家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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【今日の料理】 2011/10/25 夕食
 今日は,妻が午後から歯医者でした.今日は,親知らずを抜く準備だそうです.混雑する歯医者らしく,1ヶ月に1回しか予約がとれないようで,治療は亀の歩みです.
 その間,私は,娘(8.4ヶ月)と積木遊びをしたり,おやつをあげたり,昼寝したり,楽しく過ごしました.
CIMG5426.jpg
★米飯

★たら鍋
 具は,たら・白菜・まいたけ・焼豆腐・人参・大根・昆布.味付けは,本だし・味噌.味付けをしたにも関わらず,味がなく,ポン酢で頂きました.鍋物は,なんでも突っ込んで煮てしまえば,それなりにおいしく食べられるもの,と思っていたのですが,この認識を覆す味でした.白菜の嫌なエグみばかり強く,おいしくありませんでした.原因は,不明です.


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【今日の料理工学】 耐熱ガラスは,どれくらい強い?~表面応力の比較
 前回は,「割れにくいガラス」として,耐熱ガラスや強化ガラスを調べました.
 耐熱ガラスは,線膨張率を小さくすることで,温度変化に強くしたガラスでした.また,強化ガラスは,熱処理で表面に圧縮応力を与え,外力に強くしたガラスでした.
 では,これらのガラスは,普通のガラスに比べて,どの程度強いのでしょうか.定量的に,比較してみたいと思います.


★温度差のあるガラス板の応力計算
 ガラスの表裏に温度差を与えたときの,ガラス内部の応力を,計算してみます.
 図1のように,厚さh[mm],長さL[mm]の,板状のガラスを考えます.次のように,両面に温度を与えます.
 ・左側の面:温度T0[℃] …室温とする
 ・右側の面:温度T1[℃] …室温よりも高温(T1>T0)とする
 左側の面をx=0として,右向きにx軸をとります.
<図1>
20111025z3.jpg
 このモデルにおいて,次を仮定します.
 ・ガラス板は,長さ方向(図の上下方向)のみに変位し,曲げは生じない.

 両表面を,それぞれの温度に保ってから,十分な時間が経過した後は,ガラス内部の温度勾配は,均一になります.すなわち,図1下のように,位置x[mm]における温度T(x)[℃]は,次式1で示されます.
<式1>
20111025s1.jpg
 室温T0[℃]を基準とした温度上昇ΔT(x)[℃]は,次式となります.
<式2>
20111025s2.jpg
 今,位置x[mm]にある,厚さdx[mm]で長さdL[mm]の微小片(図1に濃い青色で示す)に注目します.この微小片のひずみεAは,次の2つのひずみの和となります.
 ・温度上昇によるひずみ:εT(x)
 ・応力によるひずみ  :εS(x)
 εT(x),εS(x)は,次式3で計算されます.
<式3>
20111025s3.jpg
 ここで,
  α  :ガラスの線膨張係数[1/K]
  E  :ガラスの縦弾性係数[N/mm^2]
  σ(x):位置xにおける応力[N/mm^2]

 ガラス板に曲げが生じない仮定から,微小片のひずみεAは,xによらず一定となります.すなわち,次式4が成り立ちます.
<式4>
20111025s4.jpg
 今回の条件では,ガラス板には,外力は作用していません.したがって,力のつりあいから,応力σ(x)は,板厚全域での合計が,0にならなければなりません.すなわち,次式5が成立します.
<式5>
20111025s5.jpg
 式4~5から,位置xにおける応力σ(x)は,次式6となります.
<式6>
20111025s6.jpg
 この式から,ガラスの物性値や使用条件は,応力σに次の影響を与えます.
 ・応力σは,線膨張係数αに,比例する.
 ・応力σは,縦弾性係数Eに,比例する.
 ・応力σは,温度差T1-T0に,比例する.
 ・ガラス表面(x=0,h)での応力は,厚さhには,依存しない.
 耐熱ガラスの線膨張係数は,普通ガラスの約1/3です.また,耐熱ガラスと普通ガラスで,強度に大差はありません.したがって,耐熱ガラスでは,普通ガラスの約3倍の温度差に耐えることができると,推定されます.


