ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「ティーフェンタールの酒場(Die Tavernen im Tiefen Thal)」。
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「ティーフェンタールの酒場(Die Tavernen im Tiefen Thal)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:ティーフェンタールの酒場
・作者: Wolfgang Warsch/ヴォルフガング・ヴァルシュ
・原題:Die Tavernen im Tiefen Thal / The Taverns of Tiefenthal
・発売年:2019年
・出版社(一例):Schmidt Spiele [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:10歳以上
[1]Schmidt Spiele: The Taverns of Tiefenthal
2)テーマ
・年代:不明(中世?)
・場所:ドイツ、ティーフェンタール村
・プレイヤーの立場:酒場の経営者
・目的:商売を繁盛させること。
・行うこと:
・常連客を集め、売上を増やす。
・設備の増強や、従業員の増員をする。
3)外観
・絵柄:薄暗いが暖かい雰囲気。コミカルな人物。
・コンポーネント:
・ボード:共通ボード1個、個人ボード4個
・カード:お客・設備など 240枚
・紙製タイル・チップ:お客・設備など 約130個
・コマ類:マーカーなど 約10個
・サイコロ:28個
・サイズ感:箱30cm×30cm、ボード=A5サイズ程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Schmidt Spiele)を参照した情報。
○大まかな手順
1.ラウンド制。8ラウンドを繰り返す。
2.全員同時に、個人デッキのカードを個人ボードに配置する。
3.サイコロを振り、皿に置く。
4.皿を回覧しながら、各プレイヤーがサイコロを取る。
5.サイコロを個人ボードに配置する。
6.時計回りに、手番を回す。
・サイコロを置いた箇所のアクションを実行する。
・お金・ビールを使ったアクションもある。
・1手番で、すべてのアクションを実行する。
7.開始プレイヤーを移動して、以上を繰り返す。
○勝敗
・ゲーム終了後、自分の持つカードに記載された点数を合計する。
・もっとも点数の高い人が勝ち。
○アクション
・カード上にサイコロを置くことで、対応するアクションを実行できる。
a)お客:お金を得られる。
b)小箱:お金を得られる。
c)ビール屋:ビールを得られる。
d)ビール樽:ビールを得られる。
e)僧侶:僧侶トラックを進める。
・お金・ビールを消費して実行できるアクションもある。
f)お金→設備カード・従業員カードを得る。
g)お金→個人ボードを強化する。
h)ビール→お客カードを得る。
i)ビール→貴族カードを得る。
○特徴的な要素
・サイコロの取得は回覧方式(ブースタードラフトに似ている)。
・各プレイヤーの皿に、振ったサイコロ4個を乗せる。
・1個を選び、皿ごと左の人に渡す。
・来た皿の3個から1個を選び、残りを左の人へ。
・これを繰り返し、手元に4個のサイコロを持つ。
・新しいカードを得て、個人デッキが強化される。
・カードには、お客と設備・従業員がある。
・新しいカードは、山札の一番上に置かれる。
・アクションで得られるお金・ビールは、頭の中で数える(トークンなし)。
・個人ボードのパーツを裏返し、アクションの効果を強化できる。
・僧侶トラックのコマを進めると、ボーナスが得られる。
・モジュール構成になっており、段階的に新しいルールを増やせる。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・文字情報は、使用しない(数字のみ使用)。
・地名などの記載もない。
・プレイ人数依存:
・プレイ人数によるルールの違いはない。
・リプレイ性:
・使用物品変化:毎回、同じ物品を使う。
・ランダム要素:
・個人デッキのカードの出現順はランダム。
・サイコロの出目はランダム。
・売場のカードの出現順はランダム。
・モジュール2~5の拡張が同梱されている。
段階的にルールを増やして遊べる。
6)入手性
・日本語版:
・完全日本語版が、アークライトから発売されている。定価6380円
・アマゾン通販などで、普通に入手できる。
※2021/7現在の状況。
★考察:「ティーフェンタールの酒場」の魅力と懸念点
暖かい雰囲気の絵柄と、拡張同梱で繰り返し遊べそうな内容に興味を持ちました。60分程度というプレイ時間も、遊ぶまでのハードルを下げ、魅力的です。
◎魅力を感じた点
・カードを増やすごとにアクションが増え、収入が増える。その収入でさらにカードや設備を増す。という、分かりやすい拡大再生産のしくみ。後半に行くにしたがって個人ボードもにぎやかになって、店が拡大する雰囲気を楽しめそうだ。
・最終得点計算がカードの点数だけなので、見通しが良さそう。
・5種類の拡張が入っている。長く楽しめそうだ。
・暖かい雰囲気と、コミカルなキャラクターの絵柄。子供たちもなじみやすいだろう。
・言語依存がない。文字が読めない子供(長男7歳、次男4歳)もOKだろう。
・完全日本語版の入手性が良好。
◎懸念点
・登場キャラクターの顔色。どの人も暗い雰囲気で、遊んでいて気が滅入りそうだ。
・ビールやお金がトークンでなく、頭の中で数える。コストダウンなのだろうか。子供たちと遊ぶことを考えると、現物を使わずに計算するのは、困難がありそうだ。大人も、途中で分からなくなる(短気記憶が弱い)おそれがある。碁石などで代用するしかないか?
