【今日の料理】 2011/12/20 夕食
妻の体調は,だいぶ良くなりました.今日は妻は朝から,近くの児童館に,娘(10.3ヶ月)を連れて行きました.クリスマスパーティーがあったそうです.20~30組の母子が集まり,なかなか盛大だったようです.
体調が回復し,元気に出歩けるようになった妻ですが,まだ食欲は本調子ではないようです.

★米飯
★すまし汁,アーサ・豆腐・人参・大根
昨日の昼食の「うどんのつゆ」の残りに,沖縄土産のアーサ(ヒトエグサ)を追加しました.メインと豆腐がかぶっていますが,気にしません.
★湯豆腐
食欲のない妻のリクエストで,湯豆腐です.豆腐だけだと寂しいので,具を追加しました.豆腐・長ネギ・しいたけ・白しめじ,です.味付けは,昆布のダシだけです.ポン酢で食しました.さっぱりしていて,妻に好評でした.
★りんご,ヨーグルトがけ
「今日の料理」へのコメント,歓迎します.
→こちら
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【今日の料理工学】 鍋は,どう使い分ける?~材質・厚さと適する用途
前回まで,いろいろな鍋について,どんな用途が適するのかを,考察してきました.今回は,これまでの結果のまとめです.
★比較する鍋と用途
ひとくちに鍋といっても,片手鍋,両手鍋,フライパン,中華なべ,などなど,たくさんの種類があります.今回は,鍋の形状はあまり考えず,鍋の「厚さ」と「材質」だけに注目します.
以下の4種類の鍋について,適する用途・適さない用途を,まとめます.
a)薄手のステンレス鍋
b)厚手のステンレス鍋
c)厚手のアルミ鍋
d)多層鍋(表面がステンレス,内部がアルミ)
「薄手」と「厚手」の明確な区分けは無いようです.ここでは,厚さが1ミリ程度までのものを薄手,数ミリ以上あるものを厚手,とすることにします.
調理方法として,今回とりあげる用途は,次の3種類です.
A:湯沸し,または茹で調理
B:炒め物
C:煮物
★鍋ごとの用途の向き・不向きは
前回までの考察をもとに,鍋ごとに,用途の向き・不向きをまとめました.下表1です.
<表1>

向き不向きの理由は,以下の通りです.(前回までの説明と同じです.)
●A:湯沸し,または茹で調理
湯沸し・茹で調理では,鍋に水を入れて,湯を沸かす必要があります.このとき,水だけでなく,鍋の温度も上げる必要があります.したがって,湯沸しに必要なエネルギーは,「水の温度を上げるためのエネルギー」と,「鍋の温度を上げるためのエネルギー」の和となります.
鍋が厚いと,それだけ鍋の体積・質量が多くなります.体積・質量が大きいと,温度を上げるのに,より多くのエネルギーが必要です.したがって,効率よく(省エネかつ短時間で)湯を沸かすには,鍋が薄いほうが望ましいです.
下図1は,湯沸しに要するエネルギーの比較例(計算結果)です.
<図1>

※鍋の大きさ:直径200mm×高さ100mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm,水の量:1リットル.計算方法の詳細については,→こちら.
以上の理由から,湯沸しには,薄手鍋が向いています.
●B:炒め物
炒め物では,鍋の温度を高温に保つことが,重要と思われます.鍋の温度が下がると,材料の水分を蒸発させることができなくなり,水が溜まってしまいます.そうすると,「炒め物」でなく「煮物」になり,水っぽい仕上がりになってしまいそうです.
鍋を高温に保つには,予熱することが重要です.しかし,薄手の鍋だと,予熱をしておいても,常温の材料を投入すると,簡単に温度が低下してしまいます.温度の低下を防ぐには,厚手の鍋を使用することが望ましいです.
アルミとステンレスを比べると,同じ大きさ・厚さならば,ステンレスのほうが,より多くのエネルギーを蓄えることができます(体積あたりの比熱が大きいため).このため,材料の投入による温度低下を,小さく抑えることができます.したがって,炒め物には,アルミよりステンレスが適していると考えられます.多層鍋は,アルミとステンレスの中間的な特性です.
下図2は,200℃に予熱した鍋に15ccの水を加えた前後の,鍋の温度の比較(計算値)です.
<図2>

