考古学の調査のために、チームを編成しよう。ライバルたちと競い、より高い成果を目指すセットコレクション。
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2023年発売予定「アーキオ・ソサエティ(Archeos Society)」。人気ゲーム「エスノス(Ethnos)」のリメイク版です。

画像出典:Space Cowboys; Archeos Society 英語版ルールブック (2023)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:アーキオ・ソサエティ/アーキオス・ソサエティ
・作者:Paolo Mori
・原題:Archeos Society
・発売年:2023年6月(予定)
・出版社(一例): Space Cowboys [1]
・プレイ人数:2~6人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:12歳以上
[1]Board Game Geek: Archeos Society (2023)
2)テーマ
・年代:近代(推定)
・場所:世界各地の古代遺跡
・プレイヤーの立場:遺跡調査チーム
・目的:考古学的に価値のある成果をあげること。
・行うこと:
・調査チームのメンバーを集める。
・遺跡調査を完了し、次の発掘地点へ向かう。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色使い、写実的な描写の人物・背景画
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1個、サブボード6個
・木製コマ:約60個
・紙製タイル・チップ:約50個
・カード:約160枚
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:20×20cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Space Couboys、2023年)を和訳参照した情報。
○基本システム
・セットコレクション(手札へのカード収集)
・共通エリアのトラック進行(勝利点の獲得)
○主要物品
・共通エリア:
・共通ボード:得点を記録する。
・サブボード:6種類のトラックがある。
・カード売場:カードが置かれる。
・個人エリア:
・手札:カードを持つ。最大10枚。
・カード群:出したカード群を表向きに置く。
○大まかな手順
- ラウンド制。人数に応じ、全2~3ラウンド。
・開始プレイヤー:一番最近、考古学的な場所に行った人。 - 開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
- 手番では、以下いずれかを行う。
- a)取得:
①売場のカード1枚を取り、手札に加える。
②猿カードが出たら脇に置き、あらたに1枚引く。 - b)展開:
①手札から同色または同種のカード群を出す。
②1番上に置いたカードの効果を得る。
③残った手札は、すべて売場に置く。
- a)取得:
- 3枚の猿が出たらラウンド終了。
①トラック進行に応じた点数を得る。
②カード群に応じた点数を得る。
③すべてのカードを山に戻し、混ぜる。
④所定数のカードを各人に配る。
⑤次ラウンドに進む。次の手番の人から続ける。2~ - 所定ラウンドを終えたら、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・主な得点源:
・ゲーム中:カード効果、トラック効果。
・決算時:カード効果、トラック効果、カード群のカード枚数。
○カード効果
a)植物学者:最多人数を更新するたび、追加得点を得る。
b)医者:チーム人数まで、手札のカードを捨てずに残せる。
c)パイロット:トラック進行時、好きな色のトラックを選べる。
d)ガイド:トラック進行時、人数が1人多いとみなす。
e)写真家:決算時、人数が1人多いとみなす。
f)学生:トラックを進めない。
※1番上に置いたカードのみ効果を得られる。
※代表6種のみ示した。全12種がある。
○特徴的な要素
- 手札に同種または同色のカード群を集めて出す。
- カード群から1枚を選び、一番上に置く。
- 一番上のカードにより、カード効果を得られる。
・色:対応するトラックを進む。
・種類:特殊効果を得る。
- カード群から1枚を選び、一番上に置く。
- 6種のトラックの進行により、得点を得る。
- トラック進行には、記載以上のカード数が必要。
- カード数が多いほど、決算時の得点が増す。
- トラックによって、得点方法や追加ボーナスが異なる。
- トラック進行状況は、次ラウンドに継続する。
- トラック進行には、記載以上のカード数が必要。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・ゲーム進行に関わる文字説明はない。
・カード名・トラック名は文字記載あり(フレーバー)。
・プレイ人数依存:
・2~6人用:人数に応じて、ラウンド数・初期手札数を調整する。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・カードは、12種類の職業から6種類を選んで使用する。
・ランダム要素:
・カードの出現順はランダム。
6)入手性
・一般販売予定[1]:
・発売予定時期:2023/6
・メーカー価格:49.99USドル
・日本語版の発売予定:不明
[1]Board Game Geek: Archeos Society (2023)
★考察:「アーキオソサエティ」の魅力と懸念点
人気ゲーム「エスノス(Ethnos)」のリメイク版。考古学テーマが目に止まりました。
◎魅力を感じた点
- 絵柄とテーマ。前作「エスノス」は、剣と魔法のファンタジー世界がテーマで、重苦しい絵柄だった。今回は「考古学」という分かりやすいテーマで、絵柄もクセがなく、入り込みやすい。「ミザル・キカザル・イワザル」の猿カードも好印象だ。
- トラック進行。前作「エスノス」では、最多のカード数を出した人がエリアにコマを置ける、先取りタイプの陣取りシステムだった。今回はトラック進行で、他プレイヤーの進行に関係なく、自分のペースでトラックを進められる。相互干渉が緩めになって、こちらのほうが遊びやすそうだ。
- システム。手札に同色・同種のカードを集めるだけのシンプルルール。しかし、カードを出したとき、使わないカードは売場に移動する。つまり、他プレイヤーの手助けをしてしまう可能性がある。どのカードを使い、どのカードを捨てるか。そもそも、どのカードを売場から取るか。1手1手の取捨選択が重要で、悩ましさを楽しめそうだ。
◎懸念点
- 特殊効果。カードの職業は12種類あり、それぞれ異なる効果を持っている。効果はアイコン表記だが、実質的にアイコンだけでは意味が分からず、ルールを参照する必要がありそう。1ゲーム内では6種類しか登場しないが、覚えるのが大変だ。ルールの確認ばかりになって、ゲームの本質を楽しめない懸念がある。
- 1手の重さ。手番で取れるのは、カード群を出すか、カードを取るかの2種類だけ。しかし失敗すると、他プレイヤーを支援してしまうとか、1手待てばもっといい役が作れたとか、ダメージが大きい。「ロストシティ:ボードゲーム」のような、1手の重みが大きいゲーム内容が想像される。我が家のメンバーは精神的に強くないので、おそらく苦手な部類だと思う。長考になりそうなのも懸念点だ。
- プレイ時間。見た目が重そうで、1時間級のゲームだが、内容的には同種・同色のカードを集めるだけ。これを2~3ラウンド繰り返す。単調で、途中で飽きてしまわないか。もう少し手軽に、30分ぐらいで終われると良いのに。
★判定結果:「アーキオソサエティ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「アーキオソサエティ(Archeos Society)」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
シンプルなシステムながら、カードの取捨選択が重要で、さまざまな戦略を楽しめそう。しかし、同一作業を数ラウンド繰り返すとなると、途中で飽きてしまう懸念が、少なからずあります。苦渋の決断ですが、ほんの少しだけ何かが足りず、購入見送りとします。

画像出典:Space Cowboys; Archeos Society 英語版ルールブック (2023)
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