・手番のアクション。1人ずつ順に、「すべての」アクションを処理するシステム。その前にサイコロを置く計画タイムがあるとはいえ、考え違いや思い直しがあると、それなりに時間がかかりそうだ。我が家は長考族が多いので、待ち時間が多くなりすぎる心配がある。1時間では終わらない可能性が高い。
・サイコロ。普通のサイコロなので、世界観から浮いてしまうように見える。せっかく、「皿からサイコロを取る」という仕組みなので、オルレアンのようなワーカーチップにするなど、ひと工夫が欲しかった。(このゲームの作者は、袋からチップを引く「クアックサルバー」と同じ人らしい。)
★判定結果:「ティーフェンタールの酒場」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ティーフェンタールの酒場」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
見た目の雰囲気がよい。プレイ時間が短めで、構えずに遊べそう。なのですが、やはりビールやお金の数を「頭の中で計算する」のは、子供たちとのプレイを考えると、かなりハードルが高いでしょう。アクションに使うサイコロも、世界観から浮いている気がして、いまひとつに感じました。残念ながら、「これだ!」と思うほどの商品ではありませんでした。
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★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がない。本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「ティーフェンタールの酒場(Die Tavernen im Tiefen Thal)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:ティーフェンタールの酒場
・作者: Wolfgang Warsch/ヴォルフガング・ヴァルシュ
・原題:Die Tavernen im Tiefen Thal / The Taverns of Tiefenthal
・発売年:2019年
・出版社(一例):Schmidt Spiele [1]
・プレイ人数:2~4人
・プレイ時間:60分
・推奨年齢:10歳以上
[1]Schmidt Spiele: The Taverns of Tiefenthal
2)テーマ
・年代:不明(中世?)
・場所:ドイツ、ティーフェンタール村
・プレイヤーの立場:酒場の経営者
・目的:商売を繁盛させること。
・行うこと:
・常連客を集め、売上を増やす。
・設備の増強や、従業員の増員をする。
3)外観
・絵柄:薄暗いが暖かい雰囲気。コミカルな人物。
・コンポーネント:
・ボード:共通ボード1個、個人ボード4個
・カード:お客・設備など 240枚
・紙製タイル・チップ:お客・設備など 約130個
・コマ類:マーカーなど 約10個
・サイコロ:28個
・サイズ感:箱30cm×30cm、ボード=A5サイズ程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Schmidt Spiele)を参照した情報。
○大まかな手順
1.ラウンド制。8ラウンドを繰り返す。
2.全員同時に、個人デッキのカードを個人ボードに配置する。
3.サイコロを振り、皿に置く。
4.皿を回覧しながら、各プレイヤーがサイコロを取る。
5.サイコロを個人ボードに配置する。
6.時計回りに、手番を回す。
・サイコロを置いた箇所のアクションを実行する。
・お金・ビールを使ったアクションもある。
・1手番で、すべてのアクションを実行する。
7.開始プレイヤーを移動して、以上を繰り返す。
○勝敗
・ゲーム終了後、自分の持つカードに記載された点数を合計する。
・もっとも点数の高い人が勝ち。
○アクション
・カード上にサイコロを置くことで、対応するアクションを実行できる。
a)お客:お金を得られる。
b)小箱:お金を得られる。
c)ビール屋:ビールを得られる。
d)ビール樽:ビールを得られる。
e)僧侶:僧侶トラックを進める。
・お金・ビールを消費して実行できるアクションもある。
