇[℃]
W:ガスコンロのガス消費量[W]
t:加熱時間[s]
実験の結果,水の温度を21.3℃→100℃まで加熱するのに要した時間は,5.5[min]=330[s]でした.式1より,効率ηは次のように計算されます.
η=4200[J/kg・K]×1[kg]×(100[℃]-21.3[℃])/(2950[W]×330[s])
=0.33≒0.3
つまり,ガスコンロのエネルギー効率は,30%程度です.電子レンジの効率40~50%よりも,さらに低い効率です.
次に,省エネ度を調べるには,「省エネ度」の定義が必要です.省エネ度として,単純に家庭でのエネルギー消費量(消費電力量やガス消費量)を比べるのは,好ましくありません.電力とガスでは,天然資源からエネルギーに変換されるまでの効率が異なるからです.
今回は,「省エネ度」として,もっとも分かりやすく,単純と思われる指標をとることにしました.すなわち,「価格」です.価格が高いほど,多くの人手や資源がかかっていると思われます.したがって,価格が安いほど省エネであろう,と大雑把には言えると思います.
エネルギーの単価(1Jあたりの価格)は,ガス会社や電力会社の請求書から,算出しました.算出手順は,次の通りです.
●電力のエネルギー単価
・2011/5月分の,東京電力からの請求書を用意する.
・使用電力量[kWh]÷請求金額[円]で,エネルギー単価[J/円]を算出する.
※1kWh=3600000J
●ガスのエネルギー単価
・2011/5月分の,東京ガスからの請求書を用意する.
・使用ガス量[m^3]から,使用エネルギー量[J]を計算する.
・使用エネルギー量÷請求金額[円]で,エネルギー単価[J/円]を算出する.
※我が家の場合「13A」という種類のガスを使用しています.
この場合,1m^3あたりのエネルギーは,45MJ/m^3です.
以上によって,電力とガスの消費量を,価格[円]に換算できます.我が家の場合,次のようになりました.
・電力:6.05×10^-6[円/J]
・ガス:3.67×10^-6[円/J]
さて,今回は,以下の条件で,必要エネルギーの価格を比較します.
・温めるもの:水
・量:コップ一杯=200g
・温め温度:20℃→80℃まで温める(60℃上昇)
水を温めるのに必要なエネルギーQ[J]は,次のように計算できます.
Q=4200[J/kg・K]×0.2[kg]×60[℃]=50400[J]
電子レンジおよびガスコンロの消費エネルギーおよび価格は,次のようになります.また,参考として,加熱に要する時間も計算しました(電子レンジの消費電力=960Wとしました).
●電子レンジ
・効率η=0.4とする.
・消費エネルギー=Q÷η=50400[J]÷0.4=126000[J]
・エネルギー価格=126000[J]×6.05×10^-6[円/J]=0.76[円]
・加熱時間=126000[J]÷960[W]=130[s]
●ガスコンロ
・効率=0.3とする.
・消費エネルギー=Q÷η=50400[J]÷0.3=168000[J]
・エネルギー価格=168000[J]×3.67×10^-6[円/J]=0.61[円]
・加熱時間=168000[J]÷2950[W]=57[s]
0.76÷0.61≒1.2です.
つまり,電子レンジではガスコンロに比べて,湯わかしコストが約1.2倍になります.
したがって,「湯をわかす」ということを考えると,ガスコンロが電子レンジよりも省エネ(低コスト)だと言えそうです.
また,加熱時間も,ガスコンロでは,電子レンジの約半分で済みます.
「湯をわかす」場合には,電子レンジでなく,ガスコンロを用いるのが,妥当と言えそうです.
(補足)
湯をわかすのではなく,「ゆでる」場合には,圧倒的に電子レンジの方が省エネ(低コスト)になるようです[3].これは,ガスコンロでは,材料と湯を加熱せねばならないので,エネルギーが相当多く必要になるためと考えられます.
[3]省エネルギーセンターHP;家庭の省エネ大辞典
https://www.eccj.or.jp/sub_04.html
(補足2) 2011/6/9
今回の結果では,湯わかしコストの差は,1.2倍に過ぎません.かなり「粗い実験」の結果ですので,条件によっては,逆転する可能性もあります.したがって,湯わかしコストは同等と言ったほうが,妥当かもしれません.
(補足3) 2011/6/13
ガスコンロの効率についても,JIS規格があるようです.これによると,ガスコンロの効率は,良いもので56%程度[4]とのことです.今回の実験でガスコンロの効率が30%と低い理由は,①高級でないガスコンロを使用した,②鍋から炎がはみ出していた(火力最大で使ったため),ことが考えられます.火力を適正量に調整することで,効率をもう少し向上できるかもしれません.
[4]東京ガスHP;Siセンサーコンロスペシャルサイト
https://home.tokyo-gas.co.jp/living/si/hikaku/theme5.html
【今回の結論】
湯をわかす場合には,電子レンジよりもガスコンロが,わずかながら省エネ(低コスト)と思われます.
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![]() >2011/06/08/Wed湯わかし省エネ比較実験~電子レンジ対ガスコンロ
大変参考になりました。どちらか深く考えなくてもいいとわかって安心です。 鍋が分厚いのでインスタントコーヒー1杯はレンジで暖めていきます。 >・加熱時間=126000[J]÷2950[W]=57[s] ここ126は誤記かもしれません 一見 | URL | 2012/11/29/Thu 07:17 [編集]
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