畑と工場、労働者を組み合わせて特産品を作り、販売や輸出で稼ごう。親が選んだアクションを全員が行うシステムと、奴隷を想起させる茶色いコマが特徴的なゲーム。
ボードゲームの購入を検討する記事です。今回は「プエルトリコ(Puerto Rico)」。
<プエルトリコ 関連記事>
・言語依存のないプレルトリコを作る~アイコン化に挑戦!
・やっぱり、プエルトリコは遊べないよ!~奴隷制に反対します!
★検討にあたって
以下の条件を前提に、ボードゲームを物色しています。候補となった物件について、詳細を検討します。
・遊ぶ相手は、家族(妻、娘10歳、長男7歳、次男4歳)。
・長い期間、繰り返し遊びたい。
・我が家はお金がないので、本当に買う必要があるかどうか、厳選したい。
今回の候補は、「プエルトリコ(Puerto Rico)」です。
★ゲーム内容の確認
以下項目について、確認を行います。
1)基本情報:プレイ人数、プレイ時間など
2)テーマ:世界観、ゲームのあらまし
3)外観:絵柄、コンポーネントなど
4)ルール:手順概要、特徴的な要素など
5)遊びやすさ:言語依存、リプレイ性など
6)入手性:価格、在庫状況など

1)基本情報
・タイトル:プエルトリコ (プエルト・リコ)
・作者:Andreas Seyfarth
・原題:Puerto Rico
・発売年:2001
・出版社(一例):Rio Grande Games[1]
・プレイ人数:2~5人
・プレイ時間:45~90分
・推奨年齢:13歳以上
[1]Rio Grante Games: Puerto Rico Deluxe Edition
2)テーマ
・年代:16世紀中ごろ
・場所:カリブ海・プエルトリコ島
・プレイヤーの立場:西洋からの入植者
・目的:事業で成功を収めること。
・行うこと:
・入植者を集めて特産品を製造する。
・特産品を販売・輸出して金銭・名声を集める。
・金銭を使って有用な建物を建てる。
3)外観
・絵柄:劇画風。色数は多いが派手ではない色使い。
・コンポーネント:
・ボード:メインボード1枚、個人ボード5枚
・カード:人物がかかれたもの 約10枚
・紙製タイル:農園、建物など 約100枚
・紙製チップ:お金、勝利点 約100枚
・木製コマ:ワーカー、商品など円形・角柱コマ 約150個
・サイズ感:箱30cm×20cm、ボードA4サイズ程度(推定)
4)ルール
以下、英語版マニュアル(Rio Grande Games、2019年英語版)を参照した情報。
○大まかな手順
1.ラウンド制。終了条件を満たすまで繰り返す(15ラウンド前後)。
2.開始プレイヤーが、今回のフェーズの種類を選ぶ。
3.フェーズ別のアクションを、全員が時計回りに実行する。
4.次のプレイヤーが、次のフェーズの種類を選ぶ。…を繰り返す。
5.全員がフェーズの種類を選んだら、1ラウンドが終了。
○勝敗
・終了条件(特定資源の枯渇など)が満たされたら、ラウンド終了時にゲームが終了する。
・得点源は以下:
イ)ゲーム中に獲得するVPチップ。
ロ)建てた施設に記載された勝利点。
ハ)特定の施設から、条件の充足度により得られる勝利点。
○アクションの種類
・選ばれたフェーズにより、アクションが変わる。
a)開拓フェーズ:農園タイルを取れる。
b)建築フェーズ:施設タイルを買える。
c)移民フェーズ:ワーカーを取れる。
d)製造フェーズ:農園・施設・ワーカーを使い、商品を作れる。
e)販売フェーズ:商品を売り、現金を得られる。
f)輸出フェーズ:商品を輸出し、勝利点を得られる。
g)砂金フェーズ:現金を得られる。
○特徴的な要素
・フェーズの種類は開始プレイヤーが選び、全員が実行する。
・開始プレイヤーのみ得られる特典がある。
