ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「プラハ・王国の首都(Praga Caput Regni )」。
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がないので、本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「プラハ・王国の首都(Praga Caput Regni )」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:プラハ 王国の首都
・作者: Vladimir Suchy
・原題:Praga Caput Regni
・発売年:2020年
・出版社(一例):Delicious Games [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:45~150分
・推奨年齢:12歳以上
[1]Delicious Games: Praga Caput Regni
2)テーマ
・年代:14世紀、カール4世(CharlesⅣ)の時代
・場所:ボヘミア・プラハ
・プレイヤーの立場:プラハの建築プロジェクトを主導する有力市民。
・目的:建築に貢献し、王からの好意を高めること。
・行うこと:
・鉱脈を整備し、資金源を得る。
・都市の整備や、大型建造物の建築を進める。
3)外観
・絵柄:カラフルな色使い、レトロな絵本っぽい雰囲気の絵柄。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1枚、個人ボード8枚
・六角タイル:建築物など 約100個
・紙製タイル:窓、卵、ボーナスなど 約70個
・紙製チップ:窓、卵、ボーナスなど 約90個
・木製コマ:マーカー、人形など 約20個
・その他:紙製の立体模型 3組(城壁、大聖堂、橋)
・サイズ感:箱30cm×30cm、ボード=60cm×90cm程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Delicious Games、2020年版)を参照した情報。
○大まかな手順
1.ターン制。開始プレイヤーから、時計回りに行う。
2.手番では、以下を順に行う。
1)アクションクレーンから、アクションタイル1個を取る。
2)アクションタイルのアクションを実行する。
3)コストを払えば、追加アクションを1個まで実行できる。
4)クレーンを回し、アクションタイルを戻す。
3.クレーンが所定位置まで来たら、進捗マーカーを動かす。
4.進捗マーカーが所定位置まで来たら、ゲーム終了。
(全員が16ターンを行うことになる。)
○アクション
・クレーンから選んで、またはコストを払って実行するアクション:
a)金鉱山:金の入手/金の入手量アップ
b)採石場:石の入手/石の入手量アップ
c)アクション強化:アクションタイルを取得。個人ボードに配置。
d)防壁:壁タイルを取得。個人ボードに配置。
e)建築:町タイルを取得。メインボードに配置。
f)王の道:王の道の自色コマを進める。
○勝敗
・進捗マーカーが終了を示した後、以下要素から得点計算を行う。
1)町に置いた建物タイル(未計上ぶん)
2)大学トラック・技術トラックの進捗
3)大壁・大聖堂トラックの進捗
4)個人ボードに置いた壁タイルの数
5)最終得点を得る特殊効果(封印・橋タイル)
6)手持ちの卵の数
・もっとも得点が高い人が勝利!
○特徴的な要素
・回転式アクションクレーンによる、アクションの使用コスト変化。
・クレーンにあるタイルを取ると、そのアクションを行える。
・回転に伴い、タイルの使用コストが下がる/ボーナスが増す。
・使用されたアクションは、最初の位置に戻る(コストが増す)。
・個人ボードの回転板による資源数表示(金/石)。
・六角タイルの入手と配置で、ボーナスが得られる。
・アクションタイル:アクション実行時に毎回ボーナス。
・壁タイル:入手時ボーナス。
・町タイル:隣接する広場を囲むと、所有者でボーナス分配。
・各タイルとも配置時、隣接ボーナス(辺・角)がある。
・王の道
・コマを進めるたび、ボーナスがある。
・ゴールでは、即時/終了時ボーナス(橋タイル)がある。
・付加トラック:各ボーナスで進行
・技術:技術タイル(永続/即時効果)入手、終了時得点。
・大学:終了時、技術トラックの点数を増す。
・大壁・大聖堂
・横方向と上方向に進む複合トラック。
・終了時、進むほど得点になる。
・基礎点は、タイル隣接ボーナスで得るチップ数で増す。
・進捗マーカーの進行
・回転式クレーンが所定位置に来たら、進捗マーカーを進める。
・時代ⅠからⅡに入ると、六角タイルの内容が変わる。
・進捗マーカーが終了位置に来たら、ゲーム終了。
5)遊びやすさ
・言語依存:
物品の効果はすべてアイコンで、言語依存がない。
地名などの文字記載もない。
・プレイ人数依存:
同じ基本ルールで、2~4人用をカバー。
1人用バリアントあり。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・王の道・大壁・大聖堂の内容変更用タイル付き。
・橋ボーナスは両面から選択する。
・アクションタイルは両面から選択する。
・ランダム要素:
・アクションタイルの初期配置。
・広場タイルの初期配置。
・六角タイル(3種)の初期配置、登場順。
・技術タイルの登場順。
6)入手性
・日本語版:通常価格で入手できる。定価8800円。
※2021/6現在の状況。
★考察:「プラハ・王国の首都」の魅力と懸念点
