【今日の料理】 2011/10/15 夕食
今日は,妻と娘(8.1ヶ月)とで,立正大学へ.学生食堂でランチの後,妻は,公開講座(本日のテーマ:義務教育の方針の変遷,らしい)を受講です.その間,私と娘は,学内にある「ベアリス子育て支援センター」に行きました.今日は,たくさんのママ&子供が来ていました.娘は,色々な場所で,ずっと「たっち」をして遊んでいました.楽しめたようです.

★米飯,黒米入り
★みそ汁,レタス・じゃがいも
★さんま焼き
生さんま(頭と内臓がとられたもの)を買い,焼きました.しょうゆと大根おろしで食べました.とても美味でした.
★炒め野菜
ピーマン(青・赤)・人参・白ぶなしめじを,炒めたものです.味付けは,味王(ウェイユー).肉が入っていないため,ひと味足りませんでした.
一部を刻んでダシ汁を加え,電子レンジで煮て,娘の離乳食に.
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【今日の料理工学】 硬質層の位置が耐久性の鍵!~ふっ素樹脂フライパン
前回は,フライパンなどの調理器具に用いられる「ふっ素樹脂コーティング(ふっ素樹脂加工)」について,コーティングの種類を調べました.ひとくちに,ふっ素樹脂コーティングといっても,層の数や機能(硬質材の添加有無など)によって,いろいろな種類があります.
★ふっ素樹脂コーティングの「耐久性」とは
ふっ素樹脂コーティングされた調理器具を選ぶときのポイントは,「耐久性」だと思います.耐久性には,主なものとして,次のようなものがありそうです.
A)耐スクラッチ性:硬い器具で,膜が破壊しないか.
B)耐摩耗性 :長期間使ったとき,膜が損耗しないか.
C)耐熱性 :過熱や熱履歴によって,膜が損耗しないか.
C)耐熱性は,ふっ素樹脂の融点で,概ね決定してしまいそうです.このため,コーティングの種類による差異は小さいとして,今回は考えないことにします.
A)耐スクラッチ性と,B)耐摩耗性について考えます.これらの性能は,直感的には,コーティングを多層にして,硬質材を添加した「硬質層」を設けることで,高められそうです.硬質層に添加される硬質材には,セラミック(アルミナ,炭化ケイ素など)やダイヤなどが,あるようです.
以下では,「硬質層」が,耐スクラッチ性や耐摩耗性に与える影響について,検討してみます.
★「硬質層」で「耐スクラッチ性」が高まるか?
コーティングが多層の場合を考えます.下図1のように,2つのパターンを考えます.
a)硬質層を母材に隣接した層(最下層)に設置
b)硬質層を母材から離れた層(中間層または最上層)に設置
<図1>

それぞれのパターンで,コーティング表面に,硬い器具(金属製のフライ返しなど)を押し込んだとき,どんな現象が起こるでしょうか.
まず,a)硬質層が最下層,の場合です.この場合は,下図2左のように,硬質層でない上層は,器具が貫通してしまいます.しかし,最下層の硬質層の硬質材が荷重を受けて,器具が母材まで到達するのを防ぎます.すなわち,コーティングは完全には破壊されず,母材の露出を防ぎます.
一方,b)硬質層が中間層(or最上層)の場合です.下図2右のように,器具は,硬質層の硬質材を押しのけて,母材まで到達してしまいます.実際には,硬質材の一部は母材と器具の間に残るかもしれませんが,a)に比べると,母材が露出してしまう可能性が高そうです.
<図2>

ふっ素樹脂コーティング「テフロン」で有名なデュポン社の特許文献[1]には,次の記載があります.これは,上述の推測を裏付ける結果です.(ただし,学術論文でなく特許文献なので,「意図的な結果の読み替え」がされている可能性がゼロではないことに注意が必要です.)
①硬質層を中間層に設けても,耐スクラッチ性が向上しない.
②硬質層を最下層に設けると,耐スクラッチ性が改善する.
[1]公表特許公報,特表2011-514184,不粘着仕上塗料および改善された耐引掻性を有する物品,デュポン
※特許電子図書館から参照可能
https://www8.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjktl.ipdl
文献[1]によると,単に最下層に硬質層を設けるだけでは,耐スクラッチ性能を高めるために十分でないそうです.最下層の硬質層の硬質材は,母材と強固に固着している必要がある,というのです.確かに,硬質材が,層の中を自由に動き回ってしまうと,器具が硬質材を押しのけて,母材に到達してしまいそうです.文献[1]では,硬質材を母材に固着させるために,硬質層はふっ素樹脂のほかに,接着成分(ポリアミドイミドなどの樹脂など)を含むようです.
以上のように,単に硬質層を設けるだけでは,必ずしも耐スクラッチ性を向上できません.耐スクラッチ性を向上するには,硬質層を母材に隣接させ,かつ,硬質材を母材に固着させる必要があるのです.
★「硬質層」で「耐摩耗性」が高まるか?
上と同様に,コーティングが多層の場合で,2つのパターンを考えます.
a)硬質層を母材に隣接した層(最下層)に設置
b)硬質層を母材から離れた層(中間層または最上層)に設置
それぞれのパターンで,コーティング表面を,あまり硬くない器具で軽く摩擦したとき,どんな現象が起こるでしょうか.
まず,a)硬質層が最下層,の場合です.この場合は,下図3上のように,摩擦に伴って,コーティングが少しずつ剥がれていきます.ふっ素樹脂は,比較的,摩耗しやすい特性があります.硬くない器具が相手でも,摩擦によって,表面が器具側に移着していくのです(凝着摩耗).
1回の摩擦で摩耗する量は,ごく微小です.しかし,長期間の使用を繰り返すと,下図3下のように,硬質層が露出してきます.しかし,硬質層には,硬質材が含まれます.ある程度硬質材が露出すると,硬質材だけが器具と接触するようになります.したがって,摩耗は,それ以上は進行しにくくなると推察されます.
<図3>

