思い出のボードゲーム「ドラキュラ」。1980年代、小学生のころに遊びました。そして今ふたたび、子供たちと遊んでいます。

★思い出のゲーム、ドラキュラ
1980年代のおはなし。近所の友達が「お化け屋敷ゲーム」を持っていて、それに対抗して、この「ドラキュラゲーム」を買いました。小学生の頃の思い出です。当時のものは処分してしまいましたが、中古ショップで見かけて、再購入をしました。約2000円で、状態は良好でした。

盤面はすごろく風です。サイコロではなく、手札のカードを使って、ドラキュラの城を進みます。「お化け屋敷ゲーム」と似たシステムです。しかし後述の通り、同じカードを「武器」としても使うのが、特徴的なところです。

手札は、1枚使って1枚引く、で進行します。山札・捨札置場は、専用のトレーが用意されています。当時としては高級感があり、「特別なゲーム」をやっている気分を楽しめました。

★コウモリを動かして血液を奪え!
カードによっては、敵であるコウモリ・ドラキュラを動かせるのもユニーク。プレイヤーのコマを飛び越えることで、そのプレイヤーの「血液」を減らせます。吸血カードを引いて、出た数値だけ、血液チップを払わなければなりません。

その血液チップは、赤色のコイン状で、1枚=100ccです。ゼロになるとコウモリになってしまう、というペナルティがあります(他プレイヤーから血液を奪って復帰可能)。多ければ、道の一部をショートカットできる特典が得られます。手持ちの物品が増えたり減ったりするのは、見ていて分かりやすく、ドキドキ感・ワクワク感を高めます。

★クライマックス、ドラキュラと対決!
そして、最後はドラキュラとの対決です。プレイヤーは手札のカードを使い、ドラキュラは対決用カードを引き、1対1で勝負を決めます。

これが対決カード。十字架→木槌→ニンニクの順に、負ける可能性が高まります。この順位は、数字の大→小の順と同じなので、早く進んでゴールを目指すほど、強いカードが手元に残りにくい、というジレンマがあります。(下の写真では、予備カードに、勝敗が逆順になる内容を記載しました。これで、あっと驚くドンデン返しを演出できます。子供の頃にも、こうして遊んでいたものです。)

今どきの子供たち(娘11歳、長男9歳、次男7歳)も、楽しんでいます。これまでいろいろなボードゲームで遊んでいますが、この「ドラキュラ」はそれなりに新鮮な魅力があるようです。


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(追記)現代のドラキュラ=ルクソール?
あの頃の思い出が、今のボードゲーム熱につながっているのか。下は現代版のカードすごろく「ルクソール」です。やることはだいたい同じですが、勝敗の決め方はだいぶ違います。

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多様なアクションカードを組み合わせ、ワニの土地を立派な町に発展させよう。もちろん作った建物は、みんなが自由に使えるぞ! さあ、買うべきか、買わざるべきか?

