ボードゲームは楽しい。しかし、遊ぶ人を選ぶのも事実。最初に遊ぶ商品を間違えれば、ボードゲームを嫌いになってしまうかもしれない。子供と遊ぶのを前提に、最初にどんなゲームで遊ぶべきかを考えてみます。

★私の注目! ベスト3はこれ!!
ここでは、「人生ゲーム」を遊んでいることを前提とします。もし、人生ゲームを最後まで遊べないのであれば、まだボードゲームを遊ぶべき時期ではないのか(子供の場合)、そもそもボードゲームのようなインドア遊びが向いていないか、が可能性としてあります。無理にボードゲームで遊ぼうとせず、ほかのもっと興味を持てる遊びにエネルギーを注ぐことをお勧めします。
人生ゲームを楽しく遊べるようであれば、いよいよ「(人生ゲームの次に)はじめて遊ぶボードゲーム」です。
「最初のボードゲーム」としてふさわしいと(勝手に)判断したベスト3件+次点2件を、以下に紹介します。選定基準は、本記事の末尾に書きました。
※実際に遊んだことがないゲームが含まれています。ご了承ください。
◎1位:カードで遺跡探検「ルクソール」
エジプトのピラミッドを探検して宝を集めるという、理解しやすいテーマ。カードを出して、書かれた数字だけ一方通行のマスを進むシステムも分かりやすい。1人で複数の隊員コマを使うのが特徴で、どのコマをどのタイミングで進めるかの悩ましさがあります。所定マスまで進むと隊員コマが増えて、より得点の高い宝物を取れるようになります。特殊効果カードの取得やワープなど、多彩なマスがあって、にぎやかに楽しめます。「カードを出して進む」システムは、昔なつかしい「お化け屋敷ゲーム」「ドラキュラゲーム」を連想させ、子供も大人も、すぐに遊べるはずです。
入手性:△(探せば見つかる)。日本語説明書付きあり。定価5500円。
参考記事:カードで遺跡探検「ルクソール」で遊ぶ


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◎2位:タイルのちっちゃい人が活躍「カカオ」
村を豊かにするために、カカオを取って市場に売り、神殿で祈るというテーマ。共通の場に置かれる森タイルに、手札の人タイルを置くことで、カカオや金などの物品を集めます。新たな森タイルが置かれるときに、手番でない人も物品を獲得するチャンスがあるので、「手番待ち」の手持ちぶさたがないのが素晴らしい。得点方法が分かりやすく、終了のタイミングも明確で、見通しのよいプレイ感が魅力です。いつ終わるのか、というイライラ感は皆無です。きっちり収納できる箱も、気が利いています。ボードは小さい個人ボードですが、しっかりした厚みで、存在感があります。
入手性:△(探せば見つかる)。日本語説明書付きあり。定価4180円。
参考記事:世界一おもしろい!「カカオ」の魅力


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◎3位:みんなで町づくり「リトルタウン・ビルダーズ」
最初は何もない土地に、各プレイヤーが建物を置いて、にぎやかな町を作ります。いわゆる「ワーカープレイスメント」という方式で、自分のコマを置くことで、そのマスの効果を発動できます。個人ボードでなく、全員が共通ボードに建物を増やして、みんなが使えるのが楽しい。お互いの動向を気にしながら、ワイワイと遊べそうです。入手しやすい価格も魅力。注:私は、遊んだことがありません。
入手性:○(普通に売っている)。日本語版。定価3850円。
参考記事:家族で遊ぶワーカープレイスメント「リトルタウン」

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★あと一歩、次点2件
◎いろいろな動物に運んでもらう「ファストスロース」
ナマケモノになって、おいしい葉っぱを集めるのが目的。しかし、自分では移動できず、いろいろな動物の助けを借りて移動します。動物は全プレイヤー共通なので、来てほしいときにいなかったり、意外なハプニングを楽しめそうです。明るい色使いの物品で、ほんわかムードで遊べるはず。毎ゲーム、異なる動物の組合せを選べるので、段階的に複雑さを増すことも可能。長く遊べそうなゲームです。注:私は、遊んだことがありません。
入手性:×(なかなか見つからない)。日本語版あり。定価5830円。

