【今日の料理】 2011/12/14 夕食
今日は,妻と娘(10.1ヶ月)は,近所の児童館に行きました.娘は,積極的に,周囲の人のところに行って,笑顔をふりまいていたそうです.終始楽しそうで,良い刺激になったようです.

★米飯
★みそ汁,じゃがいも・ほうれん草
★ブリ照り焼き
3切れ=298円の,養殖ブリです.しょうゆ・砂糖・酒のタレに漬け込んだ後,ふっ素樹脂フライパンで焼きました.
私の愛用する料理の教科書[1]によると,両面に焼き色をつけた後,クッキングペーパーで脂を拭き取るのが良いようです.今回は,この工程を省いてしまいました.このため,脂のためにタレがなじまず,脂とタレが分離したような状態になってしまいました.手間を惜しんだための失敗です.
ブリは脂がのっており,美味でした.
[1]浅田峰子;基本の台所,グラフ社,(2002)
★ゆで野菜,もやし・人参
ビタクラフトで調理しました.タレは,宮古島土産の「宮古味噌」と「あぶら味噌」をブレンドし,ニンニクのすりおろしと豆板醤を加えたものです.ニンニクが,少し利きすぎてしまいました.
「今日の料理」へのコメント,お待ちしております.
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【今日の料理工学】 湯沸しは薄手鍋に限る~薄手鍋と厚手鍋,省エネ対決
前回は,いろいろな鍋の厚さや材質を調べました.
鍋の厚さは,調理の際に,どのような影響を与えるのでしょうか.すぐに思いつくのは,厚手の鍋は,鍋を温めるために多くのエネルギーを要するので,省エネでないのでは,というイメージです.
今回は,厚さの異なる鍋で,湯沸しに要するエネルギーを比較してみます.鍋の厚さを選ぶことで,省エネになるのでしょうか.
★厚さの異なる鍋
次のような,厚さの異なる4種類の鍋を考えます.これらの寸法は,前回の鍋の厚さの実測結果を参考にしました.
a)薄手鍋,ステンレス
・底面厚さ:0.5mm
・側面厚さ:0.5mm
b)中厚鍋,ステンレス
・底面厚さ:1mm
・側面厚さ:1mm
c)底厚鍋,ステンレス
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:1mm
d)厚手鍋,ステンレス
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:4mm
e)厚手鍋,アルミ
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:4mm
また,鍋の直径および高さは,全て同一で,次の値とします.
・直径:200mm
・高さ:100mm
★湯沸しに要するエネルギーと時間
●湯沸しのエネルギー
湯を沸かすときに要するエネルギーは,次の2つのエネルギーの和です.
・水を100℃に加熱するためのエネルギー.
・鍋を100℃に加熱するためのエネルギー.
実際には,鍋は100℃以上に加熱されることがあります.しかし今回は,簡単のため,鍋は水と同じく100℃までしか温度が上がらないとします.
水を100℃に加熱するためのエネルギーE1[J]は,次式1で計算できます.
<式1>
E1=c1×m1×(T100-T0)
ここで,
・c1 :水の比熱[J/kg・K]=4200[J/kg・K]…[2]
・m1 :水の質量[kg]
・T100:水の沸点=100[℃]
・T0 :水の初期温度[℃]
[2]黒崎他;伝熱工学,コロナ社,(2009)
また,鍋を100℃に加熱するためのエネルギーE2[J]は,次式2で計算できます.ここで,鍋の初期温度は,水の初期温度と等しいとします.
<式2>
E2=c2×m2×(T100-T0)
ここで,
・c2 :鍋の比熱[J/kg・K]=460[J/kg・K]…ステンレス鋼[2]
=900[J/kg・K]…アルミ[2]
・m2 :鍋の質量[kg]
・T100:水の沸点=100[℃]
・T0 :水の初期温度[℃]
鍋の質量m2[kg]は,次式3で計算できます.
<式3>
m2=ρ×(Vb+Vs)
ここで,
・ρ :鍋の密度=7.8×10^-6[kg/mm^3]…ステンレス鋼[2]
=2.7×10^-6[kg/mm^3]…アルミ[2]
・Vb:鍋の底面の体積[mm^3]
・Vs:鍋の側面の体積[mm^3]
鍋の底面および側面の体積Vb[mm^3],Vs[mm^3]は,次式4で求められます.