画像出典:2F-Spiele, Faiyum 英語版ルールブック(2020)
★内容の確認
1)テーマ
・年代:紀元前2000年頃
・場所:エジプト・ファイユム地方
・プレイヤーの立場:ファラオの腹心
・目的:ファラオの信頼を得ること。
・行うこと:
・ワニのいる土地を開拓し、収穫を得る。
・開拓した土地に、建物を建て、橋や道でつなぐ。
・大型の建造物を完成する。
2)ルール
○基本システム
・デッキ構築(個人用の手札群の構成変更・繰り返し使用)
・共通エリアへの物品配置(物品の獲得・勝利点の獲得)
○主要物品
・共通エリア:
・共通ボード:
・地図:ヘックス形状のマス。各種コマが置かれる。
・ワニ:開拓前の土地に置かれる。
・資材:拠点・道などがある。
・現売場:購入できるアクションカードが置かれる。
・次売場:次に現れるアクションカードが置かれる。
・個人エリア:
・手札:スタート時は、全員同じ内容の5枚セット。
・捨札:自分専用の捨札置場。
・資源:資材4種(麦・果物・石・魚)+万能(花)、現金。
○大まかな手順
- ラウンド制。終了条件を満たすまで続ける。
- 開始プレイヤーから、時計まわりで手番をとる。
- 手番では、以下いずれか1個を行う。
a)手札から1枚を捨て、以下いずれかを行う。
a-1)カード記載のコストを払い、効果を得る。
a-2)現金2点を得る。
b)現売場からカード1枚を買い、手札に加える。
c)捨札から所定数を手札に戻す。売場を更新する。 - 売場に4枚の災厄カードが並んだら、終了トリガ。
・以降、手番の人は災厄カードを取れる。
・災厄カードを取ったら記載得点を得て、ゲームを抜ける。 - 全員がゲームから抜けたら、ゲーム終了。
○勝敗
・終了後、ゲーム中に得た勝利点を比べ、点数が高い人が勝ち。
○アクション
a)収穫:地図に人コマを置き、資源を得る。
b)建築:指定された建物コマを、地図に置く。
c)商売:物品を交換する。
d)特殊:その他の効果。
※主要部分のみ記載。カードにより、条件や付属効果がある。
○特徴的な要素
- 個人用の山札はない。
- 捨札を回収するアクションがある。
- 手札が2枚以下だと、回収時に現金を得る。
- 回収できるのは、捨札の上にある3枚。
- 現金を払うと、追加で回収できる。
- このとき、地図上の人コマを除去できる。
- このとき、売場のカード1~2枚が更新される。
- 捨札を回収するアクションがある。
- 売場のカードは、カードの通し番号順に並べられる。
- 弱いカードは番号が小さく、左に置かれる。
- 左に置いたカードほど、購入額が安い。
- 売れ残りカードは、ディスカウントされる。
- カード補充のたび、番号順に並べ直す。
- 弱いカードは番号が小さく、左に置かれる。
- 土地に置くコマには、主に以下がある。
- ワニ:開始時に置かれている。
- 人 :収穫時に置く。
- 建物:ワニのいないマスに置ける。
- 道・橋:2個のマス間に置く。建物をつなぐと得点。
- 建材:複数を置いて、大型建築物を作る。
- ワニ:開始時に置かれている。
- 既存のコマ配置が、別のコマを置く条件になることがある。
3)販売情報
・日本語版:あり(アークライト、2022/2)
・定価:7920円
★考察:魅力と懸念点
◎魅力を感じた点
- ワニ。ゲーム開始時、ボード上には緑色のワニが、ギッシリと広がっている。この見た目がユーモラスで、これから何が起きるのか、目が離せなくなってしまう。子供たち(娘11歳、長男8歳、次男6歳)も、ぜひ遊びたいと言うはずだ。
- 町の発展。カードの効果で、共通ボードに物品を配置したり、資源を得たりできるのだが、ゲームが進むごとに強いカードが現れてくる。それにしたがって、ボード上のワニは除かれ、かわりに建物や道が増え、さらに建物は町に成長していく。しかも、これらの建築物は特定のプレイヤーのものでなく、全員が共通して使える。未開の地が開拓され発展していく経過を、全員で楽しむことができるだろう。
- 多様なカード。カードはすべてユニークで、後半にいくほど強い効果が現れる。おそらく初めて遊ぶときは、全体像が見渡せず、効率的なプレイができないだろう。しかし、何度も繰り返すうちに、このタイミングであのカードが出る、ということが分かってくるはず。カードの効果を存分に発揮できるようになれば、達成感があるだろう。遊ぶたびに上達が感じられると、何回も遊びたくなるはずだ。
◎懸念点
- 多様なカード。何度も繰り返し遊ばないと、カードの効果を十分に活かすことができそうにない。繰り返し遊ぶには、1回目のプレイで、どれだけ良い体験ができるかがキーポイントになる。ここを失敗してしまうと、本来の楽しさが分からないうちに、お蔵入りになってしまうリスクがある。
- 2人プレイ。陣取りではないが、場の建物を利用する効果発動に、先取り要素がある。時間をかけて育ててきた建物群を横取りされて使われてしまうと、ショックが大きい(私の家族は、心が弱い人ばかりだ。特に私)。2人プレイのときは、相手が1人だけなので、そうした機会がより多くなるのではないか。和やかに遊ぶためには、3人以上がよさそうだ。が、そうすると、プレイ機会が限定されてくる。
★判定結果:「ファイユーム」は買うべきか?
以上を踏まえて、「ファイユーム」を買うべきかどうか、判定しました。
判定結果:うちには必要ない。
※ぜひ買いたい/気になる/うちには必要ない、の3段階評価。
地図いっぱいに広がるワニ。多様なカードを使い、少しずつ土地を開拓し、建物を増やしていくプロセスが楽しそうです。ただし、初回プレイで失敗しそうなリスクがあり、購入には踏み切れません。残念です。