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◎ドラゴンの洞窟を冒険「クランク!」
剣と魔法の世界を舞台に、ドラゴンの宝を求めて、洞窟を探検します。プレイヤーごとに自分専用の山札を持って、カードを繰り返し使うシステムです。手番ではカード5枚を出し、書かれたマークを使って、移動や戦闘、買物ができます。新たに入手したカードは山札に追加されて、だんだんパワーアップできます。ときおり、ドラゴンの攻撃がありますが、物音を立てた(特定マークを出した)回数が多い人ほど、攻撃を受けやすくなります。ダメージが溜まると脱落。なるべく得点の高い宝を見つけ、無事に脱出することを目指します。今回紹介した中では、ちょっと難しめかも。注:私は、遊んだことがありません。
入手性:×(なかなか見つからない)。日本語版あり。定価6380円。
参考記事:デッキ構築チキンレース「クランク!」購入検討
★まとめ:「はじめてのボードゲーム」選びました。
私の考える、子供と遊ぶ「はじめて遊ぶボードゲーム」として、適した商品を選びました。以下が結果です。
- ルクソール:分かりやすいカードすごろく!
- カカオ:世界一おもしろいゲーム!
- リトルタウン・ビルダーズ:みんなで街づくりを楽しもう!
「人生ゲーム」で終わらない、次のボードゲーム。ちょっとハードルは高いかもしれませんが、挑戦すれば、きっと新しい世界が開けるはずです!
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★付録1:はじめてのボードゲーム、これが大切だ!
選定にあたり、私が大切に思うことを、以下に列挙します。
1)ボードがあること。
共通ボードでも個人ボードでもよいから、とにかく紙の「ボード」があること。カードやタイルだけの商品は、最初のボードゲームとしては失格。もちろん、紙ペンもダメ。今、ボードゲームで遊ぼうとしているのに、ボードがないと「あれ?」と思ってしまう。この違和感は、間違いなくゲームが終わるまで引きずられて、ゲームに集中できない。例えば「カルカソンヌ」や「宝石の煌き」は、ボードがないため除外される。「フォシリス」はボードでなくプラスチック箱なので対象外。
2)全員が同じ「場」にエネルギーを集中できる。
共通エリアが作業の中心になっていて、全員がそこに神経を集中する。そんなアナログならではの「一体感」を持てるゲームで遊びたい。なので、個人ボードへのパズル構築など、個人作業中心のゲームはダメ。「アズール」も「クマ牧場」も失格だ。
3)2~3人以上で遊べて、全員同じ体験ができる。
プレイ人数は、2人でも、3人以上でも遊べること。遊ぶ人数が固定だと、遊ぶ機会が限られてしまう。「カタン」は2人で遊べないのでダメ。多人数でも、1人対多数など、プレイヤーの非対称性が強すぎるものはダメ(例:「スコットランドヤード」)。協力型も、声の大きさで役割分担がされてしまう懸念があるので除外。全員が均等に、自分なりのプレイ体験ができることが必要だ。
4)複雑すぎず、プレイ時間が30~60分のもの。
プレイ時間は、短すぎると面白さが分からないうちに終わってしまうし、長すぎると集中力が切れてしまう。適度に考える時間があり、かつ濃縮された体験ができるよう、カタログ値でプレイ時間30~60分程度の商品が適当だろう。
5)その他、大切なこと。
- サイコロが主役でない。サイコロ=運を強く連想させ、戦略性が薄いゲームと感じてしまいやすいため。なので、毎手番必ずサイコロを振る「街コロ」はダメ。
- 運要素と戦略要素の両方があること。運だけの「人生ゲーム」はダメ。逆に、運要素のない「ツィクスト」も却下。
- ブラフやオークションが中心のものは避ける。心理的読み合いが中心で子供が遊びにくい。「ごきぶりポーカー」などは、明らかに遊びにくさを感じる。
- 手先の器用さを競ったり、言葉遊びで盛り上がるような、いわゆるパーティ系ゲームは除く。じっくりと遊ぶ経験をしたいため。「ルーニークエスト」は残念ながらダメです。
- 発売年は2013年以降。あまり古いゲームは、物品やテーマに古臭さを感じることがある。
- 1回遊んで、おおむね全体像が見えるくらいの複雑さが理想的。次はもっと上手に遊べると思え、再プレイの意欲が湧きやすい。目安として、BGGのウェイト(複雑さを示す1~5の数字で、大きいほど複雑)が2.5以下のものを選ぶこととする。
★付録2:条件を満たす「はじめてのボードゲーム」50選!
上述の条件を満たすボードゲームを、まずBGGの検索機能で絞り込みました。これをBGGの投票数(Num voters)の多い順にソートして、上位200件を抽出しました。次に、このリストを目視で1個ずつ確認し、条件を満たさないものを消しました。残ったタイトルのベスト50件が、下のリストです。
※「BGGランキング」はマニア向けの指標なので、今回の順位付けには使用していません。Num Votersならばプレイ人数に比例すると考えられ、「一般ウケ」の指標として適切と考えました。
順位 | タイトル | 邦題 | 投票数 |
1 | Clank!: A Deck-Building Adventure (2016) | クランク! | 37,400 |
2 | The Quest for El Dorado (2017) | エルドラドを探して | 20,000 |
3 | Flamme Rouge (2016) | フラム・ルージュ | 16,000 |
4 | Ethnos (2017) | エスノス | 12,300 |
5 | Bunny Kingdom (2017) | バニー・キングダム | 10,600 |