Vb=π×(d/2)^2×tb
Vs=π×d×L×ts
ここで,
・d :鍋の直径[mm]
・L :鍋の高さ[mm]
・tb:鍋の底面の厚さ[mm]
・ts:鍋の側面の厚さ[mm]
上述のE1(水を加熱するエネルギー)とE2(鍋を加熱するエネルギー)を合算すると,湯を沸かすために要するエネルギーE[J]を計算できます.
計算に際して,水の初期温度T0=20℃としました.
●湯沸しの時間
所要エネルギーを元に,湯沸しに要する時間も比較します.計算に際して,以下を仮定します.これらの値は,過去に行った,ガスコンロで湯沸しに要する時間を調べた実験の結果を参考に決めました.
・ガスコンロの出力 :W=3000[W]
・ガスコンロの加熱効率:η=0.3
湯沸しに要する時間t[s]は,次式4で計算できます.
<式4>
t=E/(η×W)
★湯沸しのエネルギーと時間の比較結果
●湯沸しのエネルギー
エネルギーの計算結果は,図1の通りでした.図中,水色の部分が水を加熱するエネルギーE1,オレンジ色の部分が鍋を加熱するエネルギーE2です.
<図1>

図1の通り,厚い鍋ほど,鍋の加熱に多くのエネルギーを要します.
アルミの厚手鍋は,ステンレスの厚手鍋よりも,鍋の加熱に要するエネルギーが少ないです.アルミの比熱[J/kg・K]はステンレスの約2倍です.しかし,アルミの密度はステンレスの約1/3です.このため,単位体積あたりの比熱[J/mm^3・K]は,アルミのほうが少ないです.したがって,鍋の加熱に要するエネルギーは,アルミでは約2/3になります.
湯沸しに要する総エネルギーE(=E1+E2)にに対する,鍋を加熱するのに要するエネルギーE2の割合は,次の通りでした.
a)薄手鍋,ステンレス:E2/E=4%
b)中厚鍋,ステンレス:E2/E=7%
c)底厚鍋,ステンレス:E2/E=14%
d)厚手鍋,ステンレス:E2/E=24%
e)厚手鍋,アルミ :E2/E=18%
この結果から,厚手鍋では,鍋を温めるために全体の1/4近くのエネルギーを使用しています.これに対して薄手鍋では,鍋を温めるためのエネルギーは全体の4%程度です.湯沸しをする場合には,薄手鍋を用いたほうが,省エネと言えそうです.
●湯沸しの時間
湯沸しに要する時間は,次の通りでした.
a)薄手鍋,ステンレス:6.5min
b)中厚鍋,ステンレス:6.7min
c)底厚鍋,ステンレス:7.2min
d)厚手鍋,ステンレス:8.2min
e)厚手鍋,アルミ :7.6min
つまり,厚手鍋を使うと,薄手鍋よりも,2分弱だけ時間が余計にかかります.省エネ性だけでなく,短時間で湯を沸かすという観点からも,薄手鍋が優れていると言えそうです.
【今回の結論】
薄手鍋を使うと,厚手鍋よりも省エネかつ短時間で,湯を沸かすことができます.
「育休おじさんは,飽きっぽいですね.」
「はい.私は薄手鍋のように軽量で,熱しやすく冷めやすいのが自慢です.」
応援よろしくお願いします.
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今日は,妻と娘(10.1ヶ月)は,近所の児童館に行きました.娘は,積極的に,周囲の人のところに行って,笑顔をふりまいていたそうです.終始楽しそうで,良い刺激になったようです.

★米飯
★みそ汁,じゃがいも・ほうれん草
★ブリ照り焼き
3切れ=298円の,養殖ブリです.しょうゆ・砂糖・酒のタレに漬け込んだ後,ふっ素樹脂フライパンで焼きました.
私の愛用する料理の教科書[1]によると,両面に焼き色をつけた後,クッキングペーパーで脂を拭き取るのが良いようです.今回は,この工程を省いてしまいました.このため,脂のためにタレがなじまず,脂とタレが分離したような状態になってしまいました.手間を惜しんだための失敗です.
ブリは脂がのっており,美味でした.
