家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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 今回は、オリンパスのミラーレス一眼レフ、「PEN Lite E-PL6」の分解にチャレンジしました。


★分解するぞ!ミラーレス一眼PEN
 オリンパスのミラーレス一眼レフ(ノンレフ)、E-PL6を破損してしまいました。コンクリートの床に落下させて、液晶画面が割れてしまったのです。画面が写らなくなって、使えません。費用の点から、メーカーへの修理は困難です(1.5万円程度と予想。このカメラの購入価格は1万円)。自前での修理を試みたのですが、私の技量では、無理そうなことが分かりました。
→過去記事:ミラーレスカメラ・液晶画面の自前交換にチャレンジ!
CA150319.jpg

 そのまま捨ててしまうのもモッタイナイので、内部構造の勉強のために、分解をすることにしました。写真を豊富に載せていますので、分解・修理にチャレンジしたい方は、必見です!


★ボディ後面を外す
 まずは、ボディ後部を外します。力まかせに分解しようとしたら、さっそく壊してしまいました!
20170204m01.jpg 分解に先立って、電池フタを外します。ナナメ下方向に引っ張ると、外すことができます。
20170204b01.jpg ボディ側面に見えるねじを、すべて外していきます。まずは底面から。6か所ほどあります。
20170204b02.jpg ねじは、側面にもあります。コネクタ付近のねじは、コネクタ部分の固定用なので、今は外さなくてもOKです。
20170204b03.jpg 反対側の側面も、ねじを外します。
20170204b05.jpg ねじは、場所によって、直径、ピッチ、長さなどが異なります。もとに戻す予定がある場合は、どこにどのねじが付いていたか、後で識別できるようにしておく必要があります。ねじを外すたびに写真を撮っておくのも、よいアイデアだと思います。
20170204b12.jpg 見えているねじは全て緩めて、これで外せる!と思いきや、上部が引っかかっていて外れません。上のほうに、ねじが隠れているのでしょうか?
20170204b13.jpg ここで、ボディ後面は、前面と、2ヶ所の配線がつながっています。断線しないように、注意して下さい。
20170204b14a.jpg 外れないボディは、ゴリゴリと力任せに開いたり閉じたりして、ようやく外すことができました。

<注意!:このように強引に外すと、カメラが壊れます。正しい外し方は、後述を参照。>
20170204b14b.jpg こちらは、ボディ全面。配線は、コネクタ(写真右側の上と下の2ヶ所)のところで外しています。
20170204b18.jpg ボディ後部パーツをよく見ると、上部の中央(フラッシュを取り付けるところ)が、欠けてしまっています。
20170204b19.jpg ボディ全面には、欠けた部分が残っていることが分かります。この部分を、外しておく必要があったのです。

 早くも、このカメラは、復旧不能になってしまいました。
20170204b41.jpg 正しい外し方は、次の通り。

 まず、フラッシュ固定部の板金を外します。前面側が折れ曲がって、引っかかっているので、この部分を持ち上げながら、後方にスライドさせます。
20170204b42.jpg スライドさせると、板金が外れます。
20170204b44.jpg 板金を外すと、ねじが見えるので、4本とも外します。
20170204b45.jpg すると、フラッシュのマウントが取れます。下に、先ほど折れたボディ後部の破片が見つかりました。
 先にマウントを外しておけば、ボディ後部はスムーズに外れたはずです。
20170204b46.jpg 折れた破片。


★ボディ後面の分解
 ボディ後面には、操作ボタンや、液晶画面が固定されています。
20170204d00.jpg ボディ後面の部品を外していきます。
20170204d01.jpg 液晶画面の取り付けねじを外します。
20170204d02.jpg 液晶画面が外せました。当方、以前のチャレンジでは、液晶画面の交換を失敗しています。そのときは、ボディを外さず、液晶画面近くだけを分解しました。
 もし、チルト部を含む液晶画面アッシーが手に入るのであれば、今回のように、ボディ後部を外して交換したほうが、リスクが少ないかもしれません。
20170204e01.jpg ボタンは、ねじで固定されています。黒いシールで隠れたねじを外すと。
20170204e02.jpg 再生・消去ボタンを外すことができました。
20170204e03.jpg 右側の操作ボタンは、親指置きの裏に隠れたねじで固定されています。親指置きは、接着剤(?)で固定されていました。
20170204e05.jpg こうして、後部カバーの部品を、取り外すことができました。
 カバー裏面は、薄く、黒く塗装されています。何の目的なのか、不明です。