★普通ガラスと耐熱ガラスの応力の比較
 実際の数値を用いて,ガラス板の応力を計算してみます.

 まず,ガラスの物性値は,文献[1]記載の値を用います.ただし,ソーダガラスの縦弾性係数は記載されていなかったため,パイレックス7740の値を用いました.「強化品」は,熱処理によって「強化ガラス」にしたものです.
 ●普通のガラス:ソーダガラス
 ・縦弾性係数:E=61000[N/mm^2](パイレックス7740の値)
 ・線膨張係数:α=93.5×10^-7[1/K]
 ・曲げ強度 :(記載なし)
 ・設計強度 :21MPa(強化品),7MPa(非強化品)
 ●耐熱ガラス :パイレックス7740
 ・縦弾性係数:E=61000[N/mm^2]
 ・線膨張係数:α=32.5×10^-7[1/K]
 ・曲げ強度 :48MPa
 ・設計強度 :14MPa(強化品),7MPa(非強化品)
 ※「設計強度」は,「曲げ強度」に安全率を加味した値と推定される.
[1]山善特殊硝子製作所;参考資料
 https://www.yamazenglass.co.jp/sankou.htm

 ガラス両面の温度は,以下の通りとします.
 ・左側の面:温度T0= 20[℃]
 ・右側の面:温度T1=100[℃]

 まず,普通ガラス(ソーダガラス)の結果を,下図2に示します.
<図2> 
20111025z2.jpg
 応力は,左側の面(x=0)では正,右側の面(x=h)では負になります.これは,左側の面では引張応力が,右側の面では圧縮応力が作用していることを示します.ガラスの場合には,表面の引張応力が破損の決め手となるようです.すなわち,左側の面の応力を見ることで,破損が生じるかどうかを判断できます.
 この例では,次のようになりました.
 ・左側の面の応力     =23[MPa]
 ・設計許容強度(非強化品)= 7[MPa]
 ・設計許容強度(強化品) =21[MPa]
 つまり,普通ガラスの場合,非強化品では,左側の面の応力が,許容強度を大きく超えます.すなわち,破損が生じる可能性が高そうです.
 一方,強化品では,左側の面の応力≒許容強度です.ギリギリ,破損が生じるかどうかのところと推察されます.


 次に,耐熱ガラス(パイレックス7740)の結果を,下図3に示します.
<図3>
20111025z1.jpg
 応力は,以下の通りです.耐熱ガラスの線膨張係数は,普通ガラスの約1/3なので,応力も約1/3になります.
 ・左側の面の応力     = 8[MPa]
 ・設計許容強度(非強化品)= 7[MPa]
 ・設計許容強度(強化品) =14[MPa]
 耐熱ガラスの場合でも,非強化品では,左側の面の応力が,許容強度ギリギリです.しかし,強化品にすれば,左側の面の応力を,許容強度よりもかなり小さくできそうです.

 以上から,今回の条件では,次のように結論できます.
 ・普通ガラス,非強化品:使用不可
 ・普通ガラス,強化品 :許容強度ギリギリ
 ・耐熱ガラス,非強化品:許容強度ギリギリ
 ・耐熱ガラス,強化品 :余裕を持って使用可

 耐熱ガラスでも,強化ガラスでないものは,あまり温度差のできる使用を控えるように,注意が必要になりそうです.
 ただ,実際には,強化ガラスでない耐熱ガラスでも,室温から熱湯を注いでも大丈夫なようです.これは,ガラス内部の応力が減るように曲げ変形が生じて,上の計算よりも実際の応力が小さくなるためと推定されます.


【今回の結論】
 耐熱ガラスは,普通ガラスよりも,約3倍の温度差に耐えられると考えられます.
 温度差に対して,より万全を期すならば,耐熱ガラスの強化ガラス(熱処理品)の使用が,望ましいです.


我が家のガラス食器は頻繁に割れますが,まだ熱湯で割ったことはありません.猫舌なので,熱いものは注がないのです.
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