[1]浅田峰子;基本の台所,グラフ社,(2002)
★ゆで野菜,もやし・人参
ビタクラフトで調理しました.タレは,宮古島土産の「宮古味噌」と「あぶら味噌」をブレンドし,ニンニクのすりおろしと豆板醤を加えたものです.ニンニクが,少し利きすぎてしまいました.
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【今日の料理工学】 湯沸しは薄手鍋に限る~薄手鍋と厚手鍋,省エネ対決
前回は,いろいろな鍋の厚さや材質を調べました.
鍋の厚さは,調理の際に,どのような影響を与えるのでしょうか.すぐに思いつくのは,厚手の鍋は,鍋を温めるために多くのエネルギーを要するので,省エネでないのでは,というイメージです.
今回は,厚さの異なる鍋で,湯沸しに要するエネルギーを比較してみます.鍋の厚さを選ぶことで,省エネになるのでしょうか.
★厚さの異なる鍋
次のような,厚さの異なる4種類の鍋を考えます.これらの寸法は,前回の鍋の厚さの実測結果を参考にしました.
a)薄手鍋,ステンレス
・底面厚さ:0.5mm
・側面厚さ:0.5mm
b)中厚鍋,ステンレス
・底面厚さ:1mm
・側面厚さ:1mm
c)底厚鍋,ステンレス
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:1mm
d)厚手鍋,ステンレス
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:4mm
e)厚手鍋,アルミ
・底面厚さ:4mm
・側面厚さ:4mm
また,鍋の直径および高さは,全て同一で,次の値とします.
・直径:200mm
・高さ:100mm
★湯沸しに要するエネルギーと時間
●湯沸しのエネルギー
湯を沸かすときに要するエネルギーは,次の2つのエネルギーの和です.
・水を100℃に加熱するためのエネルギー.
・鍋を100℃に加熱するためのエネルギー.
実際には,鍋は100℃以上に加熱されることがあります.しかし今回は,簡単のため,鍋は水と同じく100℃までしか温度が上がらないとします.
水を100℃に加熱するためのエネルギーE1[J]は,次式1で計算できます.
<式1>
E1=c1×m1×(T100-T0)
ここで,
・c1 :水の比熱[J/kg・K]=4200[J/kg・K]…[2]
・m1 :水の質量[kg]
・T100:水の沸点=100[℃]
・T0 :水の初期温度[℃]
[2]黒崎他;伝熱工学,コロナ社,(2009)
また,鍋を100℃に加熱するためのエネルギーE2[J]は,次式2で計算できます.ここで,鍋の初期温度は,水の初期温度と等しいとします.
<式2>
E2=c2×m2×(T100-T0)
ここで,
・c2 :鍋の比熱[J/kg・K]=460[J/kg・K]…ステンレス鋼[2]
=900[J/kg・K]…アルミ[2]
・m2 :鍋の質量[kg]
・T100:水の沸点=100[℃]
・T0 :水の初期温度[℃]
鍋の質量m2[kg]は,次式3で計算できます.
<式3>
m2=ρ×(Vb+Vs)
ここで,
・ρ :鍋の密度=7.8×10^-6[kg/mm^3]…ステンレス鋼[2]
=2.7×10^-6[kg/mm^3]…アルミ[2]
・Vb:鍋の底面の体積[mm^3]
・Vs:鍋の側面の体積[mm^3]
鍋の底面および側面の体積Vb[mm^3],Vs[mm^3]は,次式4で求められます.
Vb=π×(d/2)^2×tb
Vs=π×d×L×ts
ここで,
・d :鍋の直径[mm]
・L :鍋の高さ[mm]
・tb:鍋の底面の厚さ[mm]
・ts:鍋の側面の厚さ[mm]
上述のE1(水を加熱するエネルギー)とE2(鍋を加熱するエネルギー)を合算すると,湯を沸かすために要するエネルギーE[J]を計算できます.
計算に際して,水の初期温度T0=20℃としました.
●湯沸しの時間
所要エネルギーを元に,湯沸しに要する時間も比較します.計算に際して,以下を仮定します.これらの値は,過去に行った,ガスコンロで湯沸しに要する時間を調べた実験の結果を参考に決めました.
・ガスコンロの出力 :W=3000[W]
・ガスコンロの加熱効率:η=0.3
湯沸しに要する時間t[s]は,次式4で計算できます.
