【今日の料理】 2011/12/17 夕食
明日は,フリーマーケットに出店予定です.妻は,朝から商品の値付けや,売上げの皮算用に,余念がありません.明日は,私と娘(10.2ヶ月)も動員予定です.どうなることやら,とても楽しみです.売るぞー!

★米飯,黒米入り
★卵スープ,ほうれん草・ブロッコリー・人参
★サバ味噌煮
レシピは[1].いつもは圧力鍋を使っていました(→前回のサバ味噌は,こちら)が,今回は普通の鍋で調理しました.最後に,長ネギを加えました.
毎回,「味噌煮」でなく「味噌汁煮」になってしまうのですが,今回はうまくいきました.濃厚に見えますが,サバにはそれほど味がしみていません.味噌を付けながら食べると,ちょうどよいです.
[1]浅田峰子;基本の台所,グラフ社,(2002)
★ほうれん草,大和芋がけ
「今日の料理」へのコメント,お待ちしております.
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【今日の料理工学】 煮物にはアルミ鍋が最適!~加熱時の温度ムラの比較
前回は,厚手鍋と薄手鍋とで,炒め物の最中の温度の変化を調べました.その結果,厚手鍋は材料や調味料の投入時に,温度の低下が生じにくいことが分かりました.
厚手鍋は,温度のムラが生じにくいので,煮物にも向くと言われています.今回は,この点について,考察してみます.
★煮物に向く鍋は,どんな鍋?
図1は,ガスコンロで煮汁(サバ味噌の煮汁)を加熱する様子です.煮汁は,鍋の縁周辺では煮立っていますが,中央ではあまり煮立っていません.
<図1>

このように,場所によって煮え方が異なるのは,ガスコンロの構造に起因すると思われます.つまり,図2のように,ガスコンロの炎は,鍋の裏面に当たって,鍋の縁のほうに広がります.しかし,鍋の中心付近には,あまり炎が当たりません.
<図2>

このように,ガスコンロでは,鍋の縁周辺が加熱されやすく,中央は加熱されにくいと考えられえます.鍋の種類によっては,この加熱ムラが,そのまま温度ムラになります.温度ムラができると,煮汁の場所によって,煮えが足りなかったり,焦げ付いてしまったりするおそれがあります.
たとえ加熱ムラがあっても,温度ムラが生じにくい鍋が,煮物には適していると考えられます.
今回は,次の3種類の鍋について,加熱時の温度ムラを比較してみます.
a)薄手鍋,鍋底厚さ:1mm,ステンレス
b)厚手鍋,鍋底厚さ:4mm,ステンレス
c)厚手鍋,鍋底厚さ:4mm,アルミ
アルミの鍋は,熱伝導が良い(温度伝導率が高い)ので,温度ムラが生じにくいと言われています.
鍋の直径は,全て同一で,次の値とします.
・直径:200mm
★鍋の温度分布を計算してみる
●計算モデル
下図3のように,鍋の底面を,正方形の板に置き換えます.実際には,鍋には材料が入りますが,今回は簡単のため,「空焚き」(材料なし)とします.
・実際の鍋底は,直径d[mm]の円形だが,これを1辺がd[mm]の正方形に置き換える.
・コンロ中央は,直径e[mm]の非加熱範囲を持つとする.これを,中央の幅e[mm]の部分に置き換える.
・鍋底の厚さは,h[mm]とする.
・加熱範囲以外では,断熱(熱が外部に出入りしない)とする.
・鍋底の幅方向にx軸,厚さ方向にy軸をとる.
※本来は,円筒座標系を用いるべきですが,当方の技量の制限で,平面座標系としました.
<図3>

図3のモデルを用いて,鍋の底面を加熱したときの,温度変化を計算します.計算は,熱伝導の基本式,式1に基づいて行います.
<式1>

ここで,
・T:時間t[s]における温度[℃]
・t:時間[s]
・D:材料の温度伝導率[m^2/s]
D=k/(ρ・c)
・k:熱伝導率[W/m・K]
・ρ:密度[kg/m^3]
・c:比熱[J/kg・K]
・x,y:x,y座標[m]
式1を離散化することで,数値計算を可能にします.左辺はオイラー法で,右辺は差分法で,離散化します.(以前,哺乳ビンの温度分布を計算しようとしたときと,同様の方法です.詳しくは,→こちら)
離散化のために,下図4のように,鍋底を短冊に分割します.短冊は,幅方向にΔx[mm],厚み方向にΔy[mm]の幅を持ちます.
<図4>