★軍艦部を外す
 次は、ボディ上面。いわゆる「軍艦」部分です。軍艦の中には、たくさんのスイッチ類やLEDが、ところ狭しと詰まっているのでした。
20170204g01.jpg モードダイヤルは、隙間にマイナスドライバーを入れてこじると、外すことができました。ダイヤル裏面に、銀色のパーツがありますが、何の目的か不明です。
20170204g03.jpg フラッシュ取付部の、金属板の下に隠れていたねじを外します。
20170204g04.jpg 側面のねじも外します。
20170204g05.jpg 軍艦部が外れました。ここで、基板とのコネクタを外すために、基板の表面を覆う黒いシールを剥がす必要があります。
20170204g11.jpg 軍艦部には、たくさんのパーツが固定されています。
20170204g12.jpg 外したパーツたち。スイッチ、ダイヤル、LED、コネクタなど、盛りだくさんです。
20170204g13.jpg シャッターボタンは、こんなふうに、バネが内蔵されていました。



★ボディ前面を外す
 カメラの心臓部、撮像センサーや画像処理エンジンが配置された、ボディ前面を分解します。
20170204h10.jpg 基板を覆うシールを剥がします。このシールは、再使用は難しいかもしれません。剥がすときは覚悟を。
20170204h10a.jpg 基板が露出しました。
20170204h11.jpg 基板に接続されたフレキシブル配線を、コネクタ部で外します。
20170204h21.jpg ボディ前面を外すために、ねじを外していきます。
20170204h22.jpg 側面にも、ねじがあります。
20170204h23.jpg 反対側の側面も。
20170204i02.jpg レンズマウント部のねじを外します。
20170204i03.jpg 板ばねが見えました。このバネで、レンズをマウントに押し付けるのでしょうか。
20170204i04.jpg バネを外します。
20170204i05.jpg 小さいバネもあるので、紛失に注意が必要です。
20170204i07.jpg レンズの取り外しボタンの近くにも、レンズのロック用に、小さな部品がありました。
20170204i08.jpg リングが外れます。
20170204i81.jpg こうして、ボディ前面を、本体から取り外すことができました。
20170204i82.jpg 分離したボディ前面と後面です。アルミの板金でできているようです。「ボディ」というよりは、「カバー」と言ったほうが適切かもしれません。
20170204i83.jpg 板厚さは、約1mmでした。



★画像処理エンジン
 ついに、カメラの心臓部、撮影ユニットと電装部分に辿り着きました。画像処理エンジンを詳細に観察します。
20170204j01.jpg これがカメラ本体です。左が撮影ユニット、右が電装部分です。電池は、電装の裏側に収まります。
20170204j11.jpg ここで、カッコウイイ部品を発見しました。三脚座です。
20170204j12.jpg 金属の一体パーツです。成形(プレス)で製作されているように見えます。
20170204j21.jpg 電装パーツ。僅かこれだけの空間で、各部の制御、センサーの信号処理など、複雑な演算が実行されるわけです。
20170204j22.jpg 電子部品が多数実装されていて、カッコウイイなあ。
20170204j23.jpg いちばん大きい石には、「Panasonic」と刻印されていました。
20170204j24.jpg 基板だけ、取り外した状態。
20170204j25.jpg 両面実装です。おそらく、多層プリント基板だと思われます。このコンパクトさは、驚異的だと思うのです。



★撮像センサーと手ブレ補正ユニット
 最後に、撮影ユニットです。撮像センサー、手ブレ補正ユニットなど、見どころが満載です!
20170204j32.jpg いよいよクライマックス。撮像センサーのついた、撮影ユニットです。
20170204j33.jpg 裏面は、メカっぽい雰囲気です。
20170204j34.jpg センサー部(左)と、シャッター部(右)が分離できました。シャッター部は、センサー部に、カセットのように入っています。
20170204k01.jpg ピンセットでレバーを動かすと、シャッターが閉まります。
20170204k36.jpg シャッターユニットは、電磁力(ソレノイド)で固定しておき、電磁力が切れると、バネの戻り力で動作する仕組みに見えます。元の位置に戻すときは、モーター(チャージモーター)で駆動します。
20170204k51.jpg シャッターボタンを押すと、隅の部分が押されて。
20170204k52.jpg シャッター(後幕)が閉じる仕組みになっているようです。
20170204l37.jpg 最後に、撮像センサーです。ユニット部分だけ、取り外せました。
20170204l41.jpg これが、センサーユニットです。撮像センサーと、手ブレ補正のための駆動装置(XYテーブル)が、セットになっています。
20170204l42.jpg XYテーブルは、モータとで駆動されます。モータには歯車が取り付けられ、歯車を介して、リードねじ(滑りねじ)が回転。ねじのナットが移動することで、テーブルが直線運動します。
20170204l44.jpg 左下の大きい銀色の円筒がモータ。その上に小さく見える(黒い部品の陰)が、ねじのナットです。
20170204l43.jpg 直線運動の案内には、ボールが使われていました。数個のボールが、板金部品の間に、組み込まれています。


 手ブレ補正部分の動作(X、Y方向の直線運動)は、下の動画のようになっています。おそらく、数ミクロンの位置決め精度で、動いているのでしょう。(マイクロフォーサーズの画素ピッチは、約4ミクロン=1600万画素の場合。)