・選ばれなかったフェーズには現金ボーナスが乗り、以降の価値が高まる。
・商品を作るには、対応する農園・施設と、必要数のワーカーを要する。
・施設を建ててワーカーを配置すると、永続的な特殊効果を得られる。
5)遊びやすさ
・言語依存:カード・タイルの説明は文字記載のみ。アイコンなし。
・プレイ人数依存:
基本ルールは3~5人用。2人用は公式バリアント。
・リプレイ性:
・使用物品の変化:毎ゲームとも固定。
※拡張(デラックス版に同梱)では施設が追加され、一部を選んで使う。
・ランダム要素:農園タイルのみ、初期配置がランダムかつ秘密情報。
6)入手性
・日本語版:国内通販サイトで販売を確認できず。
・海外版:以下バージョンがある。
①オリジナル版
②デラックス版。絵柄の更新と、拡張2種類の追加。
③新版。ドイツ語のみ。
・英語版②が国内通販サイトで販売されている。約8000円。
「日本語シール付」とされるものもあるが、詳細は不明。
・ドイツ語版③も、国内通販サイトで販売されている。約8000円。
・英語版①②は、海外通販サイトAmazon.comで販売されている。②が40ドル強+送料15ドル。
※2021/6現在の状況。
★考察:「プエルトリコ」の魅力と懸念点
2001年に発売された、歴史のあるゲームです。ボードゲームサイトBGGでは、長期にわたり1位を独占した、伝説的ゲームとも言われるそうです(現在でも28位と、かなりの上位)。ネットでの評判もよく、長く楽しめそうなゲームに見えます。以下、調査結果から認識した、良い点・悪い点です。
◎魅力を感じた点
・開始プレイヤーがフェーズを決めて、それを全員が実行するというルール(「バリアブル・フェーズ・システム」というそうな)。自分の手を進めるか、相手の有利を防ぐのか、考えながらの進行になる。どのようなプレイ感になるのか、とても興味深い。
・コンポーネントが豊富で、魅力的。さまざまな施設タイルの効果をうまく活用するのが、おもしろそうだ。
◎懸念点
・テーマ。移民船でやって来るワーカーは、黒人奴隷を想起させる。黒人を集めて私腹を肥やすイメージがあり、子供たちにどのような影響を与えてしまうのか。
・カードやタイルの説明が文字表記。日本語化キットがネット上にあるが、小さい子供(7歳、4歳)が読めないのは同じ。もし遊ぶならば、自前で「アイコン化」する必要があるだろう。
・15ラウンドの長丁場。公称プレイ時間45~90分だが、長考傾向の我が家では、3人/3時間はかかるだろう。
・入手性と価格。国内通販サイトでは、英語版が8000円もする。海外アマゾンであれば、送料含め55ドル≒6000円強で買えるのを考えると、割高である。
★判定結果:「プエルトリコ」は買うべきか?
以上を踏まえて、「プエルトリコ」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:今すぐ買う。(購入済み)
※今すぐ買う/ぜひ買いたい/うちには必要ない、の3段階評価。
自前で説明書の日本語訳を行い、アイコン化の実現性を検討していたら、どうしても欲しくなってしまいました。あまりに突っ込んだ購入検討は、物欲を高めてしまう危険があります。
★追記:2023/1/8 買って大失敗「奴隷賞賛ゲーム」
衝動買いに近い形で買ったものの、我が家には合いませんでした。やはり「奴隷から搾取して私腹を肥やす」というイメージが拭えず、子供たちと遊ぶのが辛くなりました。ワーカーが「茶色コマ」というのも、黒人奴隷を想起させてしまいます。
この顛末は、以下の記事に、詳しく書きました。とても苦い教訓です。
・やっぱり、プエルトリコは遊べないよ!~奴隷制に反対します!
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