とにかく豪華なコンポーネント! ゲームは形から入る私にとって、たいへん魅力的に感じ、詳細を確認しました。要素は多く見えますが整理されています。最近の流行を取り入れつつ洗練度を上げた、先進的なゲームに見えます。
◎魅力を感じた点
・豪華なコンポーネント。立体的な紙模型の見映えがよく、素晴らしい。
・回転式クレーン。回すだけでも楽しそうだ。
・明るい色使いのボード。にぎやかさがあり、面白そう。
・見映えの割に、プレイヤーの選択肢は少なく(6種類のアクションを選ぶだけ)、遊びやすそう。
・言語依存なし。文字になじみのない子供(長男7歳)も理解できそう。
・さまざまな要素を盛り込みつつ、入口のハードルを下げる工夫がされた、まさに「ユーロゲームの集大成」的な雰囲気を感じる。さまざまなギミックも盛り込み、言語依存もない。これぞ先進的ゲーム! と思える、高い完成度を感じた。
◎懸念点
・見通しの悪さ。得点要素が多いため、どこを目指して進むか、当面の計画を立てるのが難しそう。
・得点計算の複雑さ。最終得点計算の複数(大壁・大聖堂・技術)が、基本点×進捗点になっていて、計算するまで自分の点すらわからなそう。結果を見て、次回に向けた反省をするのも難しいかもしれない。
・遊ぶときの場所。メインボードの大きさに加えて、個人ボードが2枚あり、プレイする場所を選びそう。クレーンがボードの隅にあるので、プレイヤーの座る位置にも配慮が必要になるだろう。
・新しい要素の少なさ。たくさんの要素があるが、それぞれは、私の手持ちのゲーム(アルママータ、グレート・ウエスタン・トレイル、プエルトリコなど)にすでにあったり、想像できる範囲に見えた。高いお金を出してまで、買う気にはならない。実際に買っても、おそらく「こればかりを何回も遊ぶ」結果にはならないだろう。
・テーマ。「プラハ」という町に関心がない。カール4世を知らない。
★判定結果:「プラハ・王国の首都」は買うべきか?
以上を踏まえて、「プラハ・王国の首都」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
見た目が素晴らしく良く、先進的な試みもあり、かつ内容が整理された、完成度の高いゲームに見えます。もし我が家のボードゲームが今ほど増えていなければ、買っていたかもしれません。しかし現状では、手持ちゲームと似た要素が多いために、わざわざお金を出して買う気にはなれませんでした。残念ながら、出会ったタイミングが合いませんでした。
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★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がないので、本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「プラハ・王国の首都(Praga Caput Regni )」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など


1)基本情報
・タイトル:プラハ 王国の首都
・作者: Vladimir Suchy
・原題:Praga Caput Regni
・発売年:2020年
・出版社(一例):Delicious Games [1]
・プレイ人数:1~4人
・プレイ時間:45~150分
・推奨年齢:12歳以上
[1]Delicious Games: Praga Caput Regni
2)テーマ
・年代:14世紀、カール4世(CharlesⅣ)の時代
・場所:ボヘミア・プラハ
・プレイヤーの立場:プラハの建築プロジェクトを主導する有力市民。
・目的:建築に貢献し、王からの好意を高めること。
・行うこと:
・鉱脈を整備し、資金源を得る。
・都市の整備や、大型建造物の建築を進める。
3)外観
・絵柄:カラフルな色使い、レトロな絵本っぽい雰囲気の絵柄。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1枚、個人ボード8枚
・六角タイル:建築物など 約100個
・紙製タイル:窓、卵、ボーナスなど 約70個
・紙製チップ:窓、卵、ボーナスなど 約90個
・木製コマ:マーカー、人形など 約20個
・その他:紙製の立体模型 3組(城壁、大聖堂、橋)
・サイズ感:箱30cm×30cm、ボード=60cm×90cm程度?(推定)
4)ルール
以下、英語語版マニュアル(Delicious Games、2020年版)を参照した情報。
○大まかな手順
1.ターン制。開始プレイヤーから、時計回りに行う。
2.手番では、以下を順に行う。
1)アクションクレーンから、アクションタイル1個を取る。
2)アクションタイルのアクションを実行する。
3)コストを払えば、追加アクションを1個まで実行できる。
4)クレーンを回し、アクションタイルを戻す。
3.クレーンが所定位置まで来たら、進捗マーカーを動かす。
4.進捗マーカーが所定位置まで来たら、ゲーム終了。
(全員が16ターンを行うことになる。)
○アクション
・クレーンから選んで、またはコストを払って実行するアクション:
a)金鉱山:金の入手/金の入手量アップ
b)採石場:石の入手/石の入手量アップ
c)アクション強化:アクションタイルを取得。個人ボードに配置。
d)防壁:壁タイルを取得。個人ボードに配置。
e)建築:町タイルを取得。メインボードに配置。
f)王の道:王の道の自色コマを進める。
○勝敗
・進捗マーカーが終了を示した後、以下要素から得点計算を行う。
1)町に置いた建物タイル(未計上ぶん)
2)大学トラック・技術トラックの進捗
3)大壁・大聖堂トラックの進捗
4)個人ボードに置いた壁タイルの数
5)最終得点を得る特殊効果(封印・橋タイル)
6)手持ちの卵の数
・もっとも得点が高い人が勝利!
