カードゲームなのに、手札がない。丸見えの選択。結果は点数。どれもこれも新鮮な体験ばかり! 写真多めレビュー。

★どんなゲーム?~同色のカードを集めよう!
手札は持ちません。山からカードを引いて場に置くか、場にあるカード1列を引き取るかを選びます。最後に、手元に同じ色のカードが集まるほど高得点です。

手番でできることは2つあります。ひとつめは、共通の山札からカード1枚を引いて、場にある4行のどれかに並べる。(各行3枚まで。薄茶色のカードは、カードを並べる目印。)
2つ目の選択肢は、1行を選び、そのカードすべてを取る、です。全員が1セットずつカードを取って1ラウンド終了。場をリセットして、同じことを繰り返します。

こうして、手元にカードが集まっていきます。集めたカードは、色ごとに分けて置きます。

山札から「しっぽ」カードが出たら、終了です。 集めたカードから、点数を計算します。得点の計算は、色ごとに行います。同色が1枚だと1点ですが、2枚だと3点、3枚だと6点、というように、2次関数的に増加します。そして最大のポイントは、 得点となるのは3色までで、4色目からは減点になることです。

例えば、下の写真での得点は、橙6枚(ジョーカー含む)→21点、黄5枚→15点、茶色2枚→3点、赤2枚→3点、白1枚→1点、です。得点は、橙+黄+茶でプラス39点。赤と白は減点でマイナス4点。そして2点カードが2枚あるのでプラス4点。合計は39点です。

★カードゲームのイメージを覆す、素晴らしい体験!
この「コロレット」は、テーブルゲーム初心者にとって、まさに「目からウロコが落ちる」ような、新鮮な体験を提供する、素晴らしい商品だと感じています。どこが、それほど新鮮で素晴らしいのか?
◎手札がない!
一般的なトランプやウノ、あるいはハゲタカのえじき、ニムトなど、たいていの「カードゲーム」では、手札を何枚か持っていて、それを使ってゲームをします。しかし、このコロレットは違う。手札はなく、山札から引くだけです。この点に、たいへんなユニークさを感じました。特に、普段カードゲームになじみがない人は、これだけで「いつもと違うゲームをしている」という感覚を持てるでしょう(実際、私がそうでした)。
◎自分で考え、自分で決める!
そして山から引いたカードは、場の行どれかを「自分で選んで」置かなければなりません。あるいは、場の行から1個を「自分で選んで」引き取らなければなりません。一般的なカードゲームでも「手札から選択して出す」という選択行為はありますが、それは「手札」という、他人から見えない選択肢が対象です。多少の失敗をしても、運任せにしても、他人からは見えないので、一定の安心感があります。
ところが、この「コロレット」では、選択肢が全プレイヤーに丸見えです。「ああ、この場で、その手をやっちゃうのね」と思われるかもしれないし、「お、そう来たか!」と感心されるかもしれません。「自分の選択」について、すぐにフィードバックが帰って来るのです。「選択に関する責任感」や「周囲に向けて自分の選択をアピールする重要性」などを意識せざるを得ません。これは、普段カードゲームで遊ばない人にとっては、きわめて刺激的な体験となります。
◎結果が点数なので、上達を実感できる。
これまたウノやトランプなどでは、勝敗は単に「勝ち/負け」で定性的に表される場合がほとんどです。このため、自分にミスがあったのか、単に相手が強かったのか、客観的な評価がしにくいです。何度遊んでも上達を感じられず、なんとなく遊ぶだけになってしまいます。
ところが本ゲームでは、得点計算を経て、自分の成績が「点数」で表されます。「確かに負けたけれども、自己最高得点だ」とか、「あのときあっちのセットを取っていれば何点トクしていた」とか、客観的な上達の確認や、勝敗の原因分析ができます。ゲームのたびに学ぶことがあれば、また繰り返し遊びたくなります。毎回が、新鮮なゲーム体験となるのです。
また、集めたカードを色別に、自分の手元に並べるのもポイント。単純に、手元にカードが集まるのは楽しいですし、点数が伸びていくのを実感できて、達成感があります。これも新鮮な体験だと思います。
★じっくり、ホイホイ。どちらでも楽しい!
単純なルールですが、考えることがたくさんあります。自分が欲しいカードを同じ行にまとめる。他人の嫌がるカードを欲しそうな行にねじこむ。自分が不利になっても、相手の妨害を優先してカードを取る。旨みは少なくても、危険の少ない行を早めに取る。この色は諦めて、あっちの色を狙う。などなど。
相手の持っているカードが丸見えなので、各プレイヤーの動向を気にしながら、最適な選択を決めなければなりません。考え始めたら、いくらでも考えられます。そのくせ、カードの「めくり運」があるので、思い通りになりません。いろいろな可能性をじっくり考慮していけば、その場その場の判断力で切り抜けていく「リスク管理能力」が身に着くことでしょう。
しかし私の場合、あまり考えず、直感でホイホイとカードを置いていく遊び方が気に入っています。この色は渡したくないからこっち、欲しいからあっち、といった具合で、どんどん仕分けします。失敗しても大丈夫。この方法では勝ちにくいかもしれませんが、決断力と楽観性が強化されると信じています。
そんなわけで、じっくり派もホイホイ派も、等しく楽しめる、優れたゲームなのです。
★まとめ:新鮮なカードゲーム体験!
◎素晴らしい点
・カードゲームなのに、手札がない。
・自分で考え、自分で決める体験ができる。
・結果が点数。上達を実感できる。
・じっくり考えて遊んでも、ホイホイ直感で遊んでも、楽しい。
◎今ひとつの点
・ボードゲームでなく、カードゲームである。このため、「おもしろいボードゲーム」として、本作を挙げることがはばかられる。
・カードを分ける(人数により色を減らす)、混ぜるのに手間がかかる。
・カメレオンは大丈夫だが、横にいる虫がイヤ(娘11歳の意見)。
いつものカードゲームとは違う、新鮮な体験。「コロレット」は、素晴らしい商品です。