※鍋の大きさ:直径200mm×高さ100mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm.計算方法の詳細については,→こちら.
ただ,ステンレスの鍋は,アルミの約3倍の重量があります.フライパンなど,鍋を振って調理する場合には,軽い鍋のほうが有利かもしれません.また,C:煮物で述べるように,ステンレス鍋は,アルミ鍋よりも「温度ムラ」が生じやすい傾向があります.調理の際に,悪い影響があるかもしれません.(表1では,これらの要素は考慮していません.)
●C:煮物
煮物では,鍋の「温度ムラ」が小さいことが重要です.煮汁の粘度が低い場合には,温度ムラは,煮汁の流動によって軽減されます.しかし,粘度の高い煮汁を扱う煮物(カレー,シチュー,煮豆,煮詰める煮物,など)では,煮汁が流動しにくいため,温度ムラが改善されにくいと思われます.このため,場所によって煮え具合が異なったり,焦げ付いてしまったりという,トラブルが発生しやすそうです.したがって,煮物の際には,温度ムラを小さく保てるような鍋が,望まれます.
アルミ鍋は,ステンレス鍋に比べて,「温度伝導率」が10倍以上大きいため,温度ムラが生じにくいです.このため,煮物には,アルミ鍋が向いています.多層鍋は,アルミとステンレスの中間です.また,薄手鍋と厚手鍋を比べると,多少ながら,厚手鍋のほうが加熱ムラが小さいようです.
下図3は,鍋を20℃から空焚きして,鍋底の上面の縁が約150℃になったときの,鍋底の中央の温度の比較(計算値)です.中央と縁の温度差が小さいほど,温度ムラが小さいといえます.
<図3>

※鍋の大きさ:直径200mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm.計算方法の詳細については,→こちら.
以上のように,用途によって,適した鍋があるようです.ただ,理屈は分かっていても,手間や手持ちの鍋を考えると,実際に使い分けるのは,なかなか大変に思えます.
【今回の結論】
用途によって,適した鍋があるようです.
・湯沸し:薄手の鍋
・炒め物:厚手のステンレス鍋
・煮物 :厚手のアルミ鍋
うまく使い分けられれば,料理上手になれるかもしれません.
「育休おじさんの鍋は,ステンレスばかりですね.ステンレスマニアですか.」
「いいえ.私は『金属肌マニア』です.ステンレスの肌が,たまらなく好きなんだぁ!(絶叫)」
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妻の体調は,だいぶ良くなりました.今日は妻は朝から,近くの児童館に,娘(10.3ヶ月)を連れて行きました.クリスマスパーティーがあったそうです.20~30組の母子が集まり,なかなか盛大だったようです.
体調が回復し,元気に出歩けるようになった妻ですが,まだ食欲は本調子ではないようです.

★米飯
★すまし汁,アーサ・豆腐・人参・大根
昨日の昼食の「うどんのつゆ」の残りに,沖縄土産のアーサ(ヒトエグサ)を追加しました.メインと豆腐がかぶっていますが,気にしません.
★湯豆腐
食欲のない妻のリクエストで,湯豆腐です.豆腐だけだと寂しいので,具を追加しました.豆腐・長ネギ・しいたけ・白しめじ,です.味付けは,昆布のダシだけです.ポン酢で食しました.さっぱりしていて,妻に好評でした.
★りんご,ヨーグルトがけ
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前回まで,いろいろな鍋について,どんな用途が適するのかを,考察してきました.今回は,これまでの結果のまとめです.
★比較する鍋と用途
ひとくちに鍋といっても,片手鍋,両手鍋,フライパン,中華なべ,などなど,たくさんの種類があります.今回は,鍋の形状はあまり考えず,鍋の「厚さ」と「材質」だけに注目します.
以下の4種類の鍋について,適する用途・適さない用途を,まとめます.
a)薄手のステンレス鍋
b)厚手のステンレス鍋
c)厚手のアルミ鍋
d)多層鍋(表面がステンレス,内部がアルミ)
「薄手」と「厚手」の明確な区分けは無いようです.ここでは,厚さが1ミリ程度までのものを薄手,数ミリ以上あるものを厚手,とすることにします.
調理方法として,今回とりあげる用途は,次の3種類です.
A:湯沸し,または茹で調理
B:炒め物
C:煮物
★鍋ごとの用途の向き・不向きは
前回までの考察をもとに,鍋ごとに,用途の向き・不向きをまとめました.下表1です.
<表1>

向き不向きの理由は,以下の通りです.(前回までの説明と同じです.)
●A:湯沸し,または茹で調理
湯沸し・茹で調理では,鍋に水を入れて,湯を沸かす必要があります.このとき,水だけでなく,鍋の温度も上げる必要があります.したがって,湯沸しに必要なエネルギーは,「水の温度を上げるためのエネルギー」と,「鍋の温度を上げるためのエネルギー」の和となります.
鍋が厚いと,それだけ鍋の体積・質量が多くなります.体積・質量が大きいと,温度を上げるのに,より多くのエネルギーが必要です.したがって,効率よく(省エネかつ短時間で)湯を沸かすには,鍋が薄いほうが望ましいです.
下図1は,湯沸しに要するエネルギーの比較例(計算結果)です.
<図1>

※鍋の大きさ:直径200mm×高さ100mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm,水の量:1リットル.計算方法の詳細については,→こちら.
以上の理由から,湯沸しには,薄手鍋が向いています.
●B:炒め物
炒め物では,鍋の温度を高温に保つことが,重要と思われます.鍋の温度が下がると,材料の水分を蒸発させることができなくなり,水が溜まってしまいます.そうすると,「炒め物」でなく「煮物」になり,水っぽい仕上がりになってしまいそうです.
鍋を高温に保つには,予熱することが重要です.しかし,薄手の鍋だと,予熱をしておいても,常温の材料を投入すると,簡単に温度が低下してしまいます.温度の低下を防ぐには,厚手の鍋を使用することが望ましいです.
アルミとステンレスを比べると,同じ大きさ・厚さならば,ステンレスのほうが,より多くのエネルギーを蓄えることができます(体積あたりの比熱が大きいため).このため,材料の投入による温度低下を,小さく抑えることができます.したがって,炒め物には,アルミよりステンレスが適していると考えられます.多層鍋は,アルミとステンレスの中間的な特性です.
下図2は,200℃に予熱した鍋に15ccの水を加えた前後の,鍋の温度の比較(計算値)です.
<図2>

※鍋の大きさ:直径200mm×高さ100mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm.計算方法の詳細については,→こちら.
ただ,ステンレスの鍋は,アルミの約3倍の重量があります.フライパンなど,鍋を振って調理する場合には,軽い鍋のほうが有利かもしれません.また,C:煮物で述べるように,ステンレス鍋は,アルミ鍋よりも「温度ムラ」が生じやすい傾向があります.調理の際に,悪い影響があるかもしれません.(表1では,これらの要素は考慮していません.)
●C:煮物
煮物では,鍋の「温度ムラ」が小さいことが重要です.煮汁の粘度が低い場合には,温度ムラは,煮汁の流動によって軽減されます.しかし,粘度の高い煮汁を扱う煮物(カレー,シチュー,煮豆,煮詰める煮物,など)では,煮汁が流動しにくいため,温度ムラが改善されにくいと思われます.このため,場所によって煮え具合が異なったり,焦げ付いてしまったりという,トラブルが発生しやすそうです.したがって,煮物の際には,温度ムラを小さく保てるような鍋が,望まれます.
アルミ鍋は,ステンレス鍋に比べて,「温度伝導率」が10倍以上大きいため,温度ムラが生じにくいです.このため,煮物には,アルミ鍋が向いています.多層鍋は,アルミとステンレスの中間です.また,薄手鍋と厚手鍋を比べると,多少ながら,厚手鍋のほうが加熱ムラが小さいようです.
下図3は,鍋を20℃から空焚きして,鍋底の上面の縁が約150℃になったときの,鍋底の中央の温度の比較(計算値)です.中央と縁の温度差が小さいほど,温度ムラが小さいといえます.
<図3>

※鍋の大きさ:直径200mm,薄手鍋:厚さ0.5mm,厚手鍋:厚さ4mm.計算方法の詳細については,→こちら.
以上のように,用途によって,適した鍋があるようです.ただ,理屈は分かっていても,手間や手持ちの鍋を考えると,実際に使い分けるのは,なかなか大変に思えます.
【今回の結論】
用途によって,適した鍋があるようです.
・湯沸し:薄手の鍋
・炒め物:厚手のステンレス鍋
・煮物 :厚手のアルミ鍋
うまく使い分けられれば,料理上手になれるかもしれません.
「育休おじさんの鍋は,ステンレスばかりですね.ステンレスマニアですか.」
「いいえ.私は『金属肌マニア』です.ステンレスの肌が,たまらなく好きなんだぁ!(絶叫)」
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