家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


☆祝☆ 200万ページビュー! ご訪問に感謝します。

↓↓↓子供と楽しむボードゲーム↓↓↓ 子供と遊ぶボードゲーム

 最新のアップデートを加えながら、過去の人気記事をふりかえる「今日のおじさん・アンコール」。その第3回目は、有名食べもの漫画でもとりあげられた、「小麦粉のたんぱく質」を調べる実験です(2011/9/13初出)。さあ、みんな、台所へレッツゴー!


【今日のおじさん・アンコール】 グルテンと代用ガム~強力粉と薄力粉を見分ける実験
 「今日の料理工学」は,「食材編」として,これまでに芋と米をとりあげました.今回は,小麦粉です.


★強力粉と薄力粉の違いは?
 よく知られている通り,小麦粉には,強力粉と薄力粉があります.この強力粉と薄力粉の区別ですが,小麦粉に含まれる「たんぱく質」の含有量によって,区別されているようです.文献[1]によると,強力粉と薄力粉のたんぱく質の含有量は,次の通りです.
 ・強力粉:11.5%~13.0%
 ・薄力粉:6.5%~9.0%
[1]製粉振興会;小麦粉のおはなし
 https://www.seifun.or.jp/

 下図1は,我が家の手元にあった強力粉と薄力粉です.
<図1>
20110913z1.jpg
 それぞれの袋に記載された,100gあたりのたんぱく質の量は,以下の通りでした.
 ・強力粉:12g (12%)
 ・薄力粉: 8g ( 8%)
 これは,上述した強力粉と薄力粉のたんぱく質の含有量の範囲に入っています.ただ,「強力粉」や「薄力粉」を定義する法律は,私が探した限り,見当たりませんでした.この区分は,どうも慣例によるもののようです.実際,強力粉の袋には,「名称:小麦粉」,「原材料名:小麦」とだけ書いてあり,強力や薄力の区別はありませんでした(下図2).これは,薄力粉の袋でも同様でした.
<図2>
20110913z2.jpg


★たんぱく質の量が与える影響
 小麦粉のたんぱく質の量は,小麦粉の元となる小麦の品種に依存します[1].すなわち,強力粉用の小麦や,薄力粉用の小麦が,存在します.小麦粉に含まれるたんぱく質は,主に「グリアジン」と「グルテニン」からなるそうです.それぞれの特徴は,次の通りです[1].
 ・グリアジン:弾力に富むが伸びにくい.
 ・グルテニン:弾力は弱いが粘着力が強くて伸びやすい.
 小麦粉に水を加えてこねると,これら2種類のたんぱく質が絡み合って,両方の性質(粘着性と弾性)を兼ね備えた「グルテン」ができます.このグルテンの質と量が,小麦粉を用いた食品の食感の決め手になっているようです.
 強力粉では,粘着性と弾性に富むグルテンができやすく,パンなどに使われます.弾力に富む生地でないと,うまく膨らまず,ふっくらとした食感が得られないからと思われます.
 一方,薄力粉では,適度な粘着性と弾性を持つグルテンができるので,幅広い料理に使用されます.例えば,クッキー,ケーキ,手打ちうどん,などの用途があります.(うどんには,薄力粉と強力粉の中間的な性質を持つ「中力粉」が使われることもあるようです.)
 ちなみに,パスタに使われる小麦粉は「デュラムセモリナ」というものです.これは,デュラム小麦という品種の小麦を,粗びきにしたものです[2].これも,たんぱく質の量が多い種類のようです.
[2]日清製粉グループ;小麦粉百科-小麦の種類
https://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/flour_02.html


★強力粉と薄力粉を見分ける実験
 文献[1]には,小麦粉に含まれるたんぱく質の量を調べる実験の方法が,記載されていました.この記載に沿って,実際に強力粉と薄力粉で,たんぱく質の量を比較してみました.

