家と子供と、今日のおじさん(仮)

2017年築の家で、妻+子供3人と過ごす記録です。ほのかに工学テイスト。


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 磁石応用ブロック玩具「マグフォーマー」について、かつて日本に存在した基本特許について書きます。

 この記事では、過去(~2021年)に存在していたマグフォーマーの特許について書いています。

 現在も存在する「類似品」については、以下の記事を参照ください。

 →だまされないで!!「マグフォーマー類似品」の大きなデメリット!


★マグフォーマー、販売中止!

※一時期、マグフォーマーの国内販売が中止されるという事件が起きました。その後、当該特許権は、2021年4月に消滅しました。現在は、特許許諾に関係なく、販売が可能になっています。この記事は、2015年7月当時、ボーネルンド社から販売中止が発表された時点の記録です。

 たいへんなことが起きました!有名な磁石ブロック玩具「マグフォーマー(Magformers)」が、日本で販売中止になってしまったんです!
 マグフォーマーは、娘(4歳4か月)の入園祝いで買って、たいへん気に入っています。
Q7096279.jpg

 ですが、最近(2015年7月)、このアマゾンのリンクが「在庫切れ(品切れ)」になっているものが多いことに気が付きました。

 マグフォーマーの日本正規代理店「ボーネルンド」のHPを見ると、以下のような記述がありました[1]。

「この度、ジムワールド社製 マグネット式組み立て遊具『マグ・フォーマー』につきまして、製品に使用されております磁石の形状に関連する特許権の所有者からのご指摘があり、その内容を確認の上、一時販売中止とさせていただきます。
 今後の対応につきましては生産メーカーの判断を待つことになりますが、販売再開の目処および今後の商品の仕様変更等につきましては、あらためましてご案内申し上げます。
 本商品を継続的にご利用いただいているお客様には、多大なるご不便ご迷惑をお掛けいたしますことをお詫び申し上げます。なお、すでにお買い求めいただきました製品をご利用いただくことは、何ら問題はございません。」


[1]ボーネルンド;オンラインショップ - マグフォーマー


★日本には「先願特許」があった!

 インターネットで調べてみたところ、問題の「特許権の所有者」は、おそらくこれではないか? というものを見つけました。それが、日本の企業「工房ながおか」の「マジキャップ(MAGIQUP)」という商品です[2]。確かに、「マグフォーマー」そのものです。しかし知名度は低いようで、細々と商売をしている感じです。

[2]工房ながおか;立体組立ブロック マジキャップ



 同社ホームページによると、以下の記述があります[2]。

「マジキャップは棒状の極性反転磁石を世界で最初に装着しました。
 そうです。
 発明したのは国内特許を保有しているのは工房ながおかです。
 今日組立おもちゃとして出回っているのは、この特許の仕組みを使っているもので日本国内では工房ながおかの許可が必要です。しかしながら、アジア某国製のこのおもちゃは無制限に日本に輸出され、ほとんどが違法状態で販売されております。」


 該当特許は、日本国特許「特許3822062」です。(特願2001-108459)この特許明細書は、インターネットの「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」などから入手できます。
[3]工業所有権情報・研修館


★「マグフォーマー」は「マジキャップ」の特許に干渉!

 この特許の請求項は、次のようになっています。もっとも範囲の広い「請求項1」です。

【請求項1】非磁性の材料で形成され接続端が設けられた構造本体部と、構造本体部の内部の接続端付近に収容され軸方向が接続端と略々平行に配設された円柱形のマグネットとを備え、マグネットは径方向に相対して両磁極が着磁され構造本体部の内部で径方向に回転可能である磁力接続構造体。

 「マグフォーマー」現品の構成と、比較してみます。
構成要件該当
a非磁性の材料で形成され
b接続端が設けられた構造本体部と、
c構造本体部の内部の
d接続端付近に収容され
e軸方向が接続端と略々平行に配設された
f円柱形のマグネットとを備え、
gマグネットは径方向に相対して両磁極が着磁され
h構造本体部の内部で径方向に回転可能である
i磁力接続構造体。

 この表を見ると、「マグフォーマーの構成は、本特許に含まれる」という可能性が非常に濃厚です。つまり、侵害していると考えられます。(なお、構成要件hの「径方向」がややあいまいなのですが、明細書の中で(段落【0012】)「軸回り(径方向)」と補足されています。)

 なお、この特許は、日本国内のみの出願で、国際特許は出願されていません。日本特許は日本国内だけで有効で、海外では権利を得られません。「マグフォーマー」が世界的に販売されている状況を見ると、日本だけ出願だったのはモッタイナイ! というのが、出願者の気持ちではないでしょうか。せめて日本だけでも、しっかり権利を主張したいと思うことも、ごく自然だと思います。


★「マグフォーマー」のUS特許はどうなるか?

 ところで「マグフォーマー」の製品パッケージには、米国特許(PAT)番号が記載されています。「US7154363B2」です。この特許の明細書は、例えばインターネット上の「Espacenet」[4]などで閲覧可能です。
[4]Espacenet;

 ここで検索した限り、このUS特許の特許ファミリー(国際出願されたもの)は存在しないようです。ただ、マグフォーマーの設計元は韓国らしいので、韓国特許が出ているかもしれません。(韓国のマグフォーマーサイトは[5]。カッコウイイ!)
[5]GYMWORLD;MAGFORMERS



 このUS特許ですが、出願日(Filed)は2005/6/14で、発明者はLarry Dean Hunts (US)となっています。マグフォーマーは、2008年発売です[5]。

 一方の日本特許は2001/4/6出願(特願2001-108459)。国内優先であり、元の出願(特願2000-278068)は2000/9/13出願となっています。発明者は長岡正夫とあります。特許の有効期限は最長で国内優先の出願日から20年ですから、2021年までは、この特許は有効です。
 
 US特許の詳細は見ていませんが、図面を見る限り、先願の日本特許と同様の部分があり、おそらく部分的には「無効」(出願時に公知文献あり)となるかと推察されます。そうなると、米国では、マグフォーマーと同様の玩具を、他社が作る可能性が開けます。ジムワールドにとっては、こちらのほうが痛手になるかもしれません。


★今後、「マグフォーマー」を買うことはできるか?

 日本特許の方ですが、今後はいくつかの方向があるかと思われます。素人の推察ですが、例えば、
1)日本特許権者の許可を得て(金銭等の支払い)、日本国内で販売が続けられる。
2)マグフォーマーが日本市場から撤退する。

3)日本特許の無効が争われる(今回の日本特許の前に、さらに公知例があった場合など)

 これだけ大々的に販売され、日本で親しまれている玩具なので、おそらく1)で決着することかと思います(それを望みます)。いずれにしても、当面、日本国内でマグフォーマーを入手するのは、難しい状況が続きそうです。

◎2021/12/1追記:

 実際には、1)の「許諾を得て継続販売」がなされた後、2021年4月、特許権が消滅しました[A1]。現在は、特許許諾に関係なく、販売が可能になっています。

[A1]工房ながおか:立体組立ブロックマジキャップ - 特許権終了のお知らせ



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