家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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【今日の料理】 2011/6/6 夕食
 今日は,妻は自動車学校で,一日留守でした.
 帰ってきた妻は,「S字カーブをうまく曲がれた」と,大いに喜んでいました.

 私が20年ほど前に通った自動車学校では,S字カーブでは,奥のほうの道路に点線が描いてありました.自動車の先端を,この点線に合わせるように操作すると,脱輪せず,うまくカーブを抜けられる,という仕組みです.つまり,車両サイズの感覚を身に付ける必要がないのです.この仕組みのおかげで,私は,点線が描いていないS字カーブは,うまく抜けられないと思います.
 また,私は数年前に,ペーパードライバー講習を受けました.そのときは,何とかS字カーブを曲がれました.ただし,教官が横からハンドルを操作してくれて,ようやく曲がれたと記憶しています.

 今,私が乗っている自動車は,普通車で最小クラスの自動車(トヨタ・パッソ)です.教習所の大きい車で,果たしてS字カーブを曲がれるかどうか,私には自信がありません.私が自動車を運転するときには,狭い道を通らないように,十分に注意しています.

★米飯

★みそ汁,ほうれん草・油あげ

★鮭マリネの蒸し焼き
 レシピ[1]の鮭ホイル焼きをアレンジ.オリーブオイル・レモン汁・たまねぎと漬けた鮭を,人参・しめじと一緒にフライパンに載せて,約10分蒸し焼きにしました.
 レモンの香りが飛んでしまい,酸味が僅かに残る程度でした.レモン汁は,最後にかけたほうが,よかったかもしれません.でも,鮭はおいしく,妻も満足していました.

[1]奥園壽子;超ムダなし!食べきりレシピ,家の光協会,(2009)

★焼きなす
 ガスコンロのグリルで焼いた,なすです.ヤマサ昆布つゆと,しょうがで食しました.なすが良くないのか,焼きが足りないのか,固くて少しエグみがあり,今ひとつでした.前に作ったときは,もう少しおいしかったと記憶していたのですが.

★トマト

★きゅうり七味和え


【今日の料理工学】 電子レンジの効率を上げられるか?~氷を使った実験
 前回は,電子レンジのエネルギー効率を考察しました.その結果,電子レンジのエネルギー効率は,40%程度でした.内訳は,電磁波を作る効率が約50%,電磁波で加熱する効率が約80%,でした.

 今回は,被加熱材料が凍っている場合について,前回と同様の実験を行ってみました.

 前回同様,電子レンジのエネルギー効率η(イータ)を,次式1のように定義します.
<式1>
 η=η1×η2
 ここで,
 ・η1=加熱された材料の得たエネルギーQ[J]÷電磁波のエネルギーEw[J]
 ・η2=電磁波のエネルギーEw[J]÷消費した電力量Ein[J]

 加熱される材料の一部が凍っている場合には,加熱された材料の得たエネルギーQ[J]は,次の3つのエネルギーの和です.
 ・初期に凍っていなかった部分が得たエネルギー(温度上昇)
 ・初期に凍っていた部分が,氷→水になるためのエネルギー
 ・初期に凍っていた部分が,水になった後に得たエネルギー(温度上昇)
 したがって,加熱された材料の得たエネルギーQ[J]は,次式2で計算できます.
<式2>
 Q=c×m1×ΔT1+c×m2×ΔT2+q×m2
 ここで,
 ・c:材料の比熱[J/kg・K]
 ・m1:材料の,初期に凍っていなかった部分の質量[kg]
 ・m2:材料の,初期に凍っていた部分の質量[kg]
 ・ΔT1:凍っていなかった部分の温度上昇[℃]
 ・ΔT2:凍っていた部分の温度上昇[℃]
 ・q:氷→水の融解熱[J/kg]

 また,電磁波のエネルギーEw[J]は次式3で,消費した電力量Ein[J]は次式4で計算できます.
<式3>
 Ew=Ww×t
 ここで,
 ・Ww:電磁波の出力[W]
 ・t:加熱した時間[s]

<式4>
 Ein=Win×t
 ここで,
 ・Win:電子レンジの消費電力[W]
 ・t:加熱した時間[s]

 さて,前回と同様に,材料の加熱時間tと温度上昇ΔT1,ΔT2の関係を,実験で調べました.
 今回は,図1のように,密閉容器の中に,水と氷を入れました.氷だけでなく,水を入れたのは,電子レンジは直接氷を加熱しにくいため,空焚き状態になるのを避けるためです.水を入れておけば,まず水が加熱され,水から氷に熱が伝わることで,氷も加熱されます.
 そして,前回と同じく,電子レンジで所定時間加熱した前後の,温度変化を調べました.温度計(DRETEC,デジタル温度計,最小目盛0.1℃)は,容器の蒸気穴から差しました.
<図1>
20110606z01.jpg

 試験条件は,以下の通りです.
 ・電子レンジ:松下電器産業(当時),NE-TZ15A
 ・水の量:50g
 ・氷の量:135g
 ・水と氷を混ぜた後,冷蔵庫内に約10分放置して,温度を安定させた.
 ・加熱前の水の温度:2.0℃
 ・加熱時間:3min
 ※水および氷の重量は,タニタ製デジタル秤(最小目盛1g)で測定しました.

