家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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【今日の料理】 2011/10/14 夕食
 今日は,妻と娘(8.1ヶ月)は,午前中は児童館にお出かけ.育児仲間とランチとのことで,私は久しぶりに,一人で昼食でした.日頃のカロリー不足を補うため,トンカツ屋でミックスフライ定食(ヒレカツ+エビフライ+チーズ入りメンチ)を食べました.
CIMG5217.jpg
★米飯

★つくね鍋
 昨晩の残り.今日は,妻が買ってきた「生麩」を入れました.生麩は,小麦粉のグルテン(→過去の記事参照)に,もち粉を加えて蒸したものだそうです[1].今回使ったのは,ヨモギの入ったものです.もっちりとしていて,ヨモギの風味があり,美味しいです.
[1]半兵衛麩;麩ができるまで
https://www.hanbey.co.jp/fu/products/process.html

★豆腐と卵の炒め物

★キムチ

★ブドウ

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【今日の料理工学】 コーティング種類の違いは?~ふっ素樹脂フライパン
 だいぶ以前のことですが,当ブログにて,フライパンなどの調理器具に用いられる「ふっ素樹脂コーティング」について,調べたことがあります(→こちら).このときは,ふっ素樹脂の付着性や,熱伝導性能について,考察しました.
 しかし,当時,妻に言われたのは,「結局,どの種類を選べばよいのかが,知りたい」ということでした.確かに,世の中には,様々な種類の「ふっ素樹脂コーティング」があるようです.

★ふっ素樹脂コーティングの種類
 どのふっ素樹脂コーティングを選ぶべきかを決めるには,様々なコーティングの,違いを知っておく必要があります.そこで,世の中にある,代表的なコーティングを,調べてみました.
 
 調査したのは,以下の業者の製品です.業者によって,素材(塗料)を扱っているところと,完成品(フライパンなど)を扱っているところがあります.
 ・デュポン  (素材)
 ・ダイキン工業(素材)
 ・ティファール(完成品)

 調査は,各社のホームページを参照しました.
[2]デュポン;テフロン-調理器具
https://www2.dupont.com/Teflon/en_US/languages/ja/jpn_cookware_home.html
[3]ダイキン工業;フッ素塗料・コーティング
https://www.daikin.co.jp/chm/products/coating/index.html
[4]ティファール;
https://www.newgeneration.t-fal.co.jp/list.html

 調査結果をまとめてみると,調理器具に用いられる,ふっ素樹脂コーティングの種類は,大まかに,次の2通りの項目で,特徴づけることができそうです.
 a)コーティングの層の数.
 b)硬質層の有無.

a)コーティング層の数
 ふっ素樹脂は,「難接着性」が特徴です.この特徴から,調理中には,被調理物が焦げ付きにくい効果が得られます.しかし,この特徴は,調理器具の母材(アルミなど)に対しても,接着しにくいという欠点にもなります.つまり,ふっ素樹脂は,本質的に,母材から剥がれやすいのです.このため,ふっ素樹脂コーティングの調理器具を長期間使用していると,ふっ素樹脂が母材から剥がれることを,経験します(図1:コーティングが剥がれた炊飯器の釜).
<図1>
z20111014z1.jpg
 こうした「剥がれ」を防ぐために,通常は,「プライマー」と呼ばれる下地剤が塗装されます.このプライマーの上に,ふっ素樹脂コーティングが塗装されるのです(塗装後には,300℃~400℃で焼付けされる).プライマーは,母材とも,ふっ素樹脂コーティングとも,良好な接着性を持つ材料が選ばれます.具体的には,ふっ素樹脂と接着性の高い材料(バインダー樹脂=ポリアミド,ポリアミドイミドなど)を混合した材料が用いられるようです[5].こうして,母材に直接ふっ素樹脂を塗装するのに比べて,剥がれにくいコーティングを形成できます.
[5]三井・デュポンフロロケミカル;ふっ素樹脂テフロン塗料
https://www.md-fluoro.co.jp/html/paint.html
 以上のように,「最も基本的な」ふっ素樹脂コーティングは,母材側から順に,次の2層で構成されます.
 ・プライマー層
 ・ふっ素樹脂層

 しかし,2層を塗装するのは,面倒です.このため,1回の塗装で大丈夫なコーティングも,商品化されているようです(例えば,ダイキン工業の「PTFEタフコートエナメル」[3]).

 逆に,層の数を増やすことによって,様々な特性を追加することも,行われています.例えば,デュポンの「テフロンセレクト」では,母材側から順に,次のような構成になっています[2].
 ・プライマー層
 ・中間コート層 …耐久性が高い  =損傷・摩耗の防止
 ・トップコート層…難接着機能が高い=こびりつきの防止
 中間コートとトップコートは,ともにふっ素樹脂だと推察されます.上のように機能の違いを出すために,何らかの方法(例えば,分子量を変える,など)で性質を変えてあるのだと思われます.難接着機能が高い=母材への付着性が低い=耐久性が劣る,です.多層化によって,相反する二つの機能を同時に実現できるように,意図しているのでしょう.


b)硬質層の有無
 コーティングの層の数を増した場合,「硬質層」を含む構成をとることがあります.例えば,デュポンの「テフロンプラチナプロ」は,母材側から順に,次のような4層構造です[2].
 ・特殊硬質下地処理層
 ・超硬質セラミック含有ふっ素樹脂層1
 ・超硬質セラミック含有ふっ素樹脂層2
 ・ふっ素樹脂層
 細かい作用効果は書かれていないので,以下は推察です.
・「特殊硬質下地処理層」は,プライマー層の硬度を改善したものと推察されます.ふっ素樹脂層が損傷しても,母材が露出するのを防ぎ,母材の腐食を防ぐ効果がありそうです.
・「超硬質セラミック含有ふっ素樹脂層」は,ふっ素樹脂の中に,細かいセラミック粒子を分散させた層のようです.金属製のヘラなどを使った場合,硬いセラミック粒子が荷重を受けるので,ふっ素樹脂部分が破壊されるのを防ぐ効果がありそうです.この層が2層になっているのは,上述の「テフロンセレクト」と同様,耐久性の高い層と難接着性の高い層の,2つを用意する狙いがあるのだと思われます.
・いちばん上の「ふっ素樹脂層」は,セラミック粒子を含まないので,ふっ素樹脂本来の,高い難接着性が得られそうです.このため,調理の際の焦げ付きを,効果的に防げると考えられます.

 今回調べた中では,ティファールの「プロメタルプロ」と「エキスパートプロ」が6層で,最多の層の数を誇りました.プロメタルプロは,母材側から順に,次のような構成です[4].
 ・セラミックベース(セラミック含有層)
 ・アンダーコート
 ・接合コート
 ・キズ防止コート
 ・トップコート
 ・サファイアコート(サファイア含有層)
 詳細は不明ですが,名前からすると「接合コート」がプライマー層に当たるものだと想像されます.プライマーの下に,2つの層を設けることで,母材との強靭な接着を,意図しているのかもしれません.(あるいは,技術的な意味はないかもしれません.例えば,デュポン社の特許との兼ね合いから,設けただけの層かもしれません.特許を調査していないので,なんとも言えません.)


 以上のように,調理器具に用いられる「ふっ素樹脂コーティング」は,目指す機能によって,多数の機能の異なる層を重ね合わせているようです.


【今回の結論】
 調理器具のふっ素樹脂コーティングを比較するには,以下の点に注目すると良さそうです.
 ・層の数は,いくつあるか.
 ・硬質層を含むかどうか.
 これらを検討することで,ふっ素樹脂コーティングの特徴が見えてきます.


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