★まとめ:洗練された部品構成に驚嘆!
 オリンパスのデジタル一眼カメラ、PEN Lite E-PL6を分解し、内部を詳細に観察しました。このカメラは2013年発売とあって、さすがに洗練された部品構成だと感じました。以前に分解したフイルムカメラ(1996年発売)と比べると、部品のモジュール化が進んでいることを実感できます。特に、電子部品のはんだ付けは最小限で、組立工程が大幅に簡略になっているように思いました。

 この分解によって、E-PL6は、完全に「オシャカ」になってしまいました。1年間も使えませんでしたが、ありがとう、PL6。


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ありがとうございます。
この記事のおかげでぼくのPPL6が復活しました。

格安でジャンク品を入手しボディの背面ごと取り替え、液晶表示が復活しました。
白と黒の混在ボディですがなかなかいいですよ。
ひで | URL | 2017/11/11/Sat 10:42 [編集]
ミラーレスカメラ構造みれて感動しました。 精密機械だなと改めて感心
スペックが悪いとか言っている人に見せてあげたい
色んな部品を受注して組み上げているだけかもしれないが細かなところに愛を感じます
まいまい | URL | 2017/11/21/Tue 14:36 [編集]
>ひで さん

コメントありがとうございます。お役に立てたようで、嬉しいです。
マツジョン | URL | 2017/11/26/Sun 09:08 [編集]
> まいまい さん
 コメントありがとうございます。
 ひと昔前のキヤノンの一眼レフ(フイルム)のグチャグチャ配線と比べると、このPL6は、見事に部品がモジュール化されていて、まさに「デジタル」といった印象で、洗練された構造だと感じました。当時3万円程度と、驚くほど安価で売られていたのですが、共用部品化や組立の簡便化など、設計技術がコストダウンを支えていた部分も多いと思います。
マツジョン | URL | 2017/11/26/Sun 09:17 [編集]
初めまして 質問させて戴きます。
格安のE-PL5を購入しましたが、電源がすぐ落ちてしまうので、もう一つE-PL7の訳ありを購入して、モード切替ボタンとシャッターボタン他を移植しようと思い、この記事を参考にバラそうと思ったのですが…手持ちの精密ドライバーだとネジが硬く、歯が立ちませんでした。
どの様な工具を使用されたのでしょうか、ご教授戴ければ幸甚です。
ホームセンターで聞いたのですが、専用工具で扱っていないと言われまして…
何卒よろしくお願い申し上げます。
見澤元彦 | URL | 2019/03/18/Mon 19:02 [編集]
質問させてください
こちらの記事を参考にさせて戴き、バラそうとしましたが、手持ちの精密ドライバーでは歯が立ちませんでした。
底面ほかのネジを外すのに使用された工具を教えてください。
宜しくお願い致します。
見澤元彦 | URL | 2019/03/18/Mon 19:07 [編集]
> 見澤元彦 さん
 はじめまして。ご訪問ありがとうございます。

 使ったのは、サイズが「00番」の、プラスの精密ドライバーです。特殊工具ではなく、ホームセンターやネット通販で購入可能と思います。100円ショップのものだと先端がヘタりやすいので、1本300円程度のものがおすすめです。
 ねじが固い場合、まず、ドライバーがねじ頭にピッタリ合うのを確認してください(サイズが違うと、合いません)。そうしたら、片手でドライバーを軸方向に強く押し付けて、ドライバーが外れないように注意しながら、もう一方の手でドライバーをゆっくりと回します。状況によっては、カメラ側を(逆に)回すのも有効です。このとき、ねじにドライバーが密着するよう、注意して下さい。外れると、ねじ頭がつぶれる危険があります。
 なお、手元にあるPM2で試しましたが、それほど強い力は必要でないようです。まずは、ドライバーのサイズが適切か、ご確認ください。

以上、うまくいけば幸いです。
マツジョン | URL | 2019/03/20/Wed 06:13 [編集]
有り難うございました。
はじめまして、二年も前の記事にすいません。
此方の記事のお陰で
手持ちのe-pl5二台と6一台から計二台復活させることができました。

e-pl5パンダ模様と、中身が6の外装5っていうキメラになりました。此方の記事がなければシャッターユニットまで開くことが出来ませんでした。
有り難うございました。
みさご | URL | 2019/10/19/Sat 02:45 [編集]
> みさご さん
コメントありがとうございます。お役に立ちましたようで、嬉しいです。
マツジョン | URL | 2019/10/21/Mon 17:56 [編集]
誤変換発見
軍艦部のくだりで軍艦部が何回か軍幹部になっています
ハマ | URL | 2023/09/17/Sun 01:13 [編集]
> ハマ さん
ありがとうございます。訂正しておきました。
マツジョン | URL | 2023/09/17/Sun 07:42 [編集]



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