<式4>
t=E/(η×W)
★湯沸しのエネルギーと時間の比較結果
●湯沸しのエネルギー
エネルギーの計算結果は,図1の通りでした.図中,水色の部分が水を加熱するエネルギーE1,オレンジ色の部分が鍋を加熱するエネルギーE2です.
<図1>

図1の通り,厚い鍋ほど,鍋の加熱に多くのエネルギーを要します.
アルミの厚手鍋は,ステンレスの厚手鍋よりも,鍋の加熱に要するエネルギーが少ないです.アルミの比熱[J/kg・K]はステンレスの約2倍です.しかし,アルミの密度はステンレスの約1/3です.このため,単位体積あたりの比熱[J/mm^3・K]は,アルミのほうが少ないです.したがって,鍋の加熱に要するエネルギーは,アルミでは約2/3になります.
湯沸しに要する総エネルギーE(=E1+E2)にに対する,鍋を加熱するのに要するエネルギーE2の割合は,次の通りでした.
a)薄手鍋,ステンレス:E2/E=4%
b)中厚鍋,ステンレス:E2/E=7%
c)底厚鍋,ステンレス:E2/E=14%
d)厚手鍋,ステンレス:E2/E=24%
e)厚手鍋,アルミ :E2/E=18%
この結果から,厚手鍋では,鍋を温めるために全体の1/4近くのエネルギーを使用しています.これに対して薄手鍋では,鍋を温めるためのエネルギーは全体の4%程度です.湯沸しをする場合には,薄手鍋を用いたほうが,省エネと言えそうです.
●湯沸しの時間
湯沸しに要する時間は,次の通りでした.
a)薄手鍋,ステンレス:6.5min
b)中厚鍋,ステンレス:6.7min
c)底厚鍋,ステンレス:7.2min
d)厚手鍋,ステンレス:8.2min
e)厚手鍋,アルミ :7.6min
つまり,厚手鍋を使うと,薄手鍋よりも,2分弱だけ時間が余計にかかります.省エネ性だけでなく,短時間で湯を沸かすという観点からも,薄手鍋が優れていると言えそうです.
【今回の結論】
薄手鍋を使うと,厚手鍋よりも省エネかつ短時間で,湯を沸かすことができます.
「育休おじさんは,飽きっぽいですね.」
「はい.私は薄手鍋のように軽量で,熱しやすく冷めやすいのが自慢です.」
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![]() 育休さん、初めまして。
ブリの照り焼きに茹でサラダ、美味しそうですね。 特に湯でサラダに添えている宮古島&ブレンド味噌が とても美味しそうですね! ![]() > 焚き火パパ さん
コメントありがとうございます。 ゆで野菜は簡単で、妻にも評判が良いので、よく作ります。私の料理は、妻いわく、「手のかかっていないものほど、おいしい」とのことです。(変な味付けをするな、ということらしいです。) マツジョン | URL | 2011/12/15/Thu 09:26 [編集]
![]() はじめまして。コンニチワ━━( ´・∀・`)ノ━━!!
足跡より(*・ω・)*_ _))おじゃまさせていただきました(笑)。 ブレンド味噌にも…そそられたのですが~ ただ・・・お湯を沸かすという~工程を!! 理工学的に!!紹介しているのに…とってもΣ(´▽`ノ)ノそそられました(笑)。 楽しかったです ![]() また…寄せて頂きます(*・ω・)*_ _))(笑) だんご母 | URL | 2011/12/15/Thu 14:27 [編集]
![]() > だんご母 さん
コメントありがとうございます. 拝見しました.手の込んだお弁当に,感心するばかりです. 私は,今年2月から料理を担当し,はや1年近く経ちました.湯沸しの理屈には詳しくなりましたが,料理はぜんぜん上達しません…. 妻も料理は得意でないので,娘の弁当がどうなるか,今から心配です.(数年後の話ですが.) ![]() 足跡からお邪魔させていただきました
お料理と理科系のお話と軟と硬の組み合わせ 頭の中を見せていただきたいです(^_-) 温野菜は蒸す(最近はシリコン容器が多いけれど)と ドレッシングでいただけますよ また、栄養価も損なわれにくいようです~ 西の魔女ちゃん | URL | 2011/12/15/Thu 18:27 [編集]
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