世界を巡る冒険に出発だ。全員共通の矢印を操作して、自分の行きたい目的地だけを目指そう。さあ、買うべきか、買わざるべきか?
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2023年発売「エクスペディション:世界を巡る冒険/Expeditions: Around the World」。日本語版は、2023/9発売予定。

画像出典:Super Meeple; Expeditions - Around the World 英語版ルールブック (2023)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:エクスペディション:世界を巡る冒険
・作者:Wolfgang Kramer
・美術:Yann Valeani
・原題:Expeditions: Around the World
・発売年:2023年
・出版社(一例): Super Meeple [1][2]
・プレイ人数:2~6人
・プレイ時間:30~45分
・推奨年齢:8歳以上
[1] Super Meeple: EXPEDITIONS Autour du monde
[2]Board Game Geek: Expeditions: Around the World (2023)
2)テーマ
・年代:現代
・場所:世界の各地
・プレイヤーの立場:冒険チームのメンバー
・目的:目的の土地を多く訪れること。
・行うこと:
・3つの冒険チームの行路を決める。
・自分の目指す目的地を経由する。
3)外観
・絵柄:フルカラー図鑑のような、細部まで描かれた絵柄。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個
・カード:約80枚
・プラ製コマ:約140個
・紙製チップ:約60個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:60×60cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Super Meeple、2023年)を和訳参照した情報。
○基本システム
・共通ボード上の共通コマ配置
・個人目標の達成(勝利点の獲得)
○主要物品
・共通エリア:
・地図:矢印コマを置く。
・矢印コマ:冒険チームの行程を示す。3色ある。
・共通目的地:手番の人が達成できる。
・個人物品:
・手札:目的地を示すカード。公開・非公開がある。
・自色チップ:公開目的地に置く。
・達成済カード:表向きに置く。
・チケット:ボーナスアクションを実行。
○大まかな手順
- ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
・開始プレイヤー:いちばん最近、海外に行った人。 - 開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
- 手番では、以下を順に行う。
①地図上の行程3色から、1色を選ぶ。
②その行程の先端に、同色の矢印コマを追加する。
③先端の到着マスの効果を得る。
④目的地カードを達成できる(手番外の人も可)。 - 全員が手番を終えたら、次ラウンドへ。2~
- 以下の条件どれかを満たしたラウンドで、ゲーム終了。
イ)誰かが手札の目的地カードをすべて出した。
ロ)矢印コマがすべて尽きた。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・主な得点源:
・得点:達成した目的地カード
・減点:達成できなかった目的地カード
○特徴的な要素
- 地図上に矢印コマを置き、冒険を進める。
- 矢印は3色あり、独立に進む。
- 終端に新たな矢印コマを置き、冒険を進める。
- 全員が、どの矢印を進めることもできる。
- 矢印は3色あり、独立に進む。
- 矢印コマの終端マスに応じ、効果を得られる。
- 丸印:目的地カードを達成できる。
- 四角印:もう1個矢印を置く。
- 星印:チケットを得る。
- 丸印:目的地カードを達成できる。
- 目的地には、以下の種類がある。
- 秘密目的地:手札として持つ。
- 公開目的地:自色チップを置いて示す。達成で加点。
- 共通目的地:共通エリアに置く。手番の人だけ達成可。
- 秘密目的地:手札として持つ。
- 以下の要素がある。
- チケット:消費でボーナスアクションを与える。
イ)矢印コマを1個置く。
ロ)末端の矢印コマ1個を除く。
ハ)目的地カードを2枚引き、2枚捨てる。
- チケット:消費でボーナスアクションを与える。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・目的地カードと地図上のマスは、文字による照合。
・目的地の詳細説明(フレーバー)は、分量の多いテキスト。
・プレイ人数依存:
・2~6人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・毎回、同じ物品を使用する。
・目的地カードの手札はランダムに配布。
・ランダム要素:
・共通目標カードの出現順はランダム。
6)入手性
・一般販売[1][2]:
・発売時期:2023年6月(フランス版)
・メーカー価格:32ユーロ
・日本語版の発売予定[3]:
・取扱いメーカー:テンデイズゲームズ
・発売予定時期 :2023年秋
・メーカー価格 :不明
[1] Super Meeple: EXPEDITIONS Autour du monde
[2]Board Game Geek: Expeditions: Around the World (2023)
[3]テンデイズゲームズ: 【ゲーム紹介】これからのラインナップ紹介スペシャル2023
★考察:「エクスペディション」の魅力と懸念点
ゲーム内容の確認結果から、魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力を感じた点
- 日本語版の存在。世界を巡るテーマで、世界中の名所が書かれたカードがいちばんの魅力。フレーバーであり、ゲーム進行には関係ないが、読めないと楽しみが半減してしまう。本商品は、日本語版の発売予定があるので、子供たちも読むことができそう。遊びながら世界地図の知識を得られるのは、すばらしい体験だ。
- システム。全員が共通の矢印を操作して、自分の目的地を目指す内容。いくつかの個人目的地は公開されているので、お互いの思惑が交錯して、にぎやかに楽しめそうだ。矢印がループするとループ内のどこからでも矢印を出せるとか、チケットの特殊効果で1手戻せるとかの要素もおもしろい。矢印を思いもよらない方向に進めたり、作戦の立てがいがありそうだ。
◎懸念点
- 古くささ。オリジナルは「ワイルドライフアドベンチャー/Wildlife Adventure」で、1985年の商品。内容的に見ても、交互に矢印コマを置いていくだけ。「遊び」の部分がないので、実力差が出やすい懸念がある。小さい子供でも勝てるチャンスがないと、遊ばなくなってしまう。運の要素が欲しかった。
- 競合ゲーム。類似した内容で気になっているものに「トレッキング・ザ・ワールド/Trekking the World」がある。そちらは世界中を巡るセットコレクションで、名所カードに詳細説明がある点も同じ。2020年発売(同シリーズは2014年~)と新しく、カードを使って自色コマを進める作りで、絵柄とゲーム内容としては「トレッキング」が好み。しかし、日本語版が存在しない。「日本語版がある」という理由だけで本商品「エクスペディション」を選ぶのは、理由として不十分な気がする。
★判定結果:「エクスペディション」は買うべきか?
以上を踏まえて、「エクスペディション」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
世界中の名所を示したカードを、日本語版で楽しめるのが魅力。ただ、ゲーム内容的には、類似ゲーム「トレッキング」のほうが好みです。残念ながら、購入は保留とします。

画像出典:Super Meeple; Expeditions - Around the World 英語版ルールブック (2023)
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