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電子辞書(20年もの)の液晶画面がシワシワになってしまいました。これは「ビネガーシンドローム」と呼ばれる経時劣化のようです。自前での修理を試みました。
★「ビネガーシンドローム」で液晶画面がシワシワ!
私の愛用する電子辞書(カシオ・Ex-Word XD-R7100)は、もう20年も使っている年代物です。パーツのそこかしこにヒビが入り、だましだまし使ってきました。

ある日、その電子辞書の画面を開くと、液晶画面がシワシワになっていました。前に使ったときは大丈夫だったはずなのですが。

拡大してみると、表面が波打って、ザラザラしていることが分かります。この波打ちがひどく、文字を読むのも難しい状態になっています。電子辞書として用をなしません。

気泡のように、浮き上がっている箇所もありました。さすがに20年もの、もう寿命なのでしょうか。

ネットを調べてみると、この現象は「ビネガーシンドローム(酢酸シンドローム)/Vinegar Syndrome」と呼ばれているようです[1][2]。映画用フィルムなどで頻繁に見られ、「酢酸セルロース(トリアセチルセルロース/TAC)」という合成樹脂の劣化によって生じる現象だそうです。
湿度の高い環境で同樹脂を長期保存すると、加水分解によって酢酸が生じ、樹脂の硬化や収縮などの変質が生じるとのことです。ここで生じた酢酸による自己触媒作用により、この反応は加速度的に進むらしい[4]。このとき酢酸が生じるため、この現象が起きた樹脂では、すえたような強いニオイがすると言われています。
液晶画面は、ガラス板に「偏向板」と呼ばれる板材が設置されています。この偏向板は、ポリビニルアルコール(PVA)が主体ですが、その表層に上述の「トリアセチルセルロース(TAC)」の層が形成されているそうです[3]。この「TAC」層が劣化することで、今回のような「しわしわ」が生じていると考えられます。
確かに、今回しわしわになった電子辞書を開くと、酢のようなニオイがしています。これは「ビネガーシンドローム」と考えて、おそらく間違いないと思います。
[1]Wikipedia: Vinegar syndrome
[2]ウィキペディア:アセチルセルロース
[3]ウィキペディア:偏向板
[4]MediaWiki:Vinegar syndrome
★応急処置! 紙やすりで平らにしよう
原因は分かったのですが、どう対処すればよいでしょうか。ネットで検索すると、「偏向板」をまるまる交換する修理方法が見つかります。しかし、偏向板は液晶画面本体(ガラス板)に強固に固定されているので、剥がすのは容易ではないように見えます。乱暴に扱うと、液晶画面本体を破損してしまうリスクがあります。
そこで応急処置として、紙やすりを使って、表面を平らにすることを試みました。しわしわなのが偏向板であるのなら、凸部を削り落としたとしても、液晶画面の機能に大きな支障はないはずです。1000番の紙やすり(耐水ペーパー)を使い、少しずつ削ってみました。

一部を削ってみた状態。しわしわによる光の乱反射がなくなり、字が読みやすくなりました。そして、液晶の表示にも問題がありません。

改善が確認できたので、全体に紙やすりをかけます。凸部が除去されて、指でなでても凹凸を感じない程度になりました。

成功です。画面が読めるようになりました。やや読みにくいですが、以前はまったく読めない状態でしたから、大幅な改善です。

★シンドロームは進行するのか? いったん様子見
ひとまず文字が読めるようになりましたが、心配はあります。この「ビネガーシンドローム」はいったん発生すると、酢酸の発生によって、進行が加速するというのです。また再び、画面がしわしわになってしまう可能性はあります。
下の画面は、数日後の状況です。しわしわの進行は見られません。

ただ、ところどころ、表面が白くなっていました。気泡のようになっていた部分について、偏向板の表面がはがれてしまったためのようです。しかし部分的なので、普通に使う上では許容範囲です。

今後どうなるのか、経過観察をしたいと思います。
★まとめ:ビネガーシンドロームの自前修理
電子辞書の液晶画面のシワシワを自前修理しました。分かったことのまとめです。
- 液晶画面の表面がシワシワになり、文字を読むのが困難になった。
- シワシワは「ビネガーシンドローム」という現象によるものだった。
- この現象は、液晶画面の「偏向板」に用いる「トリアセチルセルロース」の経年劣化による。
- この劣化で「酢酸」が発生し、すえたような強いニオイが発生する。
- 表面のシワシワを紙やすりで削りおとすことで、文字を読めるようになった。
液晶画面がしわしわになる「ビネガーシンドローム」。偏向板の交換が難しい場合は、やすりで表面の凸部を削り落とすだけでも、一定の効果があります。
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