○特徴的な要素
・回転式アクションクレーンによる、アクションの使用コスト変化。
・クレーンにあるタイルを取ると、そのアクションを行える。
・回転に伴い、タイルの使用コストが下がる/ボーナスが増す。
・使用されたアクションは、最初の位置に戻る(コストが増す)。
・個人ボードの回転板による資源数表示(金/石)。
・六角タイルの入手と配置で、ボーナスが得られる。
・アクションタイル:アクション実行時に毎回ボーナス。
・壁タイル:入手時ボーナス。
・町タイル:隣接する広場を囲むと、所有者でボーナス分配。
・各タイルとも配置時、隣接ボーナス(辺・角)がある。
・王の道
・コマを進めるたび、ボーナスがある。
・ゴールでは、即時/終了時ボーナス(橋タイル)がある。
・付加トラック:各ボーナスで進行
・技術:技術タイル(永続/即時効果)入手、終了時得点。
・大学:終了時、技術トラックの点数を増す。
・大壁・大聖堂
・横方向と上方向に進む複合トラック。
・終了時、進むほど得点になる。
・基礎点は、タイル隣接ボーナスで得るチップ数で増す。
・進捗マーカーの進行
・回転式クレーンが所定位置に来たら、進捗マーカーを進める。
・時代ⅠからⅡに入ると、六角タイルの内容が変わる。
・進捗マーカーが終了位置に来たら、ゲーム終了。
5)遊びやすさ
・言語依存:
物品の効果はすべてアイコンで、言語依存がない。
地名などの文字記載もない。
・プレイ人数依存:
同じ基本ルールで、2~4人用をカバー。
1人用バリアントあり。
・リプレイ性:
・使用物品変化:
・王の道・大壁・大聖堂の内容変更用タイル付き。
・橋ボーナスは両面から選択する。
・アクションタイルは両面から選択する。
・ランダム要素:
・アクションタイルの初期配置。
・広場タイルの初期配置。
・六角タイル(3種)の初期配置、登場順。
・技術タイルの登場順。
6)入手性
・日本語版:通常価格で入手できる。定価8800円。
※2021/6現在の状況。
★考察:「プラハ・王国の首都」の魅力と懸念点
とにかく豪華なコンポーネント! ゲームは形から入る私にとって、たいへん魅力的に感じ、詳細を確認しました。要素は多く見えますが整理されています。最近の流行を取り入れつつ洗練度を上げた、先進的なゲームに見えます。
◎魅力を感じた点
・豪華なコンポーネント。立体的な紙模型の見映えがよく、素晴らしい。
・回転式クレーン。回すだけでも楽しそうだ。
・明るい色使いのボード。にぎやかさがあり、面白そう。
・見映えの割に、プレイヤーの選択肢は少なく(6種類のアクションを選ぶだけ)、遊びやすそう。
・言語依存なし。文字になじみのない子供(長男7歳)も理解できそう。
・さまざまな要素を盛り込みつつ、入口のハードルを下げる工夫がされた、まさに「ユーロゲームの集大成」的な雰囲気を感じる。さまざまなギミックも盛り込み、言語依存もない。これぞ先進的ゲーム! と思える、高い完成度を感じた。
◎懸念点
・見通しの悪さ。得点要素が多いため、どこを目指して進むか、当面の計画を立てるのが難しそう。
・得点計算の複雑さ。最終得点計算の複数(大壁・大聖堂・技術)が、基本点×進捗点になっていて、計算するまで自分の点すらわからなそう。結果を見て、次回に向けた反省をするのも難しいかもしれない。
・遊ぶときの場所。メインボードの大きさに加えて、個人ボードが2枚あり、プレイする場所を選びそう。クレーンがボードの隅にあるので、プレイヤーの座る位置にも配慮が必要になるだろう。
・新しい要素の少なさ。たくさんの要素があるが、それぞれは、私の手持ちのゲーム(アルママータ、グレート・ウエスタン・トレイル、プエルトリコなど)にすでにあったり、想像できる範囲に見えた。高いお金を出してまで、買う気にはならない。実際に買っても、おそらく「こればかりを何回も遊ぶ」結果にはならないだろう。
・テーマ。「プラハ」という町に関心がない。カール4世を知らない。
★判定結果:「プラハ・王国の首都」は買うべきか?
以上を踏まえて、「プラハ・王国の首都」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
見た目が素晴らしく良く、先進的な試みもあり、かつ内容が整理された、完成度の高いゲームに見えます。もし我が家のボードゲームが今ほど増えていなければ、買っていたかもしれません。しかし現状では、手持ちゲームと似た要素が多いために、わざわざお金を出して買う気にはなれませんでした。残念ながら、出会ったタイミングが合いませんでした。
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