タイルを裏返してアクション! 狼となって土地を駆け、仲間を集め、縄張りを広げよう。
子供たちと遊ぶのを前提に、新発売・未発売のボードゲームの購入を検討する記事です。今回は2022年12月発売「ウルフ(The Wolves)」。


画像出典:Pandasaurus Games; The Wolves 英語版ルールブック (2022)
★ゲーム内容の確認
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など
1)基本情報
・タイトル:ウルフ/ウォルブズ
・作者:Ashwin Kamath, Clarence Simpson
・原題:The Wolves
・発売年:2022年12月
・出版社(一例): Pandasaurus Games [1]
・プレイ人数:2~5人
・プレイ時間:75分
・推奨年齢:14歳以上
[1] Pandasaurus Games: The Wolves
[2]Board Game Geek: The Wolves (2022)
2)テーマ
・年代:現代(推定)
・場所:狼たちの暮らす土地
・プレイヤーの立場:狼の群のリーダー
・目的:群の勢力を増すこと。
・行うこと:
・仲間を増やし、獣を狩る。
・巣を作り、敵対する群を追い出し、縄張りを広げる。
3)外観
・絵柄:落ち着いた色使い、絵本風の動物描写
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1式、個人ボード4個
・木製コマ:約140個
・紙製タイル:約30個
・紙製チップ:約130個
・箱サイズ:30×30cm(カタンサイズ)
・共通ボード:50×30cm程度(推定)
・個人ボード:25×20cm程度(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Pandasaurus Games、2022年)を参照した情報。
○基本システム
・共通ボード上の陣取り。
○主要物品
・共通エリア:
・地図ボード:複数ボードを並べたヘックスマス。
・月ボード:ラウンド進捗を示す。
・個人エリア:
・個人ボード:自色物品を置く。除去のたび能力解放。
・地形タイル:裏返してアクションを実行する。
・自色狼コマ:地図ボード上を移動する。
・自色巣コマ:小、大がある。地図ボード上に置く。
○大まかな手順
1)ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
2)開始プレイヤーから、時計まわりに手番をとる。
3)手番では、以下を順に行う。
①アクション1個を選び、実行する。
②同様に、2個目のアクションを実行する。
③所定条件を満たしたら、決算を行う。
4)3回目の決算を終えたら、即時ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、勝利点を集計し、点数が高い人が勝ち。
・主な得点源:
・ゲーム中:決算時のコマ配置数による順位点。
・終了時:個人ボードの解放コマの得点。
○アクション
a)移動(1枚):狼コマを移動する。
b)巣(2枚):狼コマに隣接して、巣コマ小を置く。
c)拡張(2枚):巣コマ小を除き、大に置き換える。
d)仲間(2枚):無色狼コマを除き、自色狼コマに置き換える。
e)制圧(3枚):他プレイヤーのコマを除き、自色コマに置き換える。
※カッコ内の数だけ、対応タイルを裏返して実行する。
○特徴的な要素
- アクションのコストは、タイルを裏返して払う。
- 1枚は、プレイヤーごとに異なる、両面同じ地形のタイル。
- 5枚は、表裏で異なる地形が描かれたタイル。
- 対象の地形のタイルを所定数裏返すことで、コストを払う。
例)砂漠に移動するときは、砂漠タイル1枚を裏返す。 - 1手番で、同じタイルを何回でも使える。
- 1枚は、プレイヤーごとに異なる、両面同じ地形のタイル。
- 個人ボードの物品を除くと、能力解放される。
- イ)統率力:1手番での移動コマ数を増やす。
- ロ)行動力:1手番での移動歩数を増やす。
- ハ)影響力:仲間にできる範囲を増やす。
- イ)統率力:1手番での移動コマ数を増やす。
- 月トラック進行で、決算タイミングを示す。
- 地図ボードから誰かがコマを除くたび、月トラックに移動する。
- 月トラックが一定数埋まったら、決算になる。
- 決算は、月トラックと同じ月マークのあるエリアについて行う。
- 対象エリアのコマ数が1位・2位の人が、順位点を得る。
- 地図ボードから誰かがコマを除くたび、月トラックに移動する。
- 以下の要素がある。
- 地形チップ:任意の地形タイルを裏返すのと同じ効果。
- 行動チップ:アクションをもう1回追加。
- 狩猟:獣チップを狼コマ3個で囲うと、行動チップを取得。
- 制圧:孤立した他プレイヤーのコマを除去できるアクション。
- 地形チップ:任意の地形タイルを裏返すのと同じ効果。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・個人ボードの能力説明は、少量の文字による記載。
・プレイ人数依存:
・3~5人用:人数に応じて、地図ボードのサイズを調整する。
・2人用:無人プレイヤー1人が追加される。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・地図ボードは、ランダムに所定数を選んで使う。
・個人ボードは、ランダムに選んで使う。
・ランダム要素:
・ゲーム中のランダム要素はない。
6)入手性
・一般販売予定[4]:
・発売予定時期:2022/12
・メーカー価格:49.95USドル
・日本語版の発売予定:
・2022/12/10時点、日本語版の発売予定は確認できない。
[4] Pandasaurus Games: The Wolves
★考察:「ウルフ」の魅力と懸念点
陣取りは得意でないのですが、木製の狼コマと雰囲気の良いイラストが気になり、内容を確認しました。
◎魅力を感じた点
- ルール。手元の地形タイルを裏返して、コストとするシステム。1手番で2アクションのため、カードの裏側の記載を考えつつ、計画的に選択する必要がある。1アクション追加できるチップの使いどころも重要で、悩ましく楽しめそうだ。共通ボードへの配置のたび、能力解放される個人ボードも、成長を感じられて、達成感を高めてくれそう。
- 物品。造型のよい狼コマ。絵本ふうの絵柄も親しみやすく、魅力的だ。
◎懸念点
- ランダム性がない。ゲーム中は、いっさいのランダム性がない。しかも、直接攻撃要素のある陣取りゲームである。ガチガチの戦略ゲームになってしまい、精神的なプレッシャーが高すぎるかもしれない。失敗したときのダメージが大きそうだ。我が家の子供たち(娘11歳、長男8歳、次男6歳)と遊ぶのは、不向きのように感じる。
- 直接攻撃。発動条件はかなり限定的(タイル3枚使用+同色コマ1個が孤立)だが、他プレイヤーのコマを除くという、強力な直接攻撃がある。これを行われると、かなり精神的ダメージが大きい。避けるためにビクビクしたプレイになってしまうと、ゲーム全体の楽しさが損なわれてしまう。心の弱い我が家の人たちには、うまく遊べないかもしれない。
★判定結果:「ウルフ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ウルフ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
タイルを裏返して行うアクションと、個人ボードの能力解放のシステムで、シンプルながら奥深いゲーム進行が期待できます。ただ、運要素が皆無で、直接攻撃のダメージが大きすぎる懸念があります。残念ですが、見送りとします。

画像出典:Pandasaurus Games; The Wolves 英語版ルールブック (2022)
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