一方,b)硬質層が中間層(or最上層)の場合です.下図4上のように,摩擦に伴って,コーティングが少しずつ剥がれます.これは,a)と同じです.
長期間の使用後には,下図4下のように,硬質層の硬質材が露出します.あまり硬くない器具で軽く摩擦しているので,下層のふっ素樹脂は破壊されません.このため,硬質材が露出したところで,摩耗が止まります.
<図4>

文献[1]には,次の記載がありました.これは,上述の推察を後押しする結果です.
①硬質層を中間層に設けると,耐スクラッチ性が改善する.
②硬質層を最下層に設けても,耐スクラッチ性が改善する.
以上のように,硬質層を設ければ,硬質層の位置に関わらず,耐摩耗性を高めることができそうです.しかし,層の厚さを維持する観点からは,中間層や最上層に硬質層を設けているほうが,より良さそうです.(ただし,最上層に硬質層を設けると,硬質材のために,初期の難付着性能が悪化しそうです.)
以上をまとめると,次の通りです.
・硬質層が中間層=耐スクラッチ性は劣るが,耐摩耗性は良好.
・硬質層が最下層=耐スクラッチ性も耐摩耗性も良好だが,摩耗後には層が薄くなる.
単に硬質層の有無だけでは,耐久性の判断はできません.硬質層が,どの層に設けられているかが,重要なのです.硬質層を最下層と中間層の両方に配したコーティングは,両者の欠点を補うことができるので,特に耐久性が高そうです.
【今回の結論】
耐久性の高い「ふっ素樹脂フライパン」を選ぶためには,次の点が重要です.
・硬質層があること …耐摩耗性が高い.
・硬質層が最下層にあること…耐スクラッチ性が高い.
硬質層を最下層と中間層の両方に配したコーティングは,特に耐久性が高そうです.
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★米飯,黒米入り
★みそ汁,レタス・じゃがいも
★さんま焼き
生さんま(頭と内臓がとられたもの)を買い,焼きました.しょうゆと大根おろしで食べました.とても美味でした.
★炒め野菜
ピーマン(青・赤)・人参・白ぶなしめじを,炒めたものです.味付けは,味王(ウェイユー).肉が入っていないため,ひと味足りませんでした.
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【今日の料理工学】 硬質層の位置が耐久性の鍵!~ふっ素樹脂フライパン
前回は,フライパンなどの調理器具に用いられる「ふっ素樹脂コーティング(ふっ素樹脂加工)」について,コーティングの種類を調べました.ひとくちに,ふっ素樹脂コーティングといっても,層の数や機能(硬質材の添加有無など)によって,いろいろな種類があります.
★ふっ素樹脂コーティングの「耐久性」とは
ふっ素樹脂コーティングされた調理器具を選ぶときのポイントは,「耐久性」だと思います.耐久性には,主なものとして,次のようなものがありそうです.
A)耐スクラッチ性:硬い器具で,膜が破壊しないか.
B)耐摩耗性 :長期間使ったとき,膜が損耗しないか.
C)耐熱性 :過熱や熱履歴によって,膜が損耗しないか.
C)耐熱性は,ふっ素樹脂の融点で,概ね決定してしまいそうです.このため,コーティングの種類による差異は小さいとして,今回は考えないことにします.
A)耐スクラッチ性と,B)耐摩耗性について考えます.これらの性能は,直感的には,コーティングを多層にして,硬質材を添加した「硬質層」を設けることで,高められそうです.硬質層に添加される硬質材には,セラミック(アルミナ,炭化ケイ素など)やダイヤなどが,あるようです.
以下では,「硬質層」が,耐スクラッチ性や耐摩耗性に与える影響について,検討してみます.
★「硬質層」で「耐スクラッチ性」が高まるか?
コーティングが多層の場合を考えます.下図1のように,2つのパターンを考えます.
a)硬質層を母材に隣接した層(最下層)に設置
b)硬質層を母材から離れた層(中間層または最上層)に設置
<図1>