駿河屋通販
この記事が役立ちましたら、ランキングクリックをお願いします:

技術・工学ランキング
(補足)コロレットをいっそう楽しむ方法
優れたカードゲーム「コロレット」ですが、1点だけ、困りごとがあります。遊んだあと、同じ色のカードが固まりやすいのです。このため、ゲームをはじめるときは、よく混ぜる必要があります。最初のころ、普通のトランプ式に切っていた(いわゆるヒンズーシャッフル)のですが、これでは不完全です。
そこで取り入れたのが、テーブルに5~6箇所の場所を作って、順次各場所に1枚ずつカードを置いていく切り方です。(専門用語で「ディールシャッフル」と言うそうです。あとで知ったのですが、これは「遊戯王ラッシュデュエル」などのトレーディングカードゲームで、伝統的に用いられている方法のようです。)

…エッ? そんなの当たり前? ごめんなさい、私ってばほら、シロウトでしょう?
- 関連記事
-
-
◆カードゲーム「迷宮牧場の決闘」を子供と遊ぶ~ガンマンが走り、ライバルを狙い撃ち! 2023/11/18
-
◆カードゲーム「コロレット」を子供と遊ぶ~手札なしのセットコレクションは、新鮮な体験! 2023/11/15
-
◆カードゲーム「宝石がいっぱい!」を子供と遊ぶ~神経が衰弱しない、カンタン神経衰弱! 2023/10/24
-
◆ボードゲーム「チューリング・マシン」の核心:「エックス・パラドックス」にだまされるな ! 2023/07/21
-
◆ボードゲーム「薬草ひとついかがですか?」を子供と遊ぶ~お釣りをピッタリ返す、逆お買い物カードゲーム 2023/07/15
-

| ホーム |