袋から引いたモンスターを送り込め。強力な悪魔を召喚せよ。人間たちにどれだけ恐怖を与えられるか、互いの能力を競うのだ。さあ、買うべきか、買わざるべきか?
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2023年発売予定「エビル・コープ/Evil Corp.」。

画像出典:La Boite de Jeu; Evil Corp. 英語版ルールブック (2023 Web)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:エビル・コープ/イビル・コープ
・作者:Jeremy Ducret
・意匠:Olivier Derouetteau, Jean-Baptiste Reynaud
・原題:Evil Corp.
・発売年:2023年(予定)
・出版社(一例): La Boite de Jeu [1][2]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:45分
・推奨年齢:12歳以上
[1] La Boite de Jeu: Evil Corp.
[2]Board Game Geek: Evil Corp. (2023)
2)テーマ
・年代:悪魔の住む世界
・場所:悪魔たちの会社「エビルコープ」
・プレイヤーの立場:エビルコープの研修生
・目的:人間の村に恐怖を与えること。
・行うこと:
・モンスターを雇い、チームを構成する。
・モンスターを村に送り、人々を恐れさせる。
3)外観
・絵柄:アニメ漫画風のユーモラスなモンスター画
・コンポーネント:
・ボード:メインボード3個、サブボード1個
・木製コマ:約10個
・紙製タイル:約70個
・紙製チップ:約50個
・その他:ついたて4個、袋4個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:20×20cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(La Boite de Jeu、2023年 Web版)を和訳参照した情報。
○基本システム
・デッキ構築(自分の袋のタイルを繰り返し使用)
・数値による勝敗判定
○主要物品
・共通エリア:
・地図:プレイヤーのモンスタータイルを置く。
・恐怖トラック:自陣の恐怖点が高いほど相手側に移動。
・売場:モンスタータイルの売場。
・悪魔タイル:召喚できる悪魔を示す。
・赤袋:売場の補充タイルが入っている。
・個人エリア:
・黒袋:自分のモンスタータイルが入っている。
・手札タイル:使用できるモンスター。
・捨て札:使用したタイルを置く。
・ついたて:手札タイルを隠す。
・資源:1種類(コイン)
○大まかな手順
- ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
- 開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
- 手番では、以下いずれかを行う。
a)出動:手札タイルを自陣の地図マスに置く。
b)効果:自陣に置いたタイル効果を得る。
c)雇用:売場のタイルを買う。
d)パス:このラウンドの手番を終了する。 - 全員がパスをしたら、ラウンド終了。
①各地図の恐怖トラックに応じ、物品を得る。
②どちらかが勝利チップを得たら、地図ボードを裏返す。
③共通ボードの物品をリセットする。
④地図上のタイルを、各人の捨札に移動する。
⑤各人のコインをすべて捨てる。
⑥袋からタイルを引き、手札にする。
⑦開始プレイヤーを左に移し、次ラウンドへ。2~ - 誰かが勝利チップ2個を得たら、ゲーム終了。
○勝敗
・最初に勝利チップ2個を得た人が勝ち。
○地図マス
a)戦地:通常のマス。タイル色によりボーナス。
b)要塞:ラウンド終了後もタイルを残せる。
c)魔法陣:悪魔を召喚する。★
d)港:コインを得る。★
★:恐怖トラックは進められない。
○特徴的な要素
- 手札タイルを地図に置き、恐怖点を競う。
- タイルの数字だけ、恐怖トラックを相手側へ進める。
- タイルの色により、置ける場所の制約がある。
- タイルには即時/永続効果をもたらすものもある。
- 置いた後の手番で効果発動(1回だけ)できるタイルもある。
- 効果でタイルが除外されたら、恐怖トラックも戻る。
- タイルの数字だけ、恐怖トラックを相手側へ進める。
- ラウンド終了時、恐怖トラックを評価し、物品を得る。
- 魔法コイン:ラウンド終了後も残るコイン。
- 征服点:累積3点で勝利チップを得る。
- 勝利チップ:勝利チップを得る。
- 魔法コイン:ラウンド終了後も残るコイン。
- 以下の要素がある。
- 召喚:タイル数字に応じ、悪魔タイルの効果を得る。
- 宝物:赤タイルを戦地に置いて早取り。コインを得る。
- 力の石:青タイルで早取り。同点時に征服点を得る。
- 召喚:タイル数字に応じ、悪魔タイルの効果を得る。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・物品に文字記載はない。効果はアイコンによる説明。
・プレイ人数依存:
・2~3人用:人数に応じて、一部物品の数を調整する。
・4人用:2対2のチーム戦で遊ぶ。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・毎回、同じ物品を使用する。
・ランダム要素:
・袋タイルの引きはランダム。
・売場タイルの出現順はランダム。
6)入手性
・一般販売予定[1][2]:
・発売予定時期:2023年11月(フランス版)
・メーカー価格:40ユーロ
・日本語版の発売予定:
・2023/8/27時点、日本語版の発売予定は見つからない。
[1] La Boite de Jeu: Evil Corp.
[2]Board Game Geek: Evil Corp. (2023)
★考察:「エビルコープ」の魅力と懸念点
ゲーム内容の確認結果から、魅力と懸念点をまとめます。
◎魅力を感じた点
- テーマと絵柄。より人間を脅かした方が勝ち、という目的がユニーク。ユーモラスな感じのモンスターたちのイラストも好印象だ。恐怖トラックを進む、おびえた人型のコマなど、見た目が楽しい。
- 対戦型システム。出したタイルの合計数字の大小を比較し、多いほうが物品を得られるという、分かりやすいテーマ。その一方で、各タイルには特殊効果がある。自分タイルの強さを高めるものや、相手タイルを除去するものがある。どのタイミングでどのタイルを出すか、いつ効果発動するか、作戦を考えるのが楽しそうだ。タイルをバックから引くのもワクワク感がある。
◎懸念点
- プレイ人数。3人用では隣り合う2人の間にボードを置く。2人が結託して1人ばかりを攻めることができるので、そうなると不公平感が高まってしまいそう。4人用では2対2のチーム戦になり、プレイ感が大幅に変わる可能性がある。問題なく遊べるのが2人プレイに限定されるとなると、遊ぶ機会が減ってしまう心配がある。
- 競合ゲーム。モンスターを雇って対戦という、テーマも内容も似た商品に「ウィザード・カンパニー」がある。そちらは2024年発売予定だが、すでにキックスターター支援に出資済み。その現状で、あえてこの「エビルコープ」を買う必要性を感じない。
★判定結果:「エビルコープ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「エビルコープ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
ユーモラスなモンスターたちを袋から引く戦闘システムが魅力的。ただ、すでに出資を決めた「ウィザードカンパニー」と内容が似すぎています。2人用以外でのプレイ感にも疑問があり、購入は見送りとします。

画像出典:La Boite de Jeu; Evil Corp. 英語版ルールブック (2023 Web)
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