家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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【今日の料理】 2011/10/26 夕食
 今日は,娘(8.5ヶ月)の機嫌が,あまり良くありませんでした.晩ご飯の後は,少し下痢気味になってしまいました.急に寒くなってきたので,体調をくずしてしまったのかもしれません.今晩は,暖房を入れてみることにしました.
CIMG5430.jpg
★米飯

★みそ汁,豆腐・こまつな

★ブリ刺身

★なすと挽肉の炒め物
 ニンニク・豚鶏合挽肉を炒め,電子レンジで加熱したなすを加えました.味付けは,豆板醤・味王(ウェイユー)・塩です.妻の反応も,まずまずでした.

★里芋煮
 圧力鍋,加圧3分.味付けは,昆布・ヤマサ昆布つゆ・しょうゆ・みりん.農協の直売所で買った,格安の里芋でしたが,ねっとりと柔らかく,美味でした.


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【今日の料理工学】 急熱と急冷,どちらが割れやすい?~ガラスの熱応力
 前回は,ガラスの表裏に温度差があるときの,ガラスに生じる応力について,検討しました.温度差があると,低温側のガラス表面に引張応力が作用します.この引張応力が大きいと,ガラスは破壊してしまいます.

 ガラス食器を使用するときに,ガラスの表裏に大きな温度差が生じるのは,次の2つの場合があります.
a)急熱する場合:
 例えば,常温で保管していたガラスコップに,沸騰した湯を注ぐ場合.
b)急冷する場合:
 例えば,沸騰した湯で作った哺乳ビンのミルクを,水で冷やす場合.

 今回は,急熱する場合と,急冷する場合とで,どちらがガラスが破壊する危険が大きいかを,考察してみます.


★検討方法
 前回と同様に,厚さh[mm],長さL[mm]の,ガラス板を考えます(図1).
<図1>
20111026z1.jpg
 温度分布として,次の2通りを考えます.
a)急熱する場合:
・ガラス内部の温度がT0[℃]で均一な状態から始める.
・左側表面を温度T0[℃]に保ちつつ,
・右側表面を温度T1[℃](T1>T0)に急熱する.
b)急冷する場合:
・ガラス内部の温度がT1[℃]で均一な状態から始める.
・右側表面を温度T1[℃]に保ちつつ,
・左側表面を温度T0[℃]に急冷する.

 ガラス内部の応力分布は,次の手順で求めました.
・手順Ⅰ:ガラス内部の温度分布を計算する.
・手順Ⅱ:温度分布から,ガラス内部の応力分布を計算する.

 それぞれの手順の内容は,次の通りです.

●手順Ⅰ:ガラス内部の温度分布の計算
 ガラス表面を急熱・急冷したときの,ガラス内部の温度分布は,「伝熱学」の知見[1]を用いて,計算できます.
[1]黒崎,佐藤;伝熱工学,コロナ社,(2009)
伝熱工学 (機械系 大学講義シリーズ)伝熱工学 (機械系 大学講義シリーズ)
(2009/04/22)
黒崎晏夫、佐藤 勲 他

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 今回は,以前の記事「哺乳ビンのミルクは,どれくらい待てば適温になるか?」と同様に,1次元のモデルを用いて,数値計算しました.この手法は,具体的には,次のようなものです.
・ガラスの厚み方向に,複数の要素に分割する.
・「熱伝導の式(微分方程式)」[1]を,差分法とオイラー法を用いて離散化する.
・離散化された熱伝導の式を,数値計算で解いて,温度分布の時間変化を求める.

●手順Ⅱ:ガラス内部の応力分布の計算
 ガラス内部の温度分布が分かれば,前回と同様にして,ガラス内部の応力分布を計算できます.
 ただし,前回の計算では,定常状態を扱っていたため,温度勾配が一定な温度分布を仮定していました.今回は,任意の温度分布について,計算をする必要があります.
 左側表面の温度T0[℃]を基準とした温度上昇が,ΔT(x)[℃]で与えられるとき,前回と同様の手順を踏むと,応力分布σ(x)[N/mm^2]として,次式1が得られます.
<式1>
20111026s1.jpg
 ここで,
  α:ガラスの線膨張係数[1/K]
  E:ガラスの縦弾性係数[N/mm^2]
 式1の第1項(積分を含む項)は,ガラス内部の平均温度ですので,簡単に計算できます.