6 | Cacao (2015) | カカオ | 10,200 |
7 | Century: Eastern Wonders (2018) | センチュリー:イースタンワンダーズ | 6,900 |
8 | New York 1901 (2015) | ニューヨーク1901 | 6,100 |
9 | The Grimm Forest (2018) | グリムフォレスト | 5,500 |
10 | La Isla (2014) | ラ・イスラ | 5,400 |
11 | Ticket to Ride: 10th Anniversary (2014) | チケット・トゥー・ライド | 5,400 |
12 | My Little Scythe (2017) | マイリトル・サイズ | 5,200 |
13 | The King Is Dead: Second Edition (2020) | キング・イズ・デッド:第2版 | 5,000 |
14 | Discoveries: The Journals of Lewis & Clark (2015) | ディスカバリー:ルイス&クラークの足跡 | 4,800 |
15 | Heat: Pedal to the Metal (2022) | ヒート:アクセル全開 | 4,600 |
16 | Pan Am (2020) | パンナム | 4,400 |
17 | Century: A New World (2019) | センチュリー:ニューワールド | 4,400 |
18 | Via Nebula (2016) | ネビュラ | 4,400 |
19 | Blue Lagoon (2018) | ブルーラグーン | 4,300 |
20 | Luxor (2018) | ルクソール | 4,200 |
21 | Crusaders: Thy Will Be Done (2018) | クルセイダーズ | 3,800 |
22 | World's Fair 1893 (2016) | ワールドフェア1893 | 3,700 |
23 | Libertalia: Winds of Galecrest (2022) | リベタリア | 3,400 |
24 | Little Town (2017) | リトルタウン・ビルダーズ | 3,400 |
25 | Reykholt (2018) | レイクホルト | 3,300 |
26 | Wildlands (2018) | ワイルドランド | 3,200 |
27 | Plague Inc.: The Board Game (2017) | 伝染病株式会社:ボードゲーム | 3,100 |
28 | Gold West (2015) | ゴールド・ウエスト | 3,000 |
29 | Rise of Tribes (2018) | ライズ・オブ・トライブ | 2,900 |
30 | Explorers of the North Sea (2016) | 北海の探検者 | 2,800 |
31 | Agricola: Family Edition (2016) | アグリコラ:ファミリー版 | 2,700 |
32 | Ishtar: Gardens of Babylon (2019) | イシュタル:バビロンの庭園 | 2,700 |
33 | Barony (2015) | バロニィ | 2,600 |
34 | Royals (2014) | ロイヤルズ | 2,600 |
35 | Minecraft: Builders & Biomes (2019) | マインクラフト:ビルダー&バイオーム | 2,300 |
36 | Trekking the World (2020) | トレッキング・ワールド | 2,300 |
37 | The River (2018) | リバー | 2,200 |
38 | New Bedford (2016) | ニュー・ベッドフォード | 1,900 |
39 | Red Outpost (2019) | レッド・アウトポスト | 1,700 |
40 | Montana (2017) | モンタナ | 1,600 |
41 | Citrus (2013) | シトラス | 1,600 |
42 | Victorian Masterminds (2019) | ビクトリア・マスターマインド | 1,500 |
43 | Deep Blue (2019) | ディープブルー | 1,400 |
44 | Tokaido Collector's Edition (2015) | 東海道 | 1,400 |
45 | Fast Sloths (2019) | ファスト・スロース | 1,300 |
46 | The Dragon & Flagon (2016) | ドラゴンフラゴン | 1,300 |
47 | Rival Restaurants (2019) | ライバル・レストラン | 1,200 |
48 | Origin (2013) | オリジン | 1,200 |
49 | Colors of Paris (2019) | パリの色彩 | 1,200 |
50 | Ceylon (2018) | セイロン | 1,200 |
※邦題は、当方独自表記。発売されている日本語版とは、必ずしも一致しません。
※投票数(Num voters)は、100単位丸め。
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