家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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 電子辞書(20年もの)の液晶画面がシワシワになってしまいました。これは「ビネガーシンドローム」と呼ばれる経時劣化のようです。自前での修理を試みました。



★「ビネガーシンドローム」で液晶画面がシワシワ!


 私の愛用する電子辞書(カシオ・Ex-Word XD-R7100)は、もう20年も使っている年代物です。パーツのそこかしこにヒビが入り、だましだまし使ってきました。
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 ある日、その電子辞書の画面を開くと、液晶画面がシワシワになっていました。前に使ったときは大丈夫だったはずなのですが。
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 拡大してみると、表面が波打って、ザラザラしていることが分かります。この波打ちがひどく、文字を読むのも難しい状態になっています。電子辞書として用をなしません。
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 気泡のように、浮き上がっている箇所もありました。さすがに20年もの、もう寿命なのでしょうか。
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 ネットを調べてみると、この現象は「ビネガーシンドローム(酢酸シンドローム)/Vinegar Syndrome」と呼ばれているようです[1][2]。映画用フィルムなどで頻繁に見られ、「酢酸セルロース(トリアセチルセルロース/TAC)」という合成樹脂の劣化によって生じる現象だそうです。
 湿度の高い環境で同樹脂を長期保存すると、加水分解によって酢酸が生じ、樹脂の硬化や収縮などの変質が生じるとのことです。ここで生じた酢酸による自己触媒作用により、この反応は加速度的に進むらしい[4]。このとき酢酸が生じるため、この現象が起きた樹脂では、すえたような強いニオイがすると言われています。

 液晶画面は、ガラス板に「偏向板」と呼ばれる板材が設置されています。この偏向板は、ポリビニルアルコール(PVA)が主体ですが、その表層に上述の「トリアセチルセルロース(TAC)」の層が形成されているそうです[3]。この「TAC」層が劣化することで、今回のような「しわしわ」が生じていると考えられます。

 確かに、今回しわしわになった電子辞書を開くと、酢のようなニオイがしています。これは「ビネガーシンドローム」と考えて、おそらく間違いないと思います。


[1]Wikipedia: Vinegar syndrome
[2]ウィキペディア:アセチルセルロース
[3]ウィキペディア:偏向板
[4]MediaWiki:Vinegar syndrome


★応急処置! 紙やすりで平らにしよう


 原因は分かったのですが、どう対処すればよいでしょうか。ネットで検索すると、「偏向板」をまるまる交換する修理方法が見つかります。しかし、偏向板は液晶画面本体(ガラス板)に強固に固定されているので、剥がすのは容易ではないように見えます。乱暴に扱うと、液晶画面本体を破損してしまうリスクがあります。

 そこで応急処置として、紙やすりを使って、表面を平らにすることを試みました。しわしわなのが偏向板であるのなら、凸部を削り落としたとしても、液晶画面の機能に大きな支障はないはずです。1000番の紙やすり(耐水ペーパー)を使い、少しずつ削ってみました。
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 一部を削ってみた状態。しわしわによる光の乱反射がなくなり、字が読みやすくなりました。そして、液晶の表示にも問題がありません。
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 改善が確認できたので、全体に紙やすりをかけます。凸部が除去されて、指でなでても凹凸を感じない程度になりました。
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 成功です。画面が読めるようになりました。やや読みにくいですが、以前はまったく読めない状態でしたから、大幅な改善です。 
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★シンドロームは進行するのか? いったん様子見


 ひとまず文字が読めるようになりましたが、心配はあります。この「ビネガーシンドローム」はいったん発生すると、酢酸の発生によって、進行が加速するというのです。また再び、画面がしわしわになってしまう可能性はあります。
 下の画面は、数日後の状況です。しわしわの進行は見られません。
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 ただ、ところどころ、表面が白くなっていました。気泡のようになっていた部分について、偏向板の表面がはがれてしまったためのようです。しかし部分的なので、普通に使う上では許容範囲です。
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 今後どうなるのか、経過観察をしたいと思います。


★まとめ:ビネガーシンドロームの自前修理


 電子辞書の液晶画面のシワシワを自前修理しました。分かったことのまとめです。
  • 液晶画面の表面がシワシワになり、文字を読むのが困難になった。
  • シワシワは「ビネガーシンドローム」という現象によるものだった。
  • この現象は、液晶画面の「偏向板」に用いる「トリアセチルセルロース」の経年劣化による。
  • この劣化で「酢酸」が発生し、すえたような強いニオイが発生する。
  • 表面のシワシワを紙やすりで削りおとすことで、文字を読めるようになった。


 液晶画面がしわしわになる「ビネガーシンドローム」。偏向板の交換が難しい場合は、やすりで表面の凸部を削り落とすだけでも、一定の効果があります。



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