注目する短冊の温度をT0[℃],各方向に隣接する短冊の温度T+x,T-x,T+y,T-yを,図のように定めます.そうすると,式1は,次式2のように離散化されます.Δt[s]は,時間キザミです.
<式2>

時間t[s]における温度分布が与えられれば,式2によって,時間t+Δt[s]における温度分布を,計算できます.これによって,鍋底の温度変化を予測可能です.
●境界条件
境界条件は,次のように定めます.
・鍋底下面の加熱範囲 :一定の熱流量が流入
・鍋底下面の非加熱範囲:断熱
・鍋底上面と側面(縁) :断熱
これらの境界条件を,簡単に与えるために,次のような方法をとりました.すなわち,下図5のように,解析対象の範囲(白色の短冊)の周辺に,ダミーの短冊(水色,橙色)を置きます.
<図5>

これらのダミーの短冊の温度をうまく設定することで,「一定熱流量」や「断熱」の条件を与えられます.
・一定熱流量
ダミー短冊の温度Td[℃]を,次のように定める.
Td=T1+(Δy・Q1)/(k・S)
ここで,
・T1 :隣接する(鍋表面の)短冊の温度[℃]
・Δy:短冊のy方向(厚み方向)の幅[m]
・Q1 :短冊1個に流入する熱流量[W]
・k :熱伝導率[W/m・K]
・S :熱の流入面の面積=d×Δx
・d :鍋の直径[m]
・Δx:短冊のx方向(幅方向)の幅[m]
・断熱
ダミー短冊の温度=隣接する(鍋表面の)短冊の温度,とする.
また,初期条件は,鍋の温度=20℃で一様,としました.
●計算に用いる数値(物性値など)
物性値は,次の通りです[1].
・ステンレス(18-8ステンレス)
・熱伝導率 :k=15.1[W/m・K]
・密度 :ρ=7833[kg/m^3]
・比熱 :c=460[J/kg・K]
・温度伝導率:D=0.415×10^-5[m^2/s]
・アルミ(純アルミ)
・熱伝導率 :k=204[W/m・K]
・密度 :ρ=2707[kg/m^3]
・比熱 :c=896[J/kg・K]
・温度伝導率:D=8.418×10^-5[m^2/s]
[1]黒崎他;伝熱工学,コロナ社,(2009)
寸法などは,次の通りとしました.
・非加熱範囲 :e=70[mm]
・ガスコンロ出力:Q=300[W]…前回と同じ
短冊の分割数および短冊の幅は,次の通りです.
・x方向:20分割,Δx=10[mm]
・y方向:5分割,Δy=0.4[mm](薄手鍋),0.8[mm](厚手鍋)
以上の条件で,計算を行いました.
★温度ムラが小さい鍋は,どの鍋?
計算結果を示します.
まず,下図6は,加熱開始から10[s]後の温度分布です.横軸はx方向(幅方向)の位置,縦軸はy方向(厚さ方向)の位置です.色で温度を表しています(青:低温→赤:高温).3種類の鍋について,示しています.
<図6>

最初20℃だった鍋は,10[s]後の状態では,まだ100℃以下です.熱容量の少ない薄手鍋が,もっとも温度が上がっています.
(せっかくの2次元熱伝導解析だったのですが,厚み方向には,温度の違いはあまり見られません.1次元の解析で,十分だったかもしれません.)
次に,加熱開始から30[s]後の温度分布が,下図7です.
<図7>

薄手鍋では,150℃を超えるところも出ています.しかし,中央付近はまだ50℃以下です.温度ムラが大きいといえます.
これに対して,アルミ鍋では,中央もムラなく温度が上がっているように見えます.
さらに,加熱開始から60[s]後の温度分布を,下図8に示します.
<図8>