 では,式1~式4および実験結果に基づいて,電子レンジのエネルギー効率を求めてみます.

 物性値および電子レンジのスペックは,以下の値としました.
 ・水の比熱     :c=4200J/kg
 ・氷→水の融解熱:q=330000J/kg
 ・電磁波出力   :Ww=500W …[2]
 ・消費電力     :Win=960W …[2]

[2]松下電器産業(当時);家庭用オーブンレンジNE-TZ15A取扱説明書,(2006)

 また,実験結果は,以下の通りでした.
 ・加熱後には,氷は全て溶けていた.
 ・加熱後の温度は,52.3℃だった.
 ・凍っていなかった部分の温度上昇ΔT1=52.3-2.0=50.3℃,となる.
 ・凍っていた部分の温度上昇ΔT2=52.3-0=52.3℃,となる.
 ここで,初期の氷の温度=0℃と仮定しました.

 式3~5を計算すると,以下のようになります.
 ・Q=4200[J/kg]×0.05[kg]×50.3[℃]
    +4200[J/kg]×0.135[kg]×52.3[℃]
    +330000[J/kg]×0.135[kg]
   =10500[J]+29600[J]+44500[J]=84700[J]
 ・Ew=500[W]×180[s]=90000[J]
 ・Ein=960[W]×180[s]=173000[J]
 
 式1~2から,電子レンジのエネルギー効率は,以下のように計算できます.
 ・η1=84700÷90000=0.941≒0.9
 ・η2=90000÷173000=0.520≒0.5
 ・η=0.941×0.520=0.490≒0.5

 今回の結果では,電子レンジの総合的なエネルギー効率は,約50%となりました.(前回,水を温める実験から推定されたエネルギー効率は,約40%でした.)
 今回のエネルギー効率の内訳は,次のようになっています.
 ・電源電力から電磁波を作るときの効率:約50%
 ・電磁波で材料を加熱するときの効率 :約90%

 電磁波で材料を加熱するときの効率は,前回の水を温める実験のときには,約80%でした.今回のほうが,やや効率が高くなっています.その理由は,以下のように考えています.
 ・加熱後の温度は,今回の実験では約50℃,前回は約80℃だった.
 ・加熱後の温度が高いと,周囲の温度との差が大きいので,熱が逃げやすくなる(フーリエの法則).
 ・このため,前回の実験では,今回の実験よりも,熱が周囲に逃げて,加熱効率が下がった.

 この結果から考えると,不要に高温まで加熱することを避ければ,多少ながら,電子レンジのエネルギー効率を上げることができるかもしれません.
 しかしながら,それでも電子レンジの電力の約50%は,ロスになると考えられます.そして,このロスのほとんどは,電磁波をつくるときの効率の低さに起因します.電子レンジは便利ですが,やはり,あまり効率のよい機器とは,言えそうにありません.

(補足)
 私の使用している電子レンジは,廉価なものなので,効率が悪いのかもしれません.そう思って,高級機種の消費電力と,電磁波出力を調べてみました[3].
[3]パナソニックHP;スチームオーブンレンジ機能比較一覧
 https://panasonic.jp/range/pdf/mi_oven_lineup.pdf

 これによると,最上位機種と思われる「NE-R3400」では,次のような仕様でした.
 ・消費電力:1450W
 ・電磁波出力:150~800W

 電磁波を作るときの効率は,800W÷1450W=0.55,となります.私の電子レンジと,大差ない効率でした.


(補足2)2011/6/7
 電子レンジの電磁波出力について,文献[4]に記載されていました.
[4]肥後;電子レンジ「こつ」の科学,柴田書店,(2005)

 これによると,電磁波出力の測定方法は,JIS規格で規定されているようです.具体的には,1リットルの水を入れたビーカー2個を電子レンジ内に設置して,2分間加熱します.このとき,水の温度上昇から,水の吸収したエネルギーを求めます.そして,吸収したエネルギー÷時間(2分)によって,電磁波出力を定めます.
 こうしてみると,「電磁波出力」とは,実際に電磁波の持つエネルギーでないと考えられます.したがって,今回の記事で考察したように,電子レンジの効率をη1とη2に分けるのは,正確ではなかったかもしれません.
 JISによる「電磁波出力」の定義によれば,2リットルの水を2分間加熱する実験をすれば,η1=1の結果が出るはずです.水の量を減らすと,体積に対する表面積が増えるので,熱が逃げやすくなって,η1<1となるのかもしれません.逆に,条件の設定によっては,η1>1にも,なるかもしれません.


【今回の結論】
 前回の実験と,今回の実験を総合すると,電子レンジのエネルギー効率は,約40~50%と推定されます.
 ・電源電力から電磁波を作るときの効率:約50%
 ・電磁波で材料を加熱するときの効率 :約80~90%
 加熱後の温度が低いほど,加熱の効率は向上できると考えられますが,向上は僅かです.


【バックナンバー】
電子レンジ編・前の記事:電子レンジの効率
電子レンジ編・次の記事:電子レンジ内の電話

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