【今日の料理】 2011/12/12 夕食
今日は,眼科に行ってきました.先日は,「結膜炎ではないか」と言われていたのですが,今日診てもらうと「上強膜炎(じょうきょうまくえん)」ではないか,との診断でした.
既に痛みはなく,炎症もよくなっているようなので,心配はないようです.2週間後に,また様子を見るとのことでした.詳しくは分からないのですが,体質的なもので,体調が悪いとなることがあるそうです.カゼで体力が落ちたのが原因かもしれません.寝不足に注意してください,とのことでした.

★米飯
★みそ汁,もやし・人参・豚肉・卵
昼の炒め物の残りを使いました.
★かれい煮付け
「角上魚類」で,2切れ=200円で買った「赤がれい」です.レシピ[1]を参考に,作りました.つゆは,しょうゆ・砂糖・酒です.20分ほど煮た後,ほうれん草と春菊を加えました.
薄味身が厚く,美味でした.
[1]浅田峰子;基本の台所,グラフ社,(2002)
★キムチ
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【今日の料理工学】 お願い,色あせないで!~葉物を湯からゆでる理由
前回まで,水から煮た場合と湯から煮た場合とで,温度変化や煮え具合がどのように異なるか,比較をしました.
前回までの検討では,比較的厚い材料(厚さ20ミリ)について,考察しました.これは,根菜などを想定しています.今回は,葉物を想定して,厚さが薄い場合について,考察してみます.
★水から煮る場合と湯から煮る場合の比較方法
前々回と同様のモデルを用いました.下図1のように,厚さh[mm]の,1次元モデルです.このモデルを使って,次の両者で,温度変化の様子を数値計算し,比較します.
a)水から煮る場合
b)湯から煮る場合
<図1>

水から煮る場合は,材料の表面温度T0[℃]が,時間とともに上昇します.湯から煮る場合は,材料の表面温度T0[℃]は,100℃で一定です.
前々回のモデルとの違いは,材料の厚さh=2[mm]とした点です.(前々回は,h=20[mm]でした.)今回は,葉物のように,薄い食材を想定しています.
その他の計算方法は,前々回と同じです.短冊の分割数=19個,時間キザミ=0.04[s]としました.
★温度変化の比較結果
温度分布の計算結果を,図2に示します.水から煮た場合と,湯から煮た場合の計算結果です.横軸は位置(0が中央,±1[mm]が材料の表面),縦軸は温度です.材料投入後の経過時間が異なる,いくつかの分布を示しています.
<図2>
a)水から煮た場合

b)湯から煮た場合

水から煮た場合は,材料表面の温度が上がり,中央の温度も上がっていきます.前々回の材料が厚い場合では,材料表面と中央で,温度の差がありました.これに対して,今回の材料が薄い場合には,表面と中央の温度差が,ほとんどありません.すなわち,水(湯)の温度と,材料の温度が,ほぼ同一です.これは,材料が薄いため,短時間で中央まで熱が伝わるためと,考えられます.
一方,湯から煮た場合は,材料を投入してすぐに(数十秒くらいで),材料の温度が湯温(100℃)と一緒になります.
このように,材料が薄い場合は,水から煮ても湯から煮ても,湯温と材料の温度が,常にほぼ同一になるようです.
図3は,材料の中央(x=0)の温度の時間変化です.横軸は時間,縦軸は温度です.水から煮た場合と,湯から煮た場合を比較して示しています.
このグラフの「時間」は,水の加熱を開始した時間としました.すなわち,湯から煮る場合には,水から湯が沸くまでの時間(6.3min)だけ,材料の加熱開始時間をシフトしています.
<図3>

前々回と同様に,「材料に火が通る」の定義を,「材料の中心が90℃になる」としてみます.そうすると,火が通るまでに要する時間は,次のようになります.
a)水から煮る
火が通る時間=材料を煮る時間=5.6min
b)湯から煮る
火が通る時間=湯を沸かす時間6.3min+材料を煮る時間0.1min=6.4min
つまり,総調理時間を見ると,水から煮たほうが,短時間で完了します.これだけを考えると,葉物の場合でも,水から煮たほうが良いように思えます.
★色味の抜けや歯応えを防ぐには
しかし,水から煮ると,問題があります.葉物は,長い時間煮ると,色味が抜けたり(または変色したり),歯応えを損ねてしまうのです.色味の抜けや歯応えの低下は,化学成分の破壊と考えられます.したがって,前回と同様に,「煮え具合」を検討すれば,色味の抜けや歯応えの低下を評価できそうです.
そこで,前回と同様に,「煮え効力量」を計算しました.「煮え効力量」は,煮えを進ませる能力の総量を表す指標です(当方が独自に導入).単位は,[nie](ニエ)です.1[nie]は,温度100℃で1秒間煮たときに材料に与えられる,煮えを進ませる能力の総量と定義します.(煮え効力量について,詳しくは前回参照.)
結果は,次の通りです.材料中心部が90℃になるまでの間に与えられる,煮え効力量です.
a)水から煮た場合
・A:材料の中心部:34[nie]
・B:材料の表面 :36[nie]
b)湯から煮た場合
・A:材料の中心部:1[nie]
・B:材料の表面 :7[nie]
この結果から,水から煮るよりも,湯から煮たほうが,与えられる煮え効力量が少なくて済むことが分かります.煮え効力量が少ないということは,煮え具合が少ない,すなわち色味の抜けや歯応えの低下が少ないことを示すと,考えられます.
以上のように,葉物の場合には,調理時間の短さよりも,色味の抜けや歯応えの低下を避ける観点から,湯から煮るのが望ましい,と考えられます.
【今回の結論】
葉物のような薄い材料では,湯から煮たほうが,変色や歯応えの低下を避けられます.
このため,葉物は,水からでなく,湯から煮るのが望ましいと考えられます.
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今日は,眼科に行ってきました.先日は,「結膜炎ではないか」と言われていたのですが,今日診てもらうと「上強膜炎(じょうきょうまくえん)」ではないか,との診断でした.
既に痛みはなく,炎症もよくなっているようなので,心配はないようです.2週間後に,また様子を見るとのことでした.詳しくは分からないのですが,体質的なもので,体調が悪いとなることがあるそうです.カゼで体力が落ちたのが原因かもしれません.寝不足に注意してください,とのことでした.