 実験の手順は,次の通りです.文献[1]の記載におおむね従いますが,一部アレンジしてあります.
 1.小麦粉20gを用意する.
 2.水15gを加えて,すりこぎでこねる.
 3.丸めた状態にして,水を加えて,約10分,水中に放置する.
 4.水の中で,指先でもみつぶして,でんぷん(白い粉)を洗い流す.
 5.水を替えながら,4を何度も繰り返す.
 6.水の濁りが少なくなったら,終了.
 7.残留物を軽くしぼり,キッチンペーパーで水気をふきとる.
 8.残留物の重量を測定する.

 図3は,でんぷんを洗い流した後の残留物です.左=強力粉,右=薄力粉
<図3>
20110913z14.jpg
 この残留物こそが,「グルテン」です.たんぱく質の量が多いほど,多くのグルテンが得られるはずです.残留物の重量は,以下の通りでした(測定器:料理用はかり,最小目盛=1g).
 ・強力粉:16g
 ・薄力粉: 6g
 今回の実験によると,強力粉では,薄力粉よりも,多くの残留物が得られました.すなわち,強力粉のほうが,たんぱく質が多いことが,確認できました.

 文献[1]によると,残留物の重量の目安は,以下の通りです.
 ・強力粉:元の小麦粉の重量の約40%(=8g)
 ・薄力粉:元の小麦粉の重量の約20%(=4g)
 実験結果では,この目安よりも,残留物の重量が大きくなってしまいました.これは,①でんぷんの洗い流しが不十分だった,②水切りが不十分だった,などの原因によると思われます.

 定量的な評価は,いまひとつでしたが,強力粉のほうが薄力粉よりも残留物が多く,たんぱく質の多いことを,定性的には確認できたと言えそうです.この実験を行えば,強力粉と薄力粉を,見分けることができます.


★得られた「グルテン」をどうする?
 有名な料理漫画「美味しんぼ」の中で,小麦粉のグルテンをガムの代用品とする,というエピソードがありました[3].
[3]雁屋,花咲;美味しんぼ,17巻「代用ガム」,(1988)

 このエピソードに登場する「代用ガム」は,流水で手の中の小麦粉を洗い流して得たグルテンです.これは,今回の実験で得られた残留物と同等品と思われます.実は私,一度この「代用ガム」を,食べてみたかったのです.今回,その機会が巡ってきました.しかも,2つもあります(強力粉と薄力粉).

 残留物「グルテン」は,下図4のように,弾力と粘り気があります(写真は強力粉).見た目は,おいしそうではありません.というよりも,食べ物には見えません.
<図4>
20110913z15.jpg

 では,いただきます.モグモグ.

 モチモチした,生麩のような食感です(麩は,グルテンが主原料です).でんぷんが残っているのか,すこし粉っぽいです.味は,ありません.また,強力粉と薄力粉で,特に違いはありませんでした.
 「美味しんぼ」の作中では,「青臭いよ.なんの味もしない.生の麦の臭いだ.ひどくまずい.」と言っていたようです.しかし,実際に食べてみると,そんなに悪いものではありませんでした.でも,やはり,「ガム」とは程遠いです.

 B級グルメマニアの方は,一度食べてみては,いかがでしょうか.思ったよりも,簡単に作れますよ.


【今回の結論】
 強力粉と薄力粉では,含まれるたんぱく質の量が違います(多いのが強力粉).
 小麦粉のたんぱく質からできるグルテンが,小麦粉を使った食品の食感の決め手となります.


★こんな話題にも、興味がありませんか?
 ・うるち米で「もち」を作れるか?~もち米vsうるち米 →こちら
 ・ワカメでダシをとれるか?~ワカメvsコンブ→こちら
 ・白い砂糖と茶色い砂糖の違いは?~上白糖vs三温糖→こちら


育休おじさんは,ネチネチとしつこい性格が特徴です.グルテンが多いのかもしれません.(でも,ガリ痩せなので,たんぱく質は少なめです.) 応援よろしくお願いします.
↓↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 科学ブログ 技術・工学へ
にほんブログ村
関連記事
↓↓↓子供と学ぶ、プログラミング学習&論理的思考↓↓↓ 20190217_logicalprog.jpg






管理者にだけ表示を許可する

★コメント受付に時間がかかることがあります★






トラックバック
TB*URL





Copyright © 家と子供と、今日のおじさん(仮). all rights reserved.