 以上の手順Ⅰ,Ⅱによって,時間の経過に対する,ガラス内部の応力分布の変化を求めました.計算に使用した条件は,次の通りです.
 ・ガラス板の厚さ    :h=3[mm]
 ・低温側(左側表面)の温度:T0=20[℃]
 ・高温側(右側表面)の温度:T1=100[℃]
 また,物性値は,耐熱ガラス「パイレックス7740」の値[2]を用いました.
 ・ガラスの熱伝導率   :λ=1.09[W/m・K]
 ・ガラスの比熱     :c=714[J/kg・K]
 ・ガラスの密度     :ρ=2230[kg/m^3]
 ・ガラスの縦弾性係数  :E=61000[N/mm^2]
 ・ガラスの線膨張係数  :α=32.5×10^-7[1/K]
 ・ガラスの設計強度   :14MPa(強化品),7MPa(非強化品)
[2]山善特殊硝子製作所;参考資料
 https://www.yamazenglass.co.jp/sankou.htm


★検討結果
 まず,温度分布の計算結果を,図2に示します.上図が急熱,下図が急冷です.横軸はガラス厚み方向の位置,縦軸は温度です.時間t[s]の経過に伴って,複数の線を記載しています.
<図2>
20111026z2.jpg
20111026z3.jpg
 図2より,急熱・急冷とも,約10[s]経過すると,線形な温度分布(温度勾配が一定)になります.これが,前回検討した,定常状態での温度分布です.定常状態での温度分布は,急熱と急冷とで,まったく同じです.
 しかし,過渡状態では,急熱と急冷では,温度分布が異なっています.このため,応力分布も変わってきます.下図3は,ガラス内部の応力分布の計算結果です.
<図3>
20111026z4.jpg
20111026z5.jpg
 図3から,応力分布は,次のように変化します.
a)急熱の場合
・急熱直後(t=0.2[s])では,
 ・左側表面(低温側)は,約0.5[MPa]の引張応力.
 ・右側表面(高温側)は,約10[MPa]の圧縮応力.
・時間の経過とともに,
 ・左側表面(低温側)は,引張応力が増していく.
 ・右側表面(高温側)は,圧縮応力が減っていく.
・定常状態(t=10[s])では,
 ・左側表面(低温側)は,約7[MPa]の引張応力.
 ・右側表面(高温側)は,約7[MPa]の圧縮応力.

b)急冷の場合 
・急熱直後(t=0.2[s])では,
 ・左側表面(低温側)は,約10[MPa]の引張応力.
 ・右側表面(高温側)は,約0.5[MPa]の圧縮応力.
・時間の経過とともに,
 ・左側表面(低温側)は,引張応力が減っていく.
 ・右側表面(高温側)は,圧縮応力が増していく.
・定常状態(t=10[s])では,
 ・左側表面(低温側)は,約7[MPa]の引張応力.
 ・右側表面(高温側)は,約7[MPa]の圧縮応力.

 ガラスの破壊は,ガラス表面の引張応力が許容強度を超えたときに,生じます.表面の引張応力が最大になるのは,「急冷」の,冷却開始直後です.したがって,次のことが言えそうです.
 ・急熱よりも,急冷の場合に,破壊が生じやすいと考えられる.
 ・急冷では,冷却開始直後に,もっとも破壊の危険性が高いと思われる.
 ・急熱では,温度分布が定常に近づくにつれて,破壊の危険性が高まると思われる.
 ・いずれの場合も,低温側のガラス表面で,破壊が生じる.

 なお,ガラス板の厚さを増すと,温度分布が定常になるまでの時間が長くなります.したがって,急冷の場合には,大きな引張応力を受ける時間が増します.よって,ガラス板の厚さを増すと,急冷時に破壊する危険性が,さらに高まりそうです.
 逆に,急熱の場合には,ガラス板の厚さを増しても,破壊の危険性は大きく変化しないと思われます.


【今回の結論】
 冷たいガラスを急熱するよりも,熱いガラスを急冷する場合のほうが,ガラスが割れる危険が高いと考えられます.


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