★米飯
★みそ汁,もやし・人参・豚肉・卵
昼の炒め物の残りを使いました.
★かれい煮付け
「角上魚類」で,2切れ=200円で買った「赤がれい」です.レシピ[1]を参考に,作りました.つゆは,しょうゆ・砂糖・酒です.20分ほど煮た後,ほうれん草と春菊を加えました.
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【今日の料理工学】 お願い,色あせないで!~葉物を湯からゆでる理由
前回まで,水から煮た場合と湯から煮た場合とで,温度変化や煮え具合がどのように異なるか,比較をしました.
前回までの検討では,比較的厚い材料(厚さ20ミリ)について,考察しました.これは,根菜などを想定しています.今回は,葉物を想定して,厚さが薄い場合について,考察してみます.
★水から煮る場合と湯から煮る場合の比較方法
前々回と同様のモデルを用いました.下図1のように,厚さh[mm]の,1次元モデルです.このモデルを使って,次の両者で,温度変化の様子を数値計算し,比較します.
a)水から煮る場合
b)湯から煮る場合
<図1>

水から煮る場合は,材料の表面温度T0[℃]が,時間とともに上昇します.湯から煮る場合は,材料の表面温度T0[℃]は,100℃で一定です.
前々回のモデルとの違いは,材料の厚さh=2[mm]とした点です.(前々回は,h=20[mm]でした.)今回は,葉物のように,薄い食材を想定しています.
その他の計算方法は,前々回と同じです.短冊の分割数=19個,時間キザミ=0.04[s]としました.
★温度変化の比較結果
温度分布の計算結果を,図2に示します.水から煮た場合と,湯から煮た場合の計算結果です.横軸は位置(0が中央,±1[mm]が材料の表面),縦軸は温度です.材料投入後の経過時間が異なる,いくつかの分布を示しています.
<図2>
a)水から煮た場合

b)湯から煮た場合

水から煮た場合は,材料表面の温度が上がり,中央の温度も上がっていきます.前々回の材料が厚い場合では,材料表面と中央で,温度の差がありました.これに対して,今回の材料が薄い場合には,表面と中央の温度差が,ほとんどありません.すなわち,水(湯)の温度と,材料の温度が,ほぼ同一です.これは,材料が薄いため,短時間で中央まで熱が伝わるためと,考えられます.
一方,湯から煮た場合は,材料を投入してすぐに(数十秒くらいで),材料の温度が湯温(100℃)と一緒になります.
このように,材料が薄い場合は,水から煮ても湯から煮ても,湯温と材料の温度が,常にほぼ同一になるようです.
図3は,材料の中央(x=0)の温度の時間変化です.横軸は時間,縦軸は温度です.水から煮た場合と,湯から煮た場合を比較して示しています.
このグラフの「時間」は,水の加熱を開始した時間としました.すなわち,湯から煮る場合には,水から湯が沸くまでの時間(6.3min)だけ,材料の加熱開始時間をシフトしています.
<図3>

前々回と同様に,「材料に火が通る」の定義を,「材料の中心が90℃になる」としてみます.そうすると,火が通るまでに要する時間は,次のようになります.
a)水から煮る
火が通る時間=材料を煮る時間=5.6min
b)湯から煮る
火が通る時間=湯を沸かす時間6.3min+材料を煮る時間0.1min=6.4min
つまり,総調理時間を見ると,水から煮たほうが,短時間で完了します.これだけを考えると,葉物の場合でも,水から煮たほうが良いように思えます.
★色味の抜けや歯応えを防ぐには
しかし,水から煮ると,問題があります.葉物は,長い時間煮ると,色味が抜けたり(または変色したり),歯応えを損ねてしまうのです.色味の抜けや歯応えの低下は,化学成分の破壊と考えられます.したがって,前回と同様に,「煮え具合」を検討すれば,色味の抜けや歯応えの低下を評価できそうです.
そこで,前回と同様に,「煮え効力量」を計算しました.「煮え効力量」は,煮えを進ませる能力の総量を表す指標です(当方が独自に導入).単位は,[nie](ニエ)です.1[nie]は,温度100℃で1秒間煮たときに材料に与えられる,煮えを進ませる能力の総量と定義します.(煮え効力量について,詳しくは前回参照.)
結果は,次の通りです.材料中心部が90℃になるまでの間に与えられる,煮え効力量です.
a)水から煮た場合
・A:材料の中心部:34[nie]
・B:材料の表面 :36[nie]
b)湯から煮た場合
・A:材料の中心部:1[nie]
・B:材料の表面 :7[nie]
この結果から,水から煮るよりも,湯から煮たほうが,与えられる煮え効力量が少なくて済むことが分かります.煮え効力量が少ないということは,煮え具合が少ない,すなわち色味の抜けや歯応えの低下が少ないことを示すと,考えられます.
以上のように,葉物の場合には,調理時間の短さよりも,色味の抜けや歯応えの低下を避ける観点から,湯から煮るのが望ましい,と考えられます.
【今回の結論】
葉物のような薄い材料では,湯から煮たほうが,変色や歯応えの低下を避けられます.
このため,葉物は,水からでなく,湯から煮るのが望ましいと考えられます.
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