f)お金→設備カード・従業員カードを得る。
g)お金→個人ボードを強化する。
h)ビール→お客カードを得る。
i)ビール→貴族カードを得る。
○特徴的な要素
・サイコロの取得は回覧方式(ブースタードラフトに似ている)。
・各プレイヤーの皿に、振ったサイコロ4個を乗せる。
・1個を選び、皿ごと左の人に渡す。
・来た皿の3個から1個を選び、残りを左の人へ。
・これを繰り返し、手元に4個のサイコロを持つ。
・新しいカードを得て、個人デッキが強化される。
・カードには、お客と設備・従業員がある。
・新しいカードは、山札の一番上に置かれる。
・アクションで得られるお金・ビールは、頭の中で数える(トークンなし)。
・個人ボードのパーツを裏返し、アクションの効果を強化できる。
・僧侶トラックのコマを進めると、ボーナスが得られる。
・モジュール構成になっており、段階的に新しいルールを増やせる。
5)遊びやすさ
・言語依存:
・文字情報は、使用しない(数字のみ使用)。
・地名などの記載もない。
・プレイ人数依存:
・プレイ人数によるルールの違いはない。
・リプレイ性:
・使用物品変化:毎回、同じ物品を使う。
・ランダム要素:
・個人デッキのカードの出現順はランダム。
・サイコロの出目はランダム。
・売場のカードの出現順はランダム。
・モジュール2~5の拡張が同梱されている。
段階的にルールを増やして遊べる。
6)入手性
・日本語版:
・完全日本語版が、アークライトから発売されている。定価6380円
・アマゾン通販などで、普通に入手できる。
※2021/7現在の状況。
★考察:「ティーフェンタールの酒場」の魅力と懸念点
暖かい雰囲気の絵柄と、拡張同梱で繰り返し遊べそうな内容に興味を持ちました。60分程度というプレイ時間も、遊ぶまでのハードルを下げ、魅力的です。
◎魅力を感じた点
・カードを増やすごとにアクションが増え、収入が増える。その収入でさらにカードや設備を増す。という、分かりやすい拡大再生産のしくみ。後半に行くにしたがって個人ボードもにぎやかになって、店が拡大する雰囲気を楽しめそうだ。
・最終得点計算がカードの点数だけなので、見通しが良さそう。
・5種類の拡張が入っている。長く楽しめそうだ。
・暖かい雰囲気と、コミカルなキャラクターの絵柄。子供たちもなじみやすいだろう。
・言語依存がない。文字が読めない子供(長男7歳、次男4歳)もOKだろう。
・完全日本語版の入手性が良好。
◎懸念点
・登場キャラクターの顔色。どの人も暗い雰囲気で、遊んでいて気が滅入りそうだ。
・ビールやお金がトークンでなく、頭の中で数える。コストダウンなのだろうか。子供たちと遊ぶことを考えると、現物を使わずに計算するのは、困難がありそうだ。大人も、途中で分からなくなる(短気記憶が弱い)おそれがある。碁石などで代用するしかないか?
・手番のアクション。1人ずつ順に、「すべての」アクションを処理するシステム。その前にサイコロを置く計画タイムがあるとはいえ、考え違いや思い直しがあると、それなりに時間がかかりそうだ。我が家は長考族が多いので、待ち時間が多くなりすぎる心配がある。1時間では終わらない可能性が高い。
・サイコロ。普通のサイコロなので、世界観から浮いてしまうように見える。せっかく、「皿からサイコロを取る」という仕組みなので、オルレアンのようなワーカーチップにするなど、ひと工夫が欲しかった。(このゲームの作者は、袋からチップを引く「クアックサルバー」と同じ人らしい。)
★判定結果:「ティーフェンタールの酒場」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ティーフェンタールの酒場」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
見た目の雰囲気がよい。プレイ時間が短めで、構えずに遊べそう。なのですが、やはりビールやお金の数を「頭の中で計算する」のは、子供たちとのプレイを考えると、かなりハードルが高いでしょう。アクションに使うサイコロも、世界観から浮いている気がして、いまひとつに感じました。残念ながら、「これだ!」と思うほどの商品ではありませんでした。
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