家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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 キッチンスケールが故障しました。原因は、皿の根元の折損でした。自前で分解修理した記録です。



★ショック! キッチンスケールが壊れた!


 2年ほど前(2021年)に、「キッチンスケール(キッチンはかり、キッチンばかり)」を購入しました。エーアンドデイ社の「デジタルホームスケール・UH-3305」です。0.1g単位の目盛りで、パン作りなどで重宝します。充電式乾電池が使えるのが、選定の決め手でした。
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 ところが、先日使おうとしたところ、目盛りがうまく動きません。電源は入るのですが、数字が安定しない状況です。明らかにおかしい。見たところ、皿と本体が干渉しているようです。

  せっかくの機会なので、自前での分解・修理を試みることにしました。



★さあ分解! 皿の根元が折れている!


 さっそく分解です。本体底面には、5ヶ所のねじが見えています。これらのねじを緩めても、分解ができません。シールの下にも、ねじが隠れています。隠れている2個のねじのうち、電池側(写真の右側)を外せば、本体を開くことができます。
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 皿の側に、重量をはかるための部品(ロードセル)が固定されていました。小さいねじが2ヶ所。これを外します。大きいねじは、そのままでOKです。
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 分解が完了しました。損傷箇所を確認します。
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 皿の、ロードセルを固定する部分が、折れていました。
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 破損部の拡大。ねじ穴を設けた円筒状の部分が欠落しています。これでは、ロードセルが固定されません。測定ができないわけです。
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 ひとまず、瞬間接着剤で補修しました。ただ、力がかかる場所なので、これだけでは心配です。
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★これはまずい! モーメントによる応力集中


 どうして、折れてしまったのか。明らかに、設計起因と思われる問題があります。

 下図は、測定するときにかかる力を示したものです。皿には赤矢印の下向き荷重がかかります。この荷重を、ロードセルを介して、本体底面が受けます。問題は、皿の荷重点が、皿とロードセルの連結点からズレていることです。このズレのために、皿とロードセルの連結点には、連結点をねじるような荷重(モーメント)が作用します。もし、測定対象を皿の右側に偏って置いてしまうと、このモーメントは、いっそう大きくなります。
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 このようなモーメントがかかることを踏まえると、本製品では、ねじを固定する円筒部の強度が不足しているように見えます。念のため、もう一方の円筒部も確認しました。矢印で示した箇所に、亀裂(きれつ)が入っています。円筒部を支えるためのリブが付いているのですが、この接続部の隅が、亀裂の起点になっているように見えます。隅Rの不足による、典型的な「応力集中」でしょう。(さらに言うと、この亀裂が発生しているのは、円筒部の外周のうち、皿の中心からもっとも離れた位置です。すなわち、モーメントによる引張応力が最大となる箇所です。やはりモーメント過大が破損原因で、間違いないでしょう。)
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 以上の状況から、現状のままでは、また同じ破損を繰り返すだけ、と判断しました。

 そこで、円筒部の周辺を補強することにします。エポキシパテを使って、周囲をぐるりと覆います。これで、円筒部にモーメントがかかっても、簡単には壊れないはずです。
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 ロードセルを固定して、復旧完了です!
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 最後の仕上げに、「較正(こうせい/キャリブレーション)」です。150ccの水を測定しました。正しく計れていることを確認しました。
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 本製品では、プラスチック部品にモーメントがかかりやすい、あまり適切とはいえない構造を採用しています。このため、破損が発生しやすい結果になってしまいました。ただ、本製品は3000円という低価格であり、計量・コンパクトが必要とされる用途でもあります。もし、部品の強度を増そうとすれば、コストが増し、低価格で提供できません。また、荷重点と連結点のズレをなくそうとすれば、ロードセルの寸法の関係から、製品のサイズが増してしまいます。そう考えると、今回の事象を「欠陥」というのは酷です。定められた条件を満たすための妥協点を目指した結果なのかもしれません。


★まとめ:壊れるのは残念だけど、直せば済むことだよ


 キッチンスケールが故障しました。自前修理を経て、得られたことをまとめます。
  • 故障の直接原因は、プラスチック製の皿の根元、ねじ固定部分の折損だった。
  • 折損は、円筒形状と薄板形状が連結した、隅R部分を起点に発生したと推定される。
  • 当該製品では、ねじ固定部分に、ねじるような荷重がかかりやすい構造だった。
  • 同じ破損を繰り返さないために、固定部の周辺を補強し、修理を完了した。


 客観的に見て優れた設計とは言えず、同様の破損例が頻出している懸念があります。ただ、価格やサイズを考慮すると、欠陥品と言い切るのは「あまりに酷」です。あらゆる製品設計には、トレードオフがつきものです。





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