薄手鍋では,中央が50℃以下なのに,縁のほうでは250℃を超えています.ひどい温度ムラです.(実際には,温度が高いほど放熱されやすいので,これほどの温度差は出ないかもしれません.)このような温度ムラがあると,煮物は均一に煮えなかったり,鍋の縁の近くで焦げ付いたりしてしまいそうです.
ステンレスの厚手鍋でも,温度は50℃以下の部分と150℃超の部分があります.温度ムラは,小さくありません.
しかし,アルミの厚手鍋では,温度は130℃~180℃程度の範囲に,おさまっています.アルミ鍋は,加熱ムラがあっても,温度ムラが生じにくいと言えそうです.アルミは,ステンレスに比べて,温度伝導率Dが1ケタ大きいため,温度ムラが生じにくいのです.
以上をまとめると,
・アルミの厚手鍋は,もっとも温度ムラが生じにくい.
・ステンレスの薄手鍋は,もっとも温度ムラが生じやすい.
なお,今回の計算結果は,鍋を「空焚き」した場合です.鍋に煮汁が入っている場合には,煮汁の流動によって鍋表面の温度がならされるので,これほどの温度ムラは生じないと思います.ただ,煮汁の粘度が高い場合は,流動しにくいので,温度ムラが是正されにくいかもしれません.粘度が高い煮汁(シチュー,カレー,煮詰める煮物など)の調理の際には,特に注意が必要になりそうです.
(補足)
「銅」も,温度伝導率が高いので,煮物に向いていそうです.以下,文献[1]の記載値.
・銅 :温度伝導率=11.234×10^-5[m^2/s]
・アルミ :温度伝導率=8.418×10^-5[m^2/s]
・ステンレス:温度伝導率=0.415×10^-5[m^2/s]
【今回の結論】
ガスコンロでは加熱ムラが避けられないため,鍋に温度ムラが生じます.煮物で温度ムラがあると,煮えの不均一や,焦げ付きなどの懸念があります.
薄手鍋より厚手鍋が,ステンレス鍋よりアルミ鍋が,調理中の温度ムラを生じにくいようです.煮物には,厚手のアルミ鍋が,もっとも好適なようです.
我が家にはアルミ鍋はありません.したがって,煮物が焦げ付くことが多いです.しかし,「忘れていた」が理由ですので,アルミ鍋があっても,焦げ付きは防げそうにありません.
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★米飯,黒米入り
★卵スープ,ほうれん草・ブロッコリー・人参
★サバ味噌煮
レシピは[1].いつもは圧力鍋を使っていました(→前回のサバ味噌は,こちら)が,今回は普通の鍋で調理しました.最後に,長ネギを加えました.
毎回,「味噌煮」でなく「味噌汁煮」になってしまうのですが,今回はうまくいきました.濃厚に見えますが,サバにはそれほど味がしみていません.味噌を付けながら食べると,ちょうどよいです.
[1]浅田峰子;基本の台所,グラフ社,(2002)
★ほうれん草,大和芋がけ
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【今日の料理工学】 煮物にはアルミ鍋が最適!~加熱時の温度ムラの比較
前回は,厚手鍋と薄手鍋とで,炒め物の最中の温度の変化を調べました.その結果,厚手鍋は材料や調味料の投入時に,温度の低下が生じにくいことが分かりました.
厚手鍋は,温度のムラが生じにくいので,煮物にも向くと言われています.今回は,この点について,考察してみます.
★煮物に向く鍋は,どんな鍋?
図1は,ガスコンロで煮汁(サバ味噌の煮汁)を加熱する様子です.煮汁は,鍋の縁周辺では煮立っていますが,中央ではあまり煮立っていません.
<図1>

このように,場所によって煮え方が異なるのは,ガスコンロの構造に起因すると思われます.つまり,図2のように,ガスコンロの炎は,鍋の裏面に当たって,鍋の縁のほうに広がります.しかし,鍋の中心付近には,あまり炎が当たりません.
<図2>