それぞれのパターンで,コーティング表面に,硬い器具(金属製のフライ返しなど)を押し込んだとき,どんな現象が起こるでしょうか.
まず,a)硬質層が最下層,の場合です.この場合は,下図2左のように,硬質層でない上層は,器具が貫通してしまいます.しかし,最下層の硬質層の硬質材が荷重を受けて,器具が母材まで到達するのを防ぎます.すなわち,コーティングは完全には破壊されず,母材の露出を防ぎます.
一方,b)硬質層が中間層(or最上層)の場合です.下図2右のように,器具は,硬質層の硬質材を押しのけて,母材まで到達してしまいます.実際には,硬質材の一部は母材と器具の間に残るかもしれませんが,a)に比べると,母材が露出してしまう可能性が高そうです.
<図2>

ふっ素樹脂コーティング「テフロン」で有名なデュポン社の特許文献[1]には,次の記載があります.これは,上述の推測を裏付ける結果です.(ただし,学術論文でなく特許文献なので,「意図的な結果の読み替え」がされている可能性がゼロではないことに注意が必要です.)
①硬質層を中間層に設けても,耐スクラッチ性が向上しない.
②硬質層を最下層に設けると,耐スクラッチ性が改善する.
[1]公表特許公報,特表2011-514184,不粘着仕上塗料および改善された耐引掻性を有する物品,デュポン
※特許電子図書館から参照可能
https://www8.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjktl.ipdl
文献[1]によると,単に最下層に硬質層を設けるだけでは,耐スクラッチ性能を高めるために十分でないそうです.最下層の硬質層の硬質材は,母材と強固に固着している必要がある,というのです.確かに,硬質材が,層の中を自由に動き回ってしまうと,器具が硬質材を押しのけて,母材に到達してしまいそうです.文献[1]では,硬質材を母材に固着させるために,硬質層はふっ素樹脂のほかに,接着成分(ポリアミドイミドなどの樹脂など)を含むようです.
以上のように,単に硬質層を設けるだけでは,必ずしも耐スクラッチ性を向上できません.耐スクラッチ性を向上するには,硬質層を母材に隣接させ,かつ,硬質材を母材に固着させる必要があるのです.
★「硬質層」で「耐摩耗性」が高まるか?
上と同様に,コーティングが多層の場合で,2つのパターンを考えます.
a)硬質層を母材に隣接した層(最下層)に設置
b)硬質層を母材から離れた層(中間層または最上層)に設置
それぞれのパターンで,コーティング表面を,あまり硬くない器具で軽く摩擦したとき,どんな現象が起こるでしょうか.
まず,a)硬質層が最下層,の場合です.この場合は,下図3上のように,摩擦に伴って,コーティングが少しずつ剥がれていきます.ふっ素樹脂は,比較的,摩耗しやすい特性があります.硬くない器具が相手でも,摩擦によって,表面が器具側に移着していくのです(凝着摩耗).
1回の摩擦で摩耗する量は,ごく微小です.しかし,長期間の使用を繰り返すと,下図3下のように,硬質層が露出してきます.しかし,硬質層には,硬質材が含まれます.ある程度硬質材が露出すると,硬質材だけが器具と接触するようになります.したがって,摩耗は,それ以上は進行しにくくなると推察されます.
<図3>

一方,b)硬質層が中間層(or最上層)の場合です.下図4上のように,摩擦に伴って,コーティングが少しずつ剥がれます.これは,a)と同じです.
長期間の使用後には,下図4下のように,硬質層の硬質材が露出します.あまり硬くない器具で軽く摩擦しているので,下層のふっ素樹脂は破壊されません.このため,硬質材が露出したところで,摩耗が止まります.
<図4>

文献[1]には,次の記載がありました.これは,上述の推察を後押しする結果です.
①硬質層を中間層に設けると,耐スクラッチ性が改善する.
②硬質層を最下層に設けても,耐スクラッチ性が改善する.
以上のように,硬質層を設ければ,硬質層の位置に関わらず,耐摩耗性を高めることができそうです.しかし,層の厚さを維持する観点からは,中間層や最上層に硬質層を設けているほうが,より良さそうです.(ただし,最上層に硬質層を設けると,硬質材のために,初期の難付着性能が悪化しそうです.)
以上をまとめると,次の通りです.
・硬質層が中間層=耐スクラッチ性は劣るが,耐摩耗性は良好.
・硬質層が最下層=耐スクラッチ性も耐摩耗性も良好だが,摩耗後には層が薄くなる.
単に硬質層の有無だけでは,耐久性の判断はできません.硬質層が,どの層に設けられているかが,重要なのです.硬質層を最下層と中間層の両方に配したコーティングは,両者の欠点を補うことができるので,特に耐久性が高そうです.
【今回の結論】
耐久性の高い「ふっ素樹脂フライパン」を選ぶためには,次の点が重要です.
・硬質層があること …耐摩耗性が高い.
・硬質層が最下層にあること…耐スクラッチ性が高い.
硬質層を最下層と中間層の両方に配したコーティングは,特に耐久性が高そうです.
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