このように,ガスコンロでは,鍋の縁周辺が加熱されやすく,中央は加熱されにくいと考えられえます.鍋の種類によっては,この加熱ムラが,そのまま温度ムラになります.温度ムラができると,煮汁の場所によって,煮えが足りなかったり,焦げ付いてしまったりするおそれがあります.
たとえ加熱ムラがあっても,温度ムラが生じにくい鍋が,煮物には適していると考えられます.
今回は,次の3種類の鍋について,加熱時の温度ムラを比較してみます.
a)薄手鍋,鍋底厚さ:1mm,ステンレス
b)厚手鍋,鍋底厚さ:4mm,ステンレス
c)厚手鍋,鍋底厚さ:4mm,アルミ
アルミの鍋は,熱伝導が良い(温度伝導率が高い)ので,温度ムラが生じにくいと言われています.
鍋の直径は,全て同一で,次の値とします.
・直径:200mm
★鍋の温度分布を計算してみる
●計算モデル
下図3のように,鍋の底面を,正方形の板に置き換えます.実際には,鍋には材料が入りますが,今回は簡単のため,「空焚き」(材料なし)とします.
・実際の鍋底は,直径d[mm]の円形だが,これを1辺がd[mm]の正方形に置き換える.
・コンロ中央は,直径e[mm]の非加熱範囲を持つとする.これを,中央の幅e[mm]の部分に置き換える.
・鍋底の厚さは,h[mm]とする.
・加熱範囲以外では,断熱(熱が外部に出入りしない)とする.
・鍋底の幅方向にx軸,厚さ方向にy軸をとる.
※本来は,円筒座標系を用いるべきですが,当方の技量の制限で,平面座標系としました.
<図3>

図3のモデルを用いて,鍋の底面を加熱したときの,温度変化を計算します.計算は,熱伝導の基本式,式1に基づいて行います.
<式1>

ここで,
・T:時間t[s]における温度[℃]
・t:時間[s]
・D:材料の温度伝導率[m^2/s]
D=k/(ρ・c)
・k:熱伝導率[W/m・K]
・ρ:密度[kg/m^3]
・c:比熱[J/kg・K]
・x,y:x,y座標[m]
式1を離散化することで,数値計算を可能にします.左辺はオイラー法で,右辺は差分法で,離散化します.(以前,哺乳ビンの温度分布を計算しようとしたときと,同様の方法です.詳しくは,→こちら)
離散化のために,下図4のように,鍋底を短冊に分割します.短冊は,幅方向にΔx[mm],厚み方向にΔy[mm]の幅を持ちます.
<図4>

注目する短冊の温度をT0[℃],各方向に隣接する短冊の温度T+x,T-x,T+y,T-yを,図のように定めます.そうすると,式1は,次式2のように離散化されます.Δt[s]は,時間キザミです.
<式2>

時間t[s]における温度分布が与えられれば,式2によって,時間t+Δt[s]における温度分布を,計算できます.これによって,鍋底の温度変化を予測可能です.
●境界条件
境界条件は,次のように定めます.
・鍋底下面の加熱範囲 :一定の熱流量が流入
・鍋底下面の非加熱範囲:断熱
・鍋底上面と側面(縁) :断熱
これらの境界条件を,簡単に与えるために,次のような方法をとりました.すなわち,下図5のように,解析対象の範囲(白色の短冊)の周辺に,ダミーの短冊(水色,橙色)を置きます.
<図5>

これらのダミーの短冊の温度をうまく設定することで,「一定熱流量」や「断熱」の条件を与えられます.
・一定熱流量
ダミー短冊の温度Td[℃]を,次のように定める.
Td=T1+(Δy・Q1)/(k・S)
ここで,
・T1 :隣接する(鍋表面の)短冊の温度[℃]
・Δy:短冊のy方向(厚み方向)の幅[m]
・Q1 :短冊1個に流入する熱流量[W]
・k :熱伝導率[W/m・K]
・S :熱の流入面の面積=d×Δx
・d :鍋の直径[m]
・Δx:短冊のx方向(幅方向)の幅[m]
・断熱
ダミー短冊の温度=隣接する(鍋表面の)短冊の温度,とする.
また,初期条件は,鍋の温度=20℃で一様,としました.
●計算に用いる数値(物性値など)
物性値は,次の通りです[1].
・ステンレス(18-8ステンレス)
・熱伝導率 :k=15.1[W/m・K]
・密度 :ρ=7833[kg/m^3]
・比熱 :c=460[J/kg・K]
・温度伝導率:D=0.415×10^-5[m^2/s]
・アルミ(純アルミ)
・熱伝導率 :k=204[W/m・K]
・密度 :ρ=2707[kg/m^3]
・比熱 :c=896[J/kg・K]
・温度伝導率:D=8.418×10^-5[m^2/s]
[1]黒崎他;伝熱工学,コロナ社,(2009)
寸法などは,次の通りとしました.
・非加熱範囲 :e=70[mm]
・ガスコンロ出力:Q=300[W]…前回と同じ
短冊の分割数および短冊の幅は,次の通りです.
・x方向:20分割,Δx=10[mm]
・y方向:5分割,Δy=0.4[mm](薄手鍋),0.8[mm](厚手鍋)
以上の条件で,計算を行いました.
★温度ムラが小さい鍋は,どの鍋?
計算結果を示します.
まず,下図6は,加熱開始から10[s]後の温度分布です.横軸はx方向(幅方向)の位置,縦軸はy方向(厚さ方向)の位置です.色で温度を表しています(青:低温→赤:高温).3種類の鍋について,示しています.
<図6>

最初20℃だった鍋は,10[s]後の状態では,まだ100℃以下です.熱容量の少ない薄手鍋が,もっとも温度が上がっています.
(せっかくの2次元熱伝導解析だったのですが,厚み方向には,温度の違いはあまり見られません.1次元の解析で,十分だったかもしれません.)
次に,加熱開始から30[s]後の温度分布が,下図7です.
<図7>

薄手鍋では,150℃を超えるところも出ています.しかし,中央付近はまだ50℃以下です.温度ムラが大きいといえます.
これに対して,アルミ鍋では,中央もムラなく温度が上がっているように見えます.
さらに,加熱開始から60[s]後の温度分布を,下図8に示します.
<図8>

薄手鍋では,中央が50℃以下なのに,縁のほうでは250℃を超えています.ひどい温度ムラです.(実際には,温度が高いほど放熱されやすいので,これほどの温度差は出ないかもしれません.)このような温度ムラがあると,煮物は均一に煮えなかったり,鍋の縁の近くで焦げ付いたりしてしまいそうです.
ステンレスの厚手鍋でも,温度は50℃以下の部分と150℃超の部分があります.温度ムラは,小さくありません.
しかし,アルミの厚手鍋では,温度は130℃~180℃程度の範囲に,おさまっています.アルミ鍋は,加熱ムラがあっても,温度ムラが生じにくいと言えそうです.アルミは,ステンレスに比べて,温度伝導率Dが1ケタ大きいため,温度ムラが生じにくいのです.
以上をまとめると,
・アルミの厚手鍋は,もっとも温度ムラが生じにくい.
・ステンレスの薄手鍋は,もっとも温度ムラが生じやすい.
なお,今回の計算結果は,鍋を「空焚き」した場合です.鍋に煮汁が入っている場合には,煮汁の流動によって鍋表面の温度がならされるので,これほどの温度ムラは生じないと思います.ただ,煮汁の粘度が高い場合は,流動しにくいので,温度ムラが是正されにくいかもしれません.粘度が高い煮汁(シチュー,カレー,煮詰める煮物など)の調理の際には,特に注意が必要になりそうです.
(補足)
「銅」も,温度伝導率が高いので,煮物に向いていそうです.以下,文献[1]の記載値.
・銅 :温度伝導率=11.234×10^-5[m^2/s]
・アルミ :温度伝導率=8.418×10^-5[m^2/s]
・ステンレス:温度伝導率=0.415×10^-5[m^2/s]
【今回の結論】
ガスコンロでは加熱ムラが避けられないため,鍋に温度ムラが生じます.煮物で温度ムラがあると,煮えの不均一や,焦げ付きなどの懸念があります.
薄手鍋より厚手鍋が,ステンレス鍋よりアルミ鍋が,調理中の温度ムラを生じにくいようです.煮物には,厚手のアルミ鍋